一般財団法人日本熊森協会(にほんくまもりきょうかい)は、奥山の生態系保全を目的とする自然保護団体である。本部は兵庫県西宮市分銅町に所在する。英文名称は"Japan Bear & Forest Society"(JBFS)である。自らを完全民間の実践自然保護団体と称している。クマの保護団体ではない。活動内容から自らの主張とは異なり動物愛護団体と見なされることもある。以下のような主張が基本的な理念として挙げられている。法人格取得後の目的は以下の通りである。以下の活動を行っている。法人格取得後の事業は以下の通りであるくまもり活動として、地元と都市が力を合わせ、奥山水源の森保全・再生活動・野生生物保護活動を全国各地で展開している。活動の内容は次の通り。公式サイトで公開されているリーフレット日本熊森協会紹介チラシ(A4三つ折り)に記載のくまもり活動おいて、クマレスキュー活動は削除されている。人里へのツキノワグマの大量出没が社会問題となった2004年・2006年・2010年に、会員や一般に募集して集めた都市の公園樹(カシ類・ナラ類・シイなど)のドングリやクリ、カキを山に運びこむ大規模な活動を行った。協会はこの活動を「どんぐり運び」「ドングリ運び」と呼び、一部の支部は「ドンプレ」(ドングリ・プレゼントの略)と呼ぶ。協会によると、ブナ・ミズナラの凶作により食べもののないクマなどの動物を救い、飢えた動物が人里へ出没して駆除されることを防ぐことが目的だという。ドングリ運びが全国民の運動となれば効果が明確になり、クマの保全と住民の安全につながり、授業・学校行事等の一環としてドングリ集めをすることで教育的な効果も期待できるとしている。協会によると、奥山近くの集落の住民は、凶作年には、集落の周りに植えたカキやクリの果実をクマに自由に食べさせており、ドングリ運びは「祖先伝来の分かち合いの精神」だという。後に協会顧問となる東山省三が1990年代までに紀伊山地でドングリ運びを含むツキノワグマ保護活動を始めており、2002-2004年には「紀伊半島自然保護ネットワーク・くまだなの会」が紀伊山地の奥山に定置した給餌台にドングリなどを運び込む活動を行っていた。熊森協会も2001年までに「都会の公園のドングリを、飢えに苦しむ動物たちが待つ奥山へ」と号して兵庫県などでドングリ運びを開始し、2002年にも行っているにも行っている。2004年から全国に呼び掛けてドングリを集め、マスコミの報道もあって注目を集めるようになった。2010年、2004年、2006年についで3度目のドングリ運びを実施した。規模は拡大の一途をたどっており、2010年には、運び込んだドングリの量は石川県支部だけでも6t超、富山県で4tに達した。また、2010年には車の入れない奥地へのヘリコプターを使用した空輸を行っている。2006年までは「奥地に入ってクマの痕跡を調べ、通り道にドングリを置いている」「あくまで凶作年の緊急避難的措置」としていた。しかし、2010年からは、活動の内容に次のような大きな変更を加えた。どんぐり運びの生態系に与える影響や効果が未検証であることを懸念する意見もある。前項の問題点の一部は、国内百数十の自然保護団体が加盟する「野生生物保護法制定をめざす全国ネットワーク」(日本熊森協会も加盟している)によるで指摘された。協会は『ドングリをまくことの是非』を、日本の奥山・野生動物の現状を知らない「研究者と呼ばれる人」(原文ママ)や一部自然保護団体によるもの、と推定し、と反論した(2004年11月)。さらに、2010年10月には「協会は現地を歩いて検証し、膨大なデータを持っている。ほとんど問題がないことは証明済みである。」「批判は生態系に対する無知と無責任によるもの。」「対案も示さず、実際に行動もしないで批判するのは恥ずべき行為であり、批判をする前に根本原因の解決に励むべきである。」「熊森協会だけの力では焼け石に水である、という批判は納得できる。これからは、国を挙げての大運動になることを目指す。」と結論した。これらの結論に対しても次のような疑問が投げかけられている。ドングリ運びに対しては、何人かの研究者が批判している。保科英人は全国から集めたドングリを散布することは、ドングリ自体や内部に潜む昆虫による遺伝子撹乱の危険性(例えば九州からの種と交雑が起きた場合、寒さへの耐性が落ちてしまう)及び散布する行為自体に反対した。。横浜国立大学の松田裕之は餌を与えることが結果的に捕殺されるクマが増加すると指摘した。日本ツキノワグマ研究所は、クマは青いドングリを好み、置いたドングリは食べないと述べ凶作の年にドングリをまくことに反対した。2010年11月に東京で行われたナキウサギの鳴く里づくりプロジェクト協議会主催の「野生動物への餌づけを考える」シンポジウムにおいて、パネルディスカッションの話題でツキノワグマへの山中におけるドングリ給餌についても取り上げられた。山中へのドングリ運びについては遺伝子汚染のおそれ、人身事故の危険性、費用対効果などが指摘された。他には凶作のときにのみ餌付けするなどの対症療法と、無条件に毎年餌付けすることは分けて考えるべきという意見が出された。行政側には賛否の両論がある。環境省は、人里で動物に食物を与えることには否定的な見解を示している。一方、井戸敏三兵庫県知事は環境省の見解を「馬鹿な話」と一蹴し、クマ出没地の地元住民や子どもにも運動を広げてはどうかと提案した。2004年11月13日の読売新聞で畑正憲は「人里に熊が姿を現すようになったのは、柿の味を覚えたからでドングリを食べないであろう。」と語った。また猟師の家に育った清水国明は「クマはにおいに敏感なので人間の仕業と察知する。」と語った。2004年・2006年に一部の新聞に掲載された批判的な記事について、協会は「一方の当事者である協会に取材しない無責任な記事」「多数のクマの命を奪った責任がある」として厳しく抗議・責任追及を行った。熊森協会は「クマを悪く報道しない」「現象、正しい原因を報道する」「これからどうすべきか、解決法も報道する」の3点を満たさない場合はマスメディアの取材を受け付けない、としていた。2011年9月22日に熊森協会は取材受付条件を「1、現象だけでなく、原因も報道してください。」「2、これからどうしていけばいいのか、解決法にもふれてください。」の2点に改定している。熊森協会によると、大学・研究機関の研究者の一部が、外来種問題・クマ対策について、として、「正しい情報の提示を」と求めている。クマの保護管理については地域個体群を単位にして実施されている。人為的な他の個体群への移入について慎重な姿勢の研究者に対し、熊森協会は「人間活動などで分断され生じた地域個体群の固有遺伝子(原文ママ)」を守ることに意義があるのかと疑問を呈している。クマ関係の公開シンポジウムでは、推定個体数の増加・コナラ林の拡大・栄養状況などドングリ運びの有効性に疑問を投げかけるデータを公表した兵庫県森林動物研究センターの研究者ら(ただし、ドングリ運びそのものには言及しなかった)に対して「研究や現場の実態を非公開にして、結論だけを述べている」と批判して追及の構えを見せた。国会議員らと共催したシンポジウムにおいて、研究論文を書くために多数のクマの解剖を行いたいと望んでいる研究者がクマ生息推定数を過大算出していると主張した。
出典:wikipedia
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