座礁鯨(ざしょうくじら)とは、何らかの理由により、クジラ類が浅瀬や岩場などの海浜に乗り上げ、自力で泳いで脱出できない状態になること。日本の古い言葉では寄り鯨(よりくじら)や流れ鯨(ながれくじら)という。専門的にはイルカを含めて座礁鯨類ともいい、小型の鯨類(イルカ)の場合は座礁イルカとも呼称される。英語圏においては、ホエール・ストランディング (Whale stranding) やBeached whaleという。また、英語圏での集団座礁を指すマスストランディングや生きた個体の座礁を指すライブストランディングも、専門家の間では使われている。水産庁では、座礁鯨は生きた状態での海浜への打ち上げをいい、死亡した状態で漂着したものを漂着鯨 (whale beaching) としているが、ここでは死亡した状態で打ち上げられたクジラ類についても記述する。クジラの座礁は単独のこともあれば、数百頭の群れが座礁することもある。「流れ鯨」とは何らかの原因で死んだ鯨が海浜に流れ着いたクジラのことであるが、単に座礁したクジラについても用いられる例があり、「寄り鯨」とは生きたまま海浜に乗り上げたクジラをいうが、湾などの狭い海や、比較的に浅い海に迷い込んで外海に出られない場合や、居ついてしまいその場所から出て行かないクジラの事もいう。尚、種類によっても座礁の傾向は異なり、集団座礁(マスストランディング)はハクジラに多く、ヒゲクジラにおいては殆ど見られないとされる。ハクジラの中でもゴンドウクジラの仲間は特に集団座礁が多い。単独と複数の時はそれぞれ当てはまる事項に差異があるが、ここでは併せて列挙する。近年の文化人類学と考古学の研究から、人類がアフリカから他の大陸に移り住んだ歴史において、その集団は海岸線に沿って徐々に移動したことが解ってきた。貝塚などの調査からも、初期の人類は魚介類とその他の野生の植物の収穫によって成り立ち、その貝塚の多くから残滓として鯨類の骨が見つかっている。大型の鯨類の積極的な捕鯨は、充実した道具や船舶などが発達してから行われたと考えられているので、小型の鯨類を除いての食物残滓は座礁鯨を利用したものと考えられている。現在でも日本を始め、海洋性東南アジアの国々や北極圏のイヌイットは座礁鯨の利用が伝統的にあり、活用している。代々にわたり座礁鯨を利用してきたニュージーランドの先住民であるマオリ族は、座礁鯨の利用を政府により禁止され、捕鯨文化の伝承が間接的に制限されている。また近年では、鯨肉を食さない地域でもスコットランドのルイス島の西側にあるブレガーという村のジョンバプテスト礼拝堂の入り口の門には付近で座礁したシロナガスクジラの顎の骨が飾られているように、世界各地で座礁鯨の骨をオブジェとして飾っている施設や地域がある。その他、座礁鯨は海洋生物学や古生物学、食物連鎖や海洋資源などにおいて調査研究がなされている。環境保護の立場から捕鯨を行わなくても研究用の標本や食用の需要は座礁鯨から求められるという意見もある。クジラ#鯨と生態系を参照。座礁鯨を発見した場合、水産庁はその当該する地方自治体や地域住民に協力を仰いで海に帰すことに努めるとしている。
出典:wikipedia
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