『GO TO THE FUTURE』(ゴー・トゥ・ザ・フューチャー)は、日本のロック・バンド、サカナクションのスタジオ・アルバム。バンドのフロントマン山口一郎によって全曲がバンドの地元である北海道で作詞・作曲されたアルバムは、バンドのデビュー・アルバムであり、2007年5月9日にビクターエンタテインメント内のレーベル、BabeStar Labelよりリリースされた。収録された楽曲は、バンド初期に制作された曲に加え、山口とギター、岩寺基晴が高校生時代に結成していたバンド、ダッチマンの結成当時に制作した楽曲も一部収録している。また、2009年にはグローバルにデジタル・ダウンロード販売を開始。iTunesなどの音楽配信サイトによって各国に向けて発売された。2015年には、リマスタリング加工を施した復刻版をLP盤とCDでリリースしている。アルバムは、複数の音楽評論家によって肯定的に評価されており、タワーレコードのレビュアーは、「テクノやエレクトロニカをまぶしたバンド・サウンドと、 その調和がもたらす洗練されたグルーヴが、彼らの特異性を露わにしている。」と肯定的に評価している。また、アルバムは全国的かつ商業的には成功していないものの、北海道では発売当初好評であった。「三日月サンセット」などのアルバム主要曲は、エフエム・ノースウェーブやエフエム北海道をはじめとする北海道の主要エフエム放送局でヘヴィー・ローテーションされた。サカナクションは、2005年春に北海道札幌市で結成された。バンドのフロントマン、山口一郎とギターの岩寺基晴の2人はバンドの前身となったバンドのメンバーであった。前身のバンドが解散後は、一時的に山口が単独で活動をし、ディスクジョッキーや弾き語りなど、前身のバンドで行っていた活動とは異なるパフォーマンスや音楽性を追及。その後、山口が単独での活動で得た音楽の「再びバンド活動をしたい」という意志から岩寺を誘い、それに加えてドラムメンバーを勧誘した後、サカナクションを結成した。結成時、山口の地元の小樽で行われるロック・フェスティバル、『ライジング・サン・ロックフェスティバル』の一般公募枠にあたる、『RISING STAR』が始まったことから、応募し、公募からバンドが選出された。それをきっかけに、メジャーデビューが決定。当時サポート・メンバーであったベースの草刈愛美、キーボードの岡崎英美が正式なメンバーに加わり、2015年現在までのバンドメンバーの体制が構築された。この間に、サカナクションは「三日月サンセット」と「白波トップウォーター」のデモ音源を札幌の大学内に設置されたラジオ局に送付した。送付された2つの楽曲は、リスナーに好評であったために、ラジオ番組内のチャートランキングで5位を獲得。また、エフエム・ノースウェーブのチャートランキング、『SAPPORO HOT100』に92位でチャートインした。アルバムは、カバー・アートワークとミュージック・ビデオを含め、曲や歌詞も完全に北海道圏内で制作された。音源は、札幌市中央区にある、ヤマハ・センターのスタジオ・ジャックおよび、札幌市西区の札幌市生涯学習センター『ちえりあ』のスタジオで録音された、歌詞は山口が楽曲ごとにイメージを考え出し、他のメンバーに対してイメージに合わせた演奏をするように指示をしている。また、山口がメロディーを作成をした際には、以後の作品で見られる大胆で独創性のあるサウンドを作り上げず、リスナーが曲をどう受け止めるか考えているながらも、内向的に作り上げている。アルバムに収録された楽曲のテンポはすべてBPM.126で構成されている。これは、ドラマーの江島啓一がまだクラブ・ミュージックをそこまで聴いていなかった事から、テンポに慣れさせるという意味と歌唱時と作曲するときにちょうどよいテンポであったという。アルバムに収録された楽曲『白波トップウォーター』は、バンドが制作した曲としては、初の作品であり、クラブ・スタイルの音楽を製作することのバンドの最初の試みとし、制作時に山口がダンス・ミュージックと日本風のメロディーとの相性が良いと思い、この試みをバンドスタイルとして、続けるようにし、全楽曲のスタイルは、ダンス・ミュージックという形をとっているものの、楽曲は打ち込みではなく、あくまでロック・バンドである事を念頭にすべてバンド形態で演奏した上に、テクノなどを合わせた形をとっている。『あめふら』は、5人で活動をし始めた際に作られた。つまり、5人となったサカナクションとしては、初の作品である。アメリカン・ミュージックとの音楽要素を混ぜ、戯けさせた遊びの強い曲だという。アルバムに収録された『フクロウ』は、ギター・コードを作曲している間に思いついたアドリブの歌詞を使用している 。タイトルチューンである「GO TO THE FUTURE』は、当時の山口の心をそのまま表した楽曲であり、元はアコースティック・ソングであり、3拍子の楽曲ではなかった。しかし、3拍子にすることによりバンドアレンジが固まっている。また、アコースティック版の音源は再録され、『懐かしい月は新しい月 〜Coupling & Remix works〜』のDISC1、『月の波形 〜Coupling & Unreleased works〜』の14曲目に『GO TO THE FUTURE (2006 ver.)』として、収録。また、同アルバムのDISC3、『月の景色 〜Documentary of "GO TO THE FUTURE (2006 ver.)" & MUSIC VIDEOS〜』にサカナクション初期メンバー2名がバンドの経歴を振り返るドキュメンタリーと共に、同楽曲のバイノーラル音源によるアコースティック音源が『Documentary of "GO TO THE FUTURE (2006 ver.)』、『"GO TO THE FUTURE (2006 ver.)" binaural recording』として、収録されている。『三日月サンセット』および、『白波トップウォーター』は、ミュージック・ビデオが制作された。『三日月サンセット』は、映像作家の森義仁が、『白波トップウォーター』は、タレントの近藤寛史が監督を務めた。アルバムは、『三日月サンセット』によってプロモートされた。楽曲は、千葉テレビ『MUSIC-03』のオープニングおよび北海道テレビ『夢チカ18』、毎日放送『mm-TV』のエンディングに使用された。バンドは、広くバンド自身のことを宣伝するために、『WHAT's IN?』や『ROCKIN'ON JAPAN』をはじめとする日本の主要音楽雑誌にプロモーションした。2007年4月26日に開設されたアルバムのスペシャルサイトは、将来的なバンドの試みを促進するために作成された。山口による曲の解説や前述の2曲のミュージック・ビデオを掲載していた。2007年5月11日から13日にかけて行われたレコ発ツアーでは、バンドとして初のワンマンライブを行った。ライブは、札幌および、東京、名古屋、大阪のライブハウスで行われた。2015年3月にアルバムのLP、つまりアナログ盤と廉価盤およびハイレゾ音源のデジタル・オーディオが発売された。CD・LP盤には、リマスタリングが施されリリースされた。元々同月に『懐かしい月は新しい月 〜Coupling & Remix works〜』をリリースする予定であったが、メンバーの草刈が妊娠をし、産前休業に入ったためにアルバムの復刻版をリリースすることとなった。「GO TO THE FUTURE」は、複数の音楽評論家によって肯定的に評価されている。タワーレコードのレビュアーは、「テクノやエレクトロニカをまぶしたバンド・サウンドと、 [中略] その調和がもたらす洗練されたグルーヴが、彼らの特異性を露わにしている。」と肯定的に評価している。また、CDじゃーなるのウェブレビュアーはサカナクションの持つポピュラー音楽のセンスとロックのセンスなどについて肯定的に評価した。「GO TO THE FUTURE」は、1,500枚を初週に売り上げ、オリコンランキングの初週105位を記録している。また、CDじゃーなるは日本全国のタワーレコードの売り上げを追跡した結果、CDの多くが札幌で売り上げられていると発表されている。さらに、10日で100部を売ったタワーレコード渋谷店の存在をCDじゃーなるはタワーレコードの2大拠点の1店において、この売り上げを成功であると位置付けた。しかし、アルバムは他の日本の政令指定都市で売り上げを伸ばすことが出来なかった。
出典:wikipedia
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