『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』(ドラゴンクエストセブン エデンのせんしたち)は、2000年(平成12年)8月26日にエニックス(現:スクウェア・エニックス)より発売されたプレイステーション用ゲームソフト。ジャンルはロールプレイングゲーム(RPG)。北米では『Dragon Warrior VII』として2001年に発売。2013年2月7日にはニンテンドー3DS版が発売され、2015年9月16日にはAndroid版が配信され、同17日にはiOS版が配信された。以後、注釈がない場合はオリジナルのプレイステーション版について述べる。ドラゴンクエストシリーズの第7作。移植作品を除けば、同シリーズのナンバリングタイトルで初めて任天堂以外のゲーム専用機向けに開発・発売された作品である。開発はハートビート、アルテピアッツァが担当した。日本のプレイステーション用ソフト歴代出荷本数第1位である。キャッチコピーは「人は誰かになれる」。3DS版のキャッチコピーは「希望のかけらをもとめて」。たった一つの島だけしか陸地が存在しないという世界が舞台となり、その島に住む主人公たちが、とあるきっかけから遺跡に潜り込んで不思議な石版のかけらを発見し、この石版のかけらを集めることによって見知らぬ土地に移動し冒険をしていくという物語である。ストーリーはほかのドラゴンクエスト作品と比べると長く、シナリオはA4サイズの文書16,000ページ分に及んだ。スタート時に島が一つだけという設定となったのは、過去の作品で世界が肥大化してきていたので本作は一つの島で物語を始めようという堀井の発想によるものである。従来作品はタイトルロゴに数字が重なっていた(FC版の『III』を除く)が、この作品から、ロゴの下に数字が表示されるようになり、また、サブタイトルも一緒に表示されるようになった。この作品以降数字が重なった作品はGBC版『III』とPS版『IV』のみである。対象ハードがプレイステーションになったのに伴い、グラフィックにはナンバリングタイトルで初の3Dポリゴンが採用された。また、ストーリー中の何か所かにはムービーが挿入されている。モンスター図鑑、モンスターパークといったコレクションシステムや、多数のモンスター職が登場したことなどにより、やり込み要素も多くなっている。本作のキャラクターデザインの特徴として、頭身が小さくなり、彩色がアナログ調からCG塗りに変更されるなど、従来の『ドラゴンクエストIV』『V』『VI』とは趣の異なったものとなっている。発売後には、本作を基にした漫画『ドラゴンクエスト エデンの戦士たち』(藤原カムイ作)が『月刊少年ガンガン』で連載されたほか、小説化も行われている(小説ドラゴンクエスト参照)。2003年には、本作の登場人物「キーファ」の幼年時代を描いたスピンオフ作品として『ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート』がゲームボーイアドバンス用ソフトとして発売された。本作は重要アイテムである「ふしぎな石版」を集めることによってストーリーを進める形式がメインだが、それについての詳細は世界設定の節で述べる。移動画面はポリゴンを採用した俯瞰視点の3Dマップとなり、町やダンジョンでは、コントローラを使って視点を360度回転する機能、上空から広域を見渡す機能が追加された。視点を変えないと存在を確認できない宝箱や扉なども多数登場。ただしキャラクターや、建物以外の多くのオブジェ(木、花、持ち上げられる壷など)は、ポリゴンではなく2Dテクスチャとして表示されている。主人公たちメインキャラクターは、本作からは斜め方向に移動できるようになったことから、前後左右と斜めの8方向のグラフィックが用意され、それ以外のキャラクターには前後左右の4方向のアングルのグラフィックが用意された。この手法は後のPS版『IV』やニンテンドーDSでのリメイク作品にも受け継がれている。主人公たちの前に人がいないときに「はなす」のコマンドを使うことで、主人公に同行しているキャラクターと会話ができるようになった。メインキャラクター・サブキャラクターを問わず会話をすることができる。話をする仲間が誰かはランダムで、そのときの状況に合った話をする(話題が無い場合は「…」となる)。特定のタイミングで特定の条件を満たさないと聞けない話もある。また、壷や樽などを「べんりボタン」で持ち運んで投げることができるようになり、このアクションを生かしたダンジョンの謎解きも用意されている。3DS版では、壷や樽などのアクションによる謎解きは全て削除され、別の謎解きに置き換わっている。前作『VI』同様、イベントで夜のシーンになることはあるが、『III』-『V』に存在した昼と夜が切り替わるシステム(フィールド上の歩行もしくは呪文)は採用されていない。この中で、船、飛空石、海賊船の3つの乗り物は、移動呪文「ルーラ」を使った場合に移動した場所に対応する場所に自動的に移動する。本作では、前作で存在した、戦闘に参加するメンバーを入れ替えるための馬車は登場せず、モンスターをパーティーに加えるシステムも廃止された(ただし、新要素の「モンスター職」により登場人物たちがモンスターの力を得ることは可能)。登場するメインキャラクターは主人公を含めて6人だが、シナリオの流れでパーティーメンバーが4人を上回らないように自動的に加入・離脱をするようになっているため、パーティーメンバーは基本的に3〜4人で固定。ただし、終盤ではメンバーが5人になるため、特定の場所で主人公以外のメンバー1人を任意に待機させられる。劇中では、前述の乗り物「飛空石」には4人までしか乗れないから、という理由が示されている。シナリオの進行に応じて、メインキャラクター以外のキャラクターが主人公たちに同行することがある。これらのキャラクターには戦闘に参加するものとしないものとがある。戦闘に参加する場合、HPやMPは表示されず、命令もできないが、基本的に死亡することはない。しかし、メインキャラクターが全員死亡すると、サブキャラクターが生き残っていても全滅扱いになる。戦闘ではメインキャラクターたちとサブキャラクターは別のグループになっており、モンスターのグループ攻撃をメインキャラクターたちが受けた場合、サブキャラクターは攻撃を受けない(その逆も同様)。特技「しょうかん」「げんま召喚」で呼び出された精霊・幻魔も同様の扱いとなる(前述した戦闘に参加するタイプのサブキャラクターがいる場合は召喚できない。また、こちらはHPが限られており、死亡または戦闘終了によっていなくなる)。なお、プレイヤーは支援系の呪文や特技を使用する際にこれらのサブキャラクターを対象指定することはできないが、AIに行動を任せるとサブキャラクターに対しても回復や支援を行ってくれるようになる。前作『ドラゴンクエストVI』で採用された転職システムが継承された。本作での職業については後述。基本的なルールは前作と同じだが、以下の新要素が追加されている。本作では職歴という要素が追加され、ステータス画面で職歴を見ることができるようになった。また、前職と現在の職業の両方の長所を生かした呪文や特技を習得できるシステムが新たに搭載された。転職後に現在の職業のレベルが★5つまで上がる(「いたについてきた」と表示される)か、前に一度やめた職業に再転職してかつ再転職後に一定回数戦闘する(「カンがもどってきた」と表示される)かのいずれか条件を満たすことにより、新たな呪文・特技を習得できることがある。いずれのケースも前職・現職両方の職業レベルが★5つ以上であることが条件である。この際の転職の順序は順不同で、覚える呪文・特技は職業の組み合わせごとに定められているが、覚える呪文・特技のない組み合わせもある。
3DS版では職歴システムは廃止され、このシステムでのみ覚えられた呪文・特技は職業レベルを上げて覚える技となり、各職業に振り分けられた。また、人間の上級職で覚えた呪文・特技(他の人間の基本職で覚えられるものは除く)は他の職業に持ち越すことはできくなった。なお、モンスター職で習得できる呪文・特技はこの制約の対象にはならない。こうした制約の関係上、習得する呪文・特技も大幅に変更されている。本作では人間職20種(基本職10種、上級職10種)のほか、モンスターの心(「スライムの心」「キメラの心」など)を手に入れることによって転職が可能となるモンスター職が34種登場している。モンスター職の中には人間職では覚えられない特技を習得できる職業もあり、モンスター職をマスターすると、フィールド上でのキャラクターの外見がそのモンスターの姿になる。3DS版では、モンスター職に転職した時点で、フィールド上でのキャラクターの外見がそのモンスターの姿になる。モンスターの心はモンスターを倒して入手するほか、宝箱から入手する、カジノの「ラッキーパネル」で入手するなどの方法がある。モンスターの心を持っているキャラクターのみが該当するモンスター職へ転職することができ、転職後はモンスターの心は消滅する。また、モンスター職でも人間職と同様、複数のモンスター職をマスターすることによって転職が可能となる中級職や上級職が存在する。括弧内の英語表記は北米版での表記(2つ併記してあるものは、左がNES版・右がGBC版)戦闘は従来と同じくターン制によるシステムであり、『ドラゴンクエストIV』より登場したAI戦闘を継承している。従来の作品ではパーティー全員に1つの作戦が適用されたが、本作からは各キャラクターごとに個別に指定できるようになった。それに伴い、「みんながんばれ」は「バッチリがんばれ」に名称が変更されている。なお、そのほかの作戦は前作と変わっていない。モンスターは前作と同様に行動時にアニメーションをするが、2Dテクスチャで表現されている。戦闘画面の背景にはポリゴンが使用され、使用した呪文や特技、行動するモンスターによってはカメラアングルが一時的に変化する演出が取り入れられた。本作から、戦闘中の補助系呪文は数ターン経過すると効果が消える仕様となった。そのため、効果を持続させるにはこまめに呪文をかけ直さなければならない。また、麻痺状態も数ターン経過により自然に治るようになり、全員が麻痺しても全滅とはならなくなった。ターンの最初のコマンドには「たたかう」「さくせん」「にげる」に加えて「はなす」が追加され、このコマンドを使うと、移動中と同じように仲間に話しかけることができる。ただし、戦闘を進めずに数度連続して会話をすると敵がしびれを切らして襲い掛かってくる。この機能は本作独特のもので、以降の作品にはニンテンドー3DS版の本作でも継承されていない。また、本作では999匹以上倒した敵がいる戦闘を×ボタンによりキャンセルが出来るが、3DS版では戦闘キャンセルはできなくなった。本作からは、敵の攻撃アニメーションは敵の攻撃SEの後に実行される形式に統一された(リメイク作品含む)。以下に挙げる項はストーリーには関与せず、無視してもゲームをクリアすることは可能である。ただしクリア後の隠しダンジョンへ行く場合は、石版の入手のためにある程度やり込む必要があるものもある。3DS版では、『トクベツなモンスター』を除いた、通常モンスターを全てコンプするだけで、褒美のアイテムが手に入る。本作からセーブデータ選択ウィンドウとステータスウィンドウに、ゲームスタートからの通算プレイ時間が時・分単位で表示されるようになった。また、アイテムを店に売る時の売値が、買値の75%から同50%に変更された。以降の作品でも、リメイク版『IV』と『VI』、売価が随時調整される『X』以外は同様の仕様となる。本作では、一部のアイテム、モンスター、特技の文字表記が漢字表記になった(「おどる宝石」「どくけし草」など)。2012年10月31日、ニンテンドー3DS版の発売が発表された。2013年2月7日発売。企画・開発はオリジナルのグラフィックも担当しているアルテピアッツァ。タイトルロゴはオリジナルとほぼ同じ体裁だが、日本語部分のフォントが変更されているといった若干の変化がある。オリジナルで残されていた一部オブジェやキャラクターの2D部分も完全に3D化された。3DSならではのすれちがい通信や3D表示にも対応。またゲーム中のBGMにPlayStation 2版『V』以来となる、オーケストラ音源(演奏は東京都交響楽団)が採用され、ゲーム中のSEにもPS2版『V』と同じものが使われている箇所がある。2015年4月16日にはアルティメット・ヒッツ(廉価版)が発売された。システム面は基本的には『IV』『V』『VI』のニンテンドーDSリメイク版(以下、『DSリメイクシリーズ』)の各作品を踏襲しているが、上画面がメイン画面、下画面がサブ画面となり、コマンドウィンドウはアイコンがなくなり、従来と同様文字のみとなった(ただし、選択中のキャラ・道具のアイコンはある)。下画面は地図や戦闘中のキャラのパラメータ・コマンドなどが表示される(DSリメイクシリーズとは異なり、戦闘画面に顔の画像は表示されない)のみで、タッチ機能は『すれちがい石版』を送るときのプロフィール入力時に3DSのシステムキーボードが表示されたとき以外は対応していない。また、下画面に表示される地図の上下の枠は、いる時代によって色が変化する(過去:赤、現代:青)。中断の書の仕様は『IV』以降のDS版リメイクシリーズに準拠し、再開しても中断の書のデータは削除されないが、中断できる場所が限られ、町の中やダンジョンで中断しようとした場合はスリープモードの使用が促される。スーパーファミコン版『V』から実に約20年半振りに、メインコマンドの数が8つに復活し「そうび」は「さくせん」コマンドから切り離され独立した(オリジナル版同様、道具コマンド内からの装備も可能)。一方で、戦闘コマンドから「はなす」が削除された。ゲーム中に表示されるほぼ全ての漢字文章の上にふりがなが表示されるようになった(選択肢およびアイテム名に含まれている漢字には表示されない)。マップは『VIII』『IX』と同様に、町や村・ダンジョン・それ以外の世界が同じスケールで描かれている。出入口が複数ある町などでは、出入りした場所でマップが切り替わる。また、フィールド上にも宝箱が点在する。PS版で存在したツボやタル、草木や花を持ち上げる動作はDSリメイクシリーズや『IX』同様廃された。また、ツボやタルを便利ボタンで調べた場合はそれを割る動作(叩くか、蹴るなど)が追加された。通常戦闘のエンカウント方式がシンボルエンカウント方式に変更された。『IX』と同様、エンカウント発生時の状況は戦闘には関係せず、モンスターの方から迫ってきたのに先制攻撃となることや、逆にモンスターの背後を取ったのに先制攻撃を受けることもある。戦闘画面のレイアウトは『VIII』から用いられている、キャラクターが画面内を動き回る形式に変更されている。コマンド入力時のレイアウトは3DSの二画面に適応しつつもPS2版『V』に近い体裁となった。装備した武器と盾は戦闘中のキャラクターグラフィックに反映される。戦闘中のモンスターの配置には前列と後列があるが、それによる影響はない。同一グループでも位置が異なることがある。出現形態によっては、画面を見ただけでは前列のモンスターと被って存在を視認しづらい場合がある。基本的にはPS版と同様の仕様であるが、職歴による特技の習得は廃止されている。また、人間の上級職でのみ覚えられる特技・呪文はその職業に就いている時しか使えない仕様になり、他の職業では使えないようになった。このため、上級の呪文・特技は大半が上級職で習得するように変更されている。この制約はモンスター職には及ばないため、職業に関係なく上級の呪文・特技を常時使えるようにするにはモンスター職で習得する必要がある。外見では、オリジナル版ではそのままだった衣装の変化が追加されており、『IX』など他作品からの衣装も参考にされている。また、モンスター職は転職した時点でキャラクターの外見がそのモンスターの姿になるように変更された(フィールド・戦闘中のみ)。習得する特技のうち、一部の強力な特技はMPを消費するようになった。また、効果が変更されているものがある。「ねる」「タカのめ」「うみどりのめ」「しのびあし」などといった特技が削除された。ダイアラックでのイベントをクリアしたのち、利用可能となる。『IV』でPS版からDS版で変更があったケースと同様、ランダムに移民が発生するシステムではなくなり、元モンスターの希望者を移住させると発展していく仕様になった。それ以外の移民はすれ違い通信でやってきた仮の姿の人達。地下に『すれちがい石版』用の台座があり、すれちがい石版のダンジョンに行くことが出来る。『ふしぎな石版』の中には移民の町の台座からダンジョンに行くことが出来る『すれちがい石版』と呼ばれるものがあり、ダンジョン最深部のボスを倒せるとアイテムを入手できる。石版の種類・入手方法としては以下のモノがある。これらは自分で指定したモンスターに探させて入手した石版(自分の石版)以外は、「もらった石版」として一括管理される。「もらった石版」は何度クリアしても配布時のレベルのまま変動しない。「自分の石版」「もらった石版」は共にすれちがい通信やインターネット酒場で他のプレイヤーに送ることができる。すれちがい石版のダンジョンは、モンスターのシンボルがレベル差により逃げることはなく、職業の熟練値の対象となる上限レベルも大半が99である(元モンスターの移民からもらえる石版の一部を除く)。また、通常よりもモンスターの心を落とす確率が20倍と高い。更に、出現するモンスターが限られており、特にモンスターパークで探させた石版は探しに行かせたモンスター3体がそのまま出現モンスターとなるので、職業熟練値稼ぎやモンスターの心の入手などにおいて大きなメリットがある。この他、クリア後に重要人物のサイドストーリを楽しめる「公式ストーリー石版」も存在する。2013年4月24日に、Ver1.1にアップデートするための更新データが公開開始。メルビンやアイラがレベルアップで習得した上級職の特技が、本来習得元となっている上級職を辞めると消滅してしまう不具合などが修正されている。2015年9月16日にAndroid版が、17日にiOS版が配信開始された。3DS版を元に移植されているが、エンカウント方式がシンボルエンカウント方式からランダムエンカウント方式に戻され、ユーザーインターフェースもタッチ操作に最適化されている。オートセーブ機能も追加された。本作のストーリーは他のドラゴンクエストのナンバリング作品のいずれとも直接的には無関係で、別の世界・シナリオとなっている。本作では、ゲームを始めたときに主人公たちの住む世界(現在)にあるのは「エスタード島」1つだけで、他の陸地はすべて封印されている。しかし、後述の「ふしぎな石版」を台座に揃えて過去の時代の1地方に行き、過去の時代でのイベントをクリア(過去の世界には必ず封印の鍵となる事象、あるいは封印の鍵となっている魔物がいる)して封印を解けば、現在においてその地方の陸地が出現する。3DS版では現代で復活しても、足を踏み入れていない場合は地図上で大陸は白く表示されている。地形は過去と現在でほとんど変わらないが、時の流れにより、現在では過去には無かった建造物などが出現していたり、逆に過去に存在した町やダンジョンなどが消滅していたりするなど、状態が大きく変化していることもある。過去のフィールドマップは、世界自体は繋がっているものの、他地域への移動手段がない(過去の世界では移動呪文「ルーラ」や道具「魔法のじゅうたん」などは使えない)ため、一部に存在する徒歩で移動できる地域間以外は現在に戻らずに他地方へ移動することは不可能である。過去から現在へ戻る時は、フィールドマップ上の「旅の扉」を用いる。また、リートルード経由でグリンフレークに行った時、レブレサックとプロビナの黄金の女神像、コスタールでのアイラの台詞などから分かるように、登場する過去の世界の時代は一定の時期ではない。ある過去の地域で登場した人物・事象が、別の過去の地域に登場・影響している場合もある。その地域での主要なイベントを終了させた後、しばらく冒険を進めた後に再来訪するとある程度年月が経過していることがある。現在の世界は、物語中盤までは平和な世界であるため、陸上で魔物がまったく出現しない(海上やダンジョン内では出現する)。しかし、終盤になり魔王が現在の世界に出現すると現在でも陸上で魔物が出現するようになり、海上のモンスター分布も変化する。本作のストーリーを進めるうえで欠かせないアイテムが「ふしぎな石版」である。「ふしぎな石版」(以下「石版」)とは地図の柄が描かれた石版のかけらのことであり、黄・赤・緑・青の4色があり、ゲーム中では「ふしぎな石版黄」のように表されるが、1つ1つそれぞれ違う形をしている。宝箱などのほか、イベントや戦闘などさまざまな場所・方法で手に入る。手に入れた石版は、エスタード島にある「なぞの神殿」にある台座にパズルのピースのようにはめ込むことができる。台座は石版の色と対応した黄と赤がそれぞれ5つ、緑と青がそれぞれ4つあり、はめ込む台座と位置は石版1枚ごとに定められている。そして一つの台座が石版ですべて埋まると、石版の絵柄が1地方の地図となり、その地方の過去に移動する。一度石版が揃った台座は、光が消えていない限り、調べることにより何度でも過去を訪れることができる。また、4色の石版のほかに、主にゲーム終盤で用いられる「ふしぎな石版?」も存在する。これは地図の代わりに紋章や本ゲームのロゴなどが描かれた石版であり、「なぞの神殿」以外の場所の台座にはめ込むものもある。ゲーム開始時、主人公たちの住む世界は、エスタード島と呼ばれる魔物のいない平和な小さな島がひとつあるだけ。主人公と城の王子キーファが“禁断の地”と呼ばれる神殿を好奇心で探検し始めたことから物語が始まる。主人公たちはふしぎな石版のかけらを発見し、その後彼らとマリベルの3人で、神殿のひとつの台座の石版を完成させる。すると3人は魔物の徘徊する闇に包まれた見知らぬ世界へ。その世界に巣くうボスを倒して村を救い、旅の扉からエスタード島に戻ると、エスタード島のすぐ北に新たな島が出現する。その島の人々の話を聞くと、石版を揃えて行った世界が実は過去の世界であることが判明する。主人公たちはこの後再び石版を集めて、別の地の過去を訪れ、同様にして陸地を出現させていく。DISC1ではこれの繰り返しによってストーリーが進んでいくが、パーティーのメンバーはストーリーを進めるうちに変化していく。また中盤あたりから、核心に迫る話が徐々に明らかになっていく。すべての大陸と天上の神殿を復活させたあと、主人公たちは魔空間の神殿に乗り込み魔王を倒す。現代世界で神の祭壇の湖が復活し、ここでDISC1が終わる。DISC2では、それまで平和であった現在世界において、エスタード島などいくつかの陸地が過去と同様に封印され、主人公たちは大陸を復活させるために4人の精霊を目覚めさせる。そして大陸復活後、主人公たちは現在の世界を救うため魔王との最終決戦に挑む。この節ではゲーム内で語られる設定を中心に述べる。( )内の英語表記はPS版/3DS版での名前。以下の6人は、物語内でパーティーに加わる人物である。〔〕内はゲーム内での肩書き。ダーマ神殿到着前に離脱するキーファを除き、5人はダーマ神殿で転職できる。パーティーには加わらないが、主人公たちとともにエスタード島に住んでおり、主人公たちと関わりの深い人物である。以下は、物語に深く関わる重要人物である。以下に挙げるのは、主人公たちとの関連は薄いが、ストーリーに関係する人物である。主人公たちが戦う相手となる存在である。主要な敵キャラクターのみ記す。1997年1月14日、エニックスは本作の対応機種をプレイステーション(PS)とすることを発表。当時のゲーム雑誌の記事によるとその理由は「最も売れているゲーム機であるから」となっており、同年にプレイステーション用として発売された『ファイナルファンタジーVII』(以下FFVII、開発・発売・販売スクウェア、現スクウェア・エニックス)による直接的な影響は無いとされていた。ただ、「ハードの販売台数として500万台は必要」と発言しており、FFVIIの発売決定により販売台数が急増していたプレイステーションは、同年1月9日に開発・発売・販売元のソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が国内出荷台数500万台の突破を発表するとすぐにエニックスもPSへの参入を発表、本作の発表はその5日後のことであった。この発表は新聞などで取り上げられ、セガ・エンタープライゼス(現在のセガ)がバンダイとの合併を大々的に発表する事態に追いやられるなど、ゲーム業界にも影響を与えた。また、福嶋康博エニックス代表取締役社長(当時)は新聞のインタビューで、プラットフォームを移すにあたり京都の任天堂本社に2回赴き山内溥社長(当時)に挨拶をしたと答えている。そのときの返答は2回とも「ああそうか」だったという。FFVIIの発売とドラクエVIIの発売決定により、プレイステーションは品薄状態が続くほど販売台数にも拍車がかかり、同年末までに更に500万台を出荷、国内出荷台数は1000万台の大台を突破した(この時期のことはPSブームと呼ばれることもある)。しかし、本作は発売延期が何度もあり、一度は1999年12月29日の発売が予定されたが、土壇場でさらに延期された。このとき、SCEの担当者が何度も来て年末商戦の目玉としたいと求めたのに対し、福嶋社長は「年末商戦に同ソフトを発売するのは、これまでお世話になった任天堂に対する裏切り行為になると考え延期を決断した」、と日経産業新聞紙上で回顧している。また発売延期発表の少し後、堀井雄二が集英社とエニックスの広報体制に不満を持ち、自身のウェブページで突如制作の無期延期とも取れる発言を行い物議をかもした。結局発売されたのは、既に次世代機となるPlayStation 2(PS2)が発売された後の2000年8月26日となった。実に製作発表から3年7か月を要した。販売促進活動としては、1999年初頭に、SCEから「『ドラゴンクエスト』が早く出ますように」と人々が神社でお願いをするテレビCMが放映された。また、これとは別の、本作の発売前のエニックスによるテレビCMではSMAPが出演した。また1999年春の東京ゲームショウでは「ドラゴンクエスト神社」ブース内で本作に関連したビデオが上映され、1999年秋と2000年春の同ショウでは、本作の体験版をプレイ可能な試遊台が設けられた。2000年7月からはウェブサイト上での本作のオンライン販売が行われた。キャッチコピーは「"ひとは、誰かになれる。"」が使われた。日本での出荷本数は、2001年1月5日に400万本を達成。同国内でのプレイステーション用ソフトの中では第1位であり、この当時まで同国で発売された全ゲームソフトの中でも第6位となった。ファミコン通信のクロスレビューでは40満点中38点だった。第5回日本ゲーム大賞優秀賞、および2000年度(第4回)文化庁メディア芸術祭「デジタルアート〔インタラクティブ〕部門」大賞を受賞した。既にPSで発売されていたファイナルファンタジーシリーズなど他のRPG作品と比べると、本作にはムービーは少なく、グラフィック面の美麗さも優れてはいないが、文化庁メディア芸術祭の贈賞理由としては、「決して見かけ(グラフィック)だけがゲームの面白さではないことを印象付けた」ことが挙げられている。PS版でのゲームの途中のCD-ROM読み込みによるタイムラグは、特殊な技法を使うことによって最小限に抑えられている。その技法とは、CD-ROMバッファメモリにキャッシュする、マップデータはあらかじめ先読みする(画面切り替え時には移動先ではなく、移動先の次のマップ群を読み込んでいる)、モンスターの立ちポーズデータとアニメーションデータを別々に読む、などといった技法であり、これらは開発を担当したハートビートの山名学によって特許が出願されている。しかし、そのCD-ROM読み込みの処理時にフリーズしてしまい、ゲームの続行が不可能となる現象が多発することとなった。主に街などでのマップの切り替え時や、戦闘終了時などにフリーズが起こりやすい(戦闘中に「はなす」コマンド実行時、メッセージスピードが極端に遅くなっていたら既にアウトである)。†は廃盤。
出典:wikipedia
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