キンバリー地域(Kimberley)は、オーストラリア・西オーストラリア州を9つに分けた地域区分のうちの1つ。最も北の地域にあたり、北にティモール海、西にインド洋、南にピルバラ、東にノーザンテリトリーと接している。キンバリーという名称は、南アフリカ共和国の著名なダイヤモンド産出地であるキンバリー市にちなむ。もともと景観が似通っているためつけられたものであったが、のちに当地にもダイヤモンド鉱山が発見され、さらなる類似点となった。面積は423,517km²であり、西オーストラリア州の6分の1を占める。また、日本のおよそ1.1倍にあたる。人口はおよそ38000人。年に4.8パーセントの人口増加率を誇っており、これは西オーストラリア州全体での増加率の約3倍にもなる。人口分布はかなり均等で、人口2千人を超える街はブルーム(約15000人)、ダービー(約3600人)、カナナラ(約5000人)のみである。この地域の人口のおよそ3分の1はアボリジニである。キンバリー地域はオーストラリアで最も早くから人類の定住した地域の1つであり、約4万年前には現在のインドネシアにあたる島々から人類が上陸していた。1879年にアレキサンダー・フォレストはピルバラ地域沿岸部よりノーザンテリトリーへ向けての探検を行い、この地域に訪れた最初のヨーロッパ人となった。1881年に牧羊家たちがキンバリー地区南部に土地を入手し、2年後にヒツジの飼育を始めた。1885年には豊かな牧草地を求めてたくさんの家畜がオーストラリア東部の他の州からも引き連れて来られ、入植地はさらに増えた。また、1881年にはこの地域の各地で金が発見されるようになり、1885年にホールズクリーク近辺で金が発見されてからは牧畜関係以外のヨーロッパ人も到来した。キンバリー地域の地形は、厳しい気候による土壌浸食に侵されるため、南部のオード川およびフィッツロイ川のまわりを除いて、古代からの切り立った山岳地帯が多い。その土壌は、利用可能な粘土質の地域を除き、ほぼラテライトで占められる。標高が1000mを超える山は無いが、無数の峻嶮な岩山が広がり、地域内の移動を容易でないものとしている。特に雨季には未舗装路のみならず舗装された道路さえもしばしば浸水し通行不能になることがあるため、困難さを増す。気候は熱帯モンスーン気候(Am)に属し、降水量のおよそ9割は11月から4月までの雨季に集中する。ブルーム周辺ではサイクロンに見舞われることも珍しくない。年間降水量が最も多い地区は北西部のカランブルで、年1270mmに達する。逆に最も少ないのは南東部であり、およそ520mm。5月から10月の乾季には、南東の内陸部からの乾いた風が晴れた日と涼しい夜をもたらす。1967年以降、全域で年間降水量が250mmほども増加するといった気候変動が起きている。最近の調査では、地球温暖化ではなくアジアでの大気汚染の影響が原因であると指摘されている。1997年と2000年は特に降水量が多く、フィッツロイ川をはじめ多くの河川で最高水位の記録を更新した。キンバリー地域はオーストラリアで最も暑い地域である。南半球では冬に当たる7月でさえ最高気温はほぼ連日30 ℃に達し、雨季の始まる11月にかけて沿岸部で37 ℃、ホールズクリークなどの南部内陸地区では40℃にもなる。最低気温は、7月に南部で12℃ほど、北西部で16℃ほど。11月12月には26℃前後の日が多い。この地域に住むアボリジニは、気象面での変動と動植物の生育状況を基にして季節を定めていた。キンバリー地域は主にユーカリやバオバブの生えるサバナに覆われている。多量の降雨に恵まれている北部の峡谷地帯では多雨林も所どころ存在するが、1965年までは知られることがなかった。この多雨地帯は、クイーンズランドの湿潤熱帯地域や西オーストラリア州南西部地域以外では最も植物系統的に多彩な地域である。デボン紀には、海水面が下降するよりも以前、サンゴ礁が形成されていた。このサンゴ堡礁はグレート・バリア・リーフともよく似たものである。今日でもネイピア山脈やニンビン山脈で見られ、トンネルクリーク川やウィンジャナ渓谷、ゲイキ渓谷などが代表的である。この地域は自然地理学上の地域分類としてはキンバリー区と呼ばれ、西オーストラリア楯状地地区の一部である。キンバリー区はキングレオポルド山脈・デュラック山脈・レヴェック台地・ブラウズ低地・ロンドンデリー台地などを含む。キンバリー地区では下記の多様な経済活動がみられる。連邦議会の選挙区では、キンバリー地域はカルグーリーなどと同一のカルグーリー選挙区に含まれる。州議会の選挙区に関しては、ほとんどの地域がキンバリー選挙区となるが、ホールズクリークやフィッツロイクロッシングといった南東部はピルバラ選挙区に属する。キンバリー地域は、下記の地方自治体によって構成される。キンバリー地域は、ディスカバリーチャンネルの番組「Man Vs. Wild」の舞台となった。
出典:wikipedia
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