危機に瀕する言語(ききにひんするげんご)は、話者がいなくなることで消滅(死語化)の危機にある言語である。危機言語とも言われる。現在、世界には6,000から7,000の言語があるとされる。によれば、100万程度の話者を持つ言語は、今後100年程度は安定であるとされている。この基準によれば現存する言語のうち半数は22世紀の初めまで、つまり約100年以内に完全に話し手を失い、消滅すると予想される言語である。1990年代以降、欧米の学界では危機言語研究に力が入れられるようになったが、その言語を記述し、記録を残す研究は進んでいないとされる。言語を研究する言語学者にとってもその言語自体が失われる事態になるため、危機言語の研究は重要であるとされる。また、言語が消滅することは文化人類学的な面だけではなく、生物の多様性を保つ点にとっても無視できない問題であるが、辺地の地方文化、マイノリティ、少数民族への蔑視も根強く、危機に瀕した言語研究への意識も高いとはいえない事態にある。しかし日本では21世紀に入り、2003年に特定非営利活動法人「地球ことば村・世界言語博物館」が立ち上げられる等、事態を改善しようとする動きも広がりを見せつつある。によれば、世界で最も少数言語が失われる恐れの高い場所は、オーストラリアと北米の一部とされる。研究では、経済的に発展した地域ほど少数言語は失われやすいとされ、イギリスのケンブリッジ大学は、一人当たりのGDPのレベルは言語多様性の消失と関連があると発表した。国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)は消滅危機言語をリストアップした地図 " を発行している(初版発行が1996年、第2版発行が2001年)。2009年2月、" の第3版となるリストが発表され(書籍としては2010年刊行)、世界で約2500の言語を消滅危機言語として位置づけた。言語の消滅危険度については「脆弱」から「極めて危険」まで4段階(「消滅」を含めれば5段階)の評価が行われている。2009年の発表時点では、最も深刻度の高い「極めて深刻」に538言語が分類され、このうち199言語は、話者が10人以下であった。日本国内では、話者15人とされるアイヌ語をはじめ、以下の8言語がリストに掲載されている。ウェブ上ではインタラクティブ・マップ版 が公開され、随時情報が更新されている。1950年以後に消滅した言語は、2009年2月の報道時点では「219語」とされていたが、2014年12月現在は約230とされる。ユネスコは、世界の言語のうち約3000言語程度が「危機に瀕する言語」となると見積もっている。
出典:wikipedia
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