異歯亜綱(いしあこう、)、または異歯類は、二枚貝 の分類群である。二枚貝綱の中で最も種数が多い亜綱である。亜綱とすることが多いが、固有弁鰓亜綱 異歯上目もしくは異歯目とすることもある。代表種ハマグリからハマグリ亜綱・ハマグリ目とも呼ぶ。なお、伝統的には異靱帯類 は異歯亜綱とは別の異靱帯亜綱とされてきたが、近年は異歯亜綱の下位分類とするようになりつつある。その名のとおり「異歯型」 () である。異歯型とは、2枚の貝殻を蝶番で噛み合わせるための鉸歯 () に、形が異なる主歯 () と側歯 () があるということである。なお、異靱帯類では鉸歯は退化的である。閉殻筋肉(貝柱)は前後に2つある双筋型である。水底や岩などに深く潜入する種では、左右の外套膜が癒合し、喚水のために水管が発達する。水管の発達度合いは殻の套線湾入の深さに表れていることが多い。世界中に分布し、山地の小さい淡水域から深海底まで多様な種が生息する。水底の砂礫や泥に潜入して生活する種が多いが、殻で他物に固着するものや、足糸で着生するものもあり生態的にも多様である。伝統的には、異靱帯亜綱と異歯亜綱に分かれ、異靱帯亜綱に1目、狭義の異歯亜綱に2目が置かれる。しかし、形態・分子の系統分析により、異靱帯亜綱は単系統だが異歯亜綱はそれを内包した側系統であり、またその中でも、オオノガイ目は多系統で、マルスダレガイ目はオオノガイ目と異靱帯亜綱を内包した側系統だと分かってきた。なお、「ハマグリ目」という訳語は、異歯目の意味のほか、マルスダレガイ目の意味で遣われることもあるので注意。ブシェー他(2010)によって、二枚貝の学名の整理と2009年時点までの情報に基づいた新たな分類体系の提示がなされているが、以下はこの分類体系公表前までの分類状況について述べたものである。二枚貝の異歯亜綱は系統的には、原始的で種数が少ない原始異歯類 と、進化的で種数が多い真異歯類 に分かれる (Giribet 2008)。 は目レベルでは、従来はマルスダレガイ目の一部だが、近年はトマヤガイ目 に分離される。真異歯類にはマルスダレガイ目(トマヤガイ目を除く)・オオノガイ目・異靱帯類が含まれるが、マルスダレガイ目・オオノガイ目は単系統ではない。真異歯類内の単系統としては、異靱帯類のほか、マルスダレガイ目の一部とオオノガイ目の大部分からなる単系統群の新異歯類 が見つかっている (Taylor "et al." 2007)。新異歯類は非常に放散したグループで、多くの種が含まれる。その他の高位分類は確立しておらず、現状では真異歯類に上科が直接含められている。異靱帯類は目レベルでは、単一の異靱帯目 またはウミタケガイモドキ目 を置くか、ウミタケガイモドキ目と隔鰓目 に二分される。BivAToLを基本とし、最新の系統分析である Taylor "et al." 2007での変更を採用した。ただし、従来分類が非系統的と分かってもただちにも新分類が現れるとは限らないので、非系統的とわかっている部分も残っている。また、出典として Giribet 2008、NCBI Taxonomy browser、ITISも随時併用した。●または○を付けた4上科はオオノガイ目。ただし近年は、オオノガイ目を、互いに比較的近縁と判明している2上科 (●) に限定することもある。Giribet & Wheeler 2002、Taylor "et al." 2007による。
出典:wikipedia
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