『なつきクライシス』は、鶴田洋久による日本の漫画作品。集英社の月刊『ベアーズクラブ』、のち『ビジネスジャンプ』に連載された、空手を使う女子高校生の活躍と成長を描くストーリー漫画である。著者・鶴田洋久のデビュー作であると同時に代表作であり、連載中にOVA並びにスーパーファミコン用ゲームにもなった。『ベアーズクラブ』平成2年1月号より連載開始、同誌での連載は平成3年6月号までの全18話を以って終了したが、『ビジネスジャンプ』平成3年10月8日増刊号にて読み切り1本を掲載、翌平成4年2号より連載を再開し、平成9年17号にて全117話、両誌合わせて全135話を以って完結した。この作品の第1話は本来、新人賞応募用の読切短編として持ち込まれたが、連載が決定し著者のデビュー作となった。見かけはごく普通の女子高生である主人公・なつきが、得意の空手を使い様々な技を持つ格闘技使いらと闘う姿を描く、アクションシーンを主体とする漫画である。なつきは優れた技と運動能力で屈強な大男にも立ち向かい、しばしば迷いや挫折を克服しながら、仲間たちと共に成長を重ねていく。体格も筋力もごく一般的な女子高生であるなつきに対して、対戦者はしばしば2m以上もある大男だったり、素手でコンクリートを破るなど超人的な腕力を持つ存在として描かれる。こうした演出について著者は、“「筋力や骨格の優位による強さ」に優る「練磨された技による強さ」が存在する”という主題を描くには少女の主人公が適していたため、と述べている。また、執筆に際して著者は、沖縄剛柔流の書籍を参考にしたり、心道流の著名な師範である宇城憲治へ2度の取材を行うなどしており、単なる格闘描写のみならず、「対すれば相和す」「和合の理」「他尊自信」といったそれら流派の持つ理念が度々強調されるのが特徴であった。単行本化に際し、『ベアーズクラブ』収録分を納めた第1 - 3巻カバートビラには順に萩原一至、ジャッキー・チェン、円英智が推薦文を寄せている(第4巻以降は著者によるコメントを掲載)。私立剛柔高校空手部に所属する女子高生・貴澄なつきは、体格こそ普通の少女ながらも、主将・柳澤雅昭以外は男子部員さえ相手にならない腕前を持ち、弱いものいじめをする不良を撃退したり、空手の鍛錬に勤しむ日々を送っていた。ある日、エリート高校である常東学園からの転校生として、高岡リナがやってくる。早速、彼女と親しくなったなつきだが、リナはレスリング技術の高さゆえに常東学園から選手生命を狙われていた。刺客を次々と撃退するリナに対し、常東学園は有数の実力を持つ男装の麗人・神取あきらを差し向ける。なつきは間一髪でリナを救出するも、柳澤とも因縁を持つ神取は、その愛弟子である彼女を狙い始める。やがて大挙し剛柔高校を襲った常東学園の学生らが見守る中、対決が始まる。突きや蹴りなどの打撃が通じない「発硬術」と、相手を頭から地面に叩きつける必殺技「マウンテンストーム」に苦戦するなつきだったが、後に「NGB」と呼ばれる技によって神取の撃退に成功した。3年生になり、卒業した柳澤に代わり主将となったなつきは、部員らと共に公式大会への参加を始める。しかしそこには、勝つためには手段を選ばない者たちの野望が渦巻いていた。殊に常東学園は優秀な選手を傘下に集め、意に沿わぬ者には容赦なく刺客を送り込む。高い実力を示したなつきも注目され、転入を拒んだ結果、粛清の対象とされてしまう。しかし、その技によって神取や藤井辰馬、常東学園八傑士ら敵対者らとすら心を通わせるなつきは、危機(クライシス)を乗り越え、やがて常東学園校長・柳澤泰山の野望を挫き始める。※解説における各人物の呼称は、作中での通称に準ずる(概ね男性は姓、女性は名)。話数表記は掲載誌毎に異なるため、本項でもそれに従った(「クラッシュx」=『ベアーズクラブ』での掲載話数、「Actionx」=『ビジネスジャンプ』での掲載話数)。太字は複数回登場した人物及びしばしば使用された名称などである。※剛柔高校、常東学園関係者以外の登場人物。集英社ヤングジャンプ・コミックスより発売された。集英社ジャンプリミックスより2001年に発行されたコンビニコミック。内容は、以下の通り旧作のエピソードを抜粋再録、コラムなどを追加したもの。OVA『なつきクライシス』は、上記漫画作品(主に『ベアーズクラブ』連載時の物語)を原作とし1994年にマッドハウスが制作、キングレコードが発売したアニメーション作品である。VHSとレーザーディスクを媒体として、それぞれ全2巻が発売された。※VHS、LD共に発売元はキングレコード。『なつきクライシスバトル』は、上記漫画作品を原作とし1995年4月21日に株式会社エンジェルより発売されたスーパーファミコン用対戦型格闘ゲームである。主にベアーズクラブ連載時の物語を追う「ストーリーモード」と人やコンピュータと対戦する「VSモード」の他、次々に現れるコンピュータキャラクターと対戦する「百人組手モード」を搭載、さらにキャラクターの技を任意に組み合わせてオリジナルの連続技の設定もできる。
出典:wikipedia
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