山梨学院小学校(やまなしがくいんしょうがっこう:英)は、山梨県甲府市酒折一丁目にある私立小学校である。略称はYGES、山梨学院大学の附属学校。学校法人山梨学院により設置された山梨学院大学系列の小学校である。甲府市東部に所在する同大学キャンパスの西側を南北に走る、オクトーバー通りを挟んだ大学に隣接した位置に立地する。2004年(平成16年)に開校した比較的新しい私立小学校であるが、2006年度(平成18年度)より3年間にわたり、山梨県の小学校では初の、私立小学校単独としても全国初 となる文部科学省研究開発学校の指定を受け、2013年度(平成25年度)より再度「科学的リテラシー」教育課程、指導方法および評価方法による研究開発学校の指定を受けている。また、後述する学校外部からの教育学者による客員研究員をメンバーとした「学習カリキュラムセンター」を設置しているなど、独自の教育カリキュラムを実践している。同校の前身は1957年(昭和32年)に設置開校された『山梨学院短期大学附属小学校』であるが、昭和30年代当時の甲府あたりでは私立小学校への理解、認識等は難しく、同短期大学附属小学校は1961年(昭和36年)に児童募集を停止した経緯 がある。学校法人山梨学院は創設以来、幼稚園、短期大学、高等学校、大学、大学院、中学校と、学校体系一貫の構築を順次進めていったが、最後まで未設置のまま残っていたのが小学校であった。2004年(平成16年)4月、改めて『山梨学院大学附属小学校』として新規設置開校し、一期生が6年生になった5年後の2009年(平成21年)4月、学校法人積年の念願である学校体系一貫を完成させ、同大学キャンパス内に『学校体系一貫完成記念碑』が建てられた。開校から12年目の2016年4月1日、系列する幼稚園、中学校、高等学校とともに名称変更が行われ、校名が『山梨学院小学校』となった。「生きる力」の育成を目的に、2000年(平成12年度)より学習指導要領で段階的に始められた「総合的な学習の時間」に対してのカリキュラムは、1年次から年間100時間(教育課程上の時限)以上の時間を割いており、児童主体発案による1学年から6学年まで全学年縦割りの異学年学習である「プロジェクト学習」と呼ばれる同校独自の課程として行われている。年間を通してさまざまな観点によるプロジェクト学習があるが、主なものとして「"スポーツプロジェクト"」(一般の運動会にあたる)、「"オクトーバープロジェクト"」(文化祭)、「"ウィンタープロジェクト"」(追求型自己学習)の3つが、3大プロジェクトとして、それぞれ10日間から2週間ほどの期間を通して行われる。プロジェクト期間中は通常の授業は基本的に行われず、各自が目標とする課題に集中して取り組む。なお、前述した文部科学省研究開発学校制度での、同校における研究課題であるアントレプレナー教育の実践は低学年では生活科の一部改変によって、その他の学年では特別活動及び総合学習の一環として行われている。校舎及び付随する関連施設の設計・監修はハンガリー共和国エゲル市出身、ブダペスト工科大学()建築学専攻修士課程修了の日本で活動する建築家、パルフィ・ジョージ(György Pálffy)によるもので、地上2階地下1階の鉄筋コンクリートRC構造。建築面積4,279.74平方メートル、延べ面積7,352.86平方メートル、総工費約18億5千万円(コンピューター、備品等除く) である。メイン施設である教室棟の北側外壁面は大規模なガラスブロックによるデザイン的 なもので、ブロックを介して採光を屋内に取り入れる設計であるのに対して、教室のある南側の外壁面には輸入品による外付けのロールスクリーンが各教室毎に設置されるなど、随所に意匠をこらした校舎施設は、新建築社が発行する日本の建築デザイン専門月刊誌である『新建築』2005年9月号に掲載 されており、施設だけを見ればおよそ小学校とは思えない斬新なものである。各学年の教室は廊下との間を隔てる壁が無いオープンルームになっており、学ぶ内容によりスライディングウォール(可動壁)で区切ったり、廊下と一体化したスペースを作るなど自在に変化する構造である。建物は教室棟、芸術棟、体育館棟の3棟から構成されており、3つの棟は回遊性を持たせるために、それぞれの棟の2階部分をウッドデッキ敷きの渡り廊下により回廊状に結んだ構造となっている。教室棟中央部の1、2階それぞれに、一般の学校で言う図書室(メディアセンター)が配置され、10,000冊以上の書籍やDVD、100台を超えるパソコンがあり、児童はこれらのメディア媒体(校内は無線LANが完備されている)を、さまざまな領域の授業で検索に活用するなどメディアリテラシー教育 が行われており、メディアセンターには児童の読書を促すためのベンチ、畳スペース、人工的なほら穴(穴ぐらユニット)などが設置 されている。また、1・2階をX(エックス)状のスロープで結ぶ吹き抜け部には、コロンブスがアメリカ大陸の発見に用いたサンタ・マリア号のレプリカ(児童が船内に入れるほどの大きさである)や、肉食恐竜(タルボサウルス/"Tarbosaurus")の実物大骨格モデルがある。体育館(スポーツ館)の内部はバスケットボールコート1面、ならびにバドミントンコート3面を備え、壁面にはクライミング・ウォール(ボルダリング・インドアクライミング)が設置されている。また、体育館の床面は屋外の校庭(プレイコート)と段差のないフラットな設計になっており、シャッターを開放することによって、校庭と体育館内部は一体的な空間を作ることも可能である。この校庭は山梨県の小学校では珍しい全面ゴムチップ透水性舗装(クレー舗装)となっており、プレイコートと繋がる南側には、小学校専用の運動場であるオクトーバー運動場がある。オクトーバー運動場は2012年3月に竣工し、縦40メートル、横80メートル、約4300平方メートルの全面にロングパイル人工芝 が敷かれており、夏期の熱中症対策のために、ミストシャワー噴射装置が深さ3.2センチの地中に設置されており、合計28ヶ所の噴射装置から霧を噴射することにより、地表の温度を10-20度下げる構造になっている。日本国内での人工芝散水システム導入例は、大阪体育大学ラグビー場、慶応大学アメフト場に次いで3例目であり、日本全国の小中学校で初めて採用された。理科室(環境館)は、熱帯魚(アロワナ)の泳ぐ大型水槽(アクアリウム)や各種実験器具、昆虫・鉱石・化石など、さまざまな標本が備えられている。また、オクトーバー運動場に隣接して水生生物を観察するビオトープが設置されている。陶芸用のろくろや窯、グラフィック作図専用パソコン・カラープリンターなど、手芸・クラフト作業に特化した美術室(芸術館)は、北側に面するふたつの大きな正方形の窓を介して採光を確保しつつも、絵画等への直射日光に配慮した設計になっており、パリにあるような屋根裏のアトリエをイメージしたものであると設計者によって語られている。音楽室(音楽館)の外観は、すり鉢状の逆円錐形になっており、音楽室内部はグランドピアノを中心に30台(1人1台)の電子オルガンが並ぶ円形階段構造であり、さらに全4室の個室ピアノ練習室を備えている。このようにハード面が充実しているのも特徴である。これらの施設設備は授業等の行われていない時は児童が自由に使用することができる。専属の管理栄養士による給食制で、カフェテリア(約300人収容)に1年生を除く 2学年から6学年までの児童が一同に集まり給食をとる。カフェテリアは大型ガラス引き戸を介して屋外のウッドデッキスペースと繋がっており、天気の良い日には屋外で給食をとることも可能である。給食の配膳や後片付けは当番制で児童自ら行い、児童のみならず、教員も同じテーブルで同じものを食べるなど、食育とコミュニケーションを重視している。隣接する敷地にある山梨学院大学の各種施設(系列幼稚園と共用の菜園『アルテアこどもファーム』、室内プール、多目的ホール、ホッケースタジアム、模擬法廷など)を活用している。放課後開放事業として、トワイライトスクール(略称TS)が校内に設置されており、在校児童以外の小学生にも受講を開放している。これは一種の学童保育とも言えるが、内容は先進学習、国際理解(英語、フランス語、中国語、国際協力機構出張講座)、音楽(各種楽器、ソルフェージュ)、各種スポーツ、思考ゲーム(将棋、チェス等)など多岐に渡っており、受講児童は週1日から週5日までのコースを任意に選択し、在校児童は通常授業終了後、最終的に18時40分まで過ごす(定時以前の帰宅も可)。TSの講師陣には同校教員だけでなく、学校の母体である山梨学院大学の教授、外部からの講師など、実績のある指導者があたっている。TSは登録日(曜日毎)であれば、基本的に誰でも受講可能な『基礎プログラム』(毎時限開講)と、より専門的な内容である為に、事前に定員を定め受講者が限定される『専科プログラム』に分けられている。また、夏休みの期間中も一部の日程において昆虫採取、ザリガニ釣り、大学シアターでの映画鑑賞など特別プログラムが行われる。以下に主なTS講座名を記載するが全てではなく、基礎、専科とも期間限定、不定期のものを含む。同校の教育実践をたえず振り返り、より優れた教育実践を考案・開発するための研究組織「学習カリキュラムセンター」が付帯施設として設置されている。具体的には学習カリキュラムモデルの提案、委託研究事業の推進、研究開発学校事業の推進等のカリキュラム開発、授業改善の推進、定期的な授業研究の実施、客員研究員の指導による研究公開授業の実施等の授業改善、出版を通じた研究成果の公開、公開研究大会の実施、研究紀要の発行等の研究公開を行っており、同校の教員はもとより、山梨学院大学、及び同短期大学の教員も常任研究員として加わっている。また外部から著名な教育研究者を客員研究員として招聘している。
出典:wikipedia
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