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専修学校

専修学校(せんしゅうがっこう、英称: specialized training college)とは、学校教育法第1条に掲げる学校(一条校)以外で、同法の一定の基準を満たす日本の教育施設である。修業年限は1年以上。専修学校には、高等課程(高等専修学校, upper secondary course)、専門課程(専門学校, post-secondary course)、一般課程(general course)のいずれかまたは複数がおかれる。 高等課程のみを置く専修学校(いわゆる「高等専修学校」)は少なく、「専門学校」と称して専門課程とともに高等課程が置かれる専修学校が多い。専修学校の教育が大学(短期大学を含む)の教育と違うところは、職業人を育成するための実践の重視であり、授業の内容は平均して講義が5割、実習が4割、企業内研修(インターンシップなど)が1割であった。「大学」と「専修学校の専門課程」に同時に在籍する「ダブルスクール」の者も存在する。ダブルスクールの形態としては、その者が在籍する大学の課程が実務に直結しないため自主的に専修学校に入学する、大学と専修学校の間の提携制度の下に入学するなどがある。専修学校は職業もしくは実際生活に必要な能力を育成し、または教養の向上を図ることを目的として組織的な教育を行う施設である。1976年(昭和51年)に、学校教育法に専修学校の規定を加える法律が施行され、それ以前に各種学校であった教育施設のうち、設置基準を満たすものが専修学校に移行した。専修学校には、他の法律に特別の規定がある省庁大学校や、職業能力開発促進法に規定する公共職業能力開発施設や職業訓練施設などの施設は含まれない(各種学校にも該当しない)。また、日本に居住する外国人をもっぱら対象とする教育施設(外国人学校、民族学校、インターナショナル・スクール、ナショナル・スクール)は専修学校となることができない(各種学校となることはできる)。一般に、専修学校の個別の校名に「専修学校」、「高等専修学校」、「専門学校」、「大学校」の名称がつけられる。なお、高等課程を置く専修学校以外の教育施設は「高等専修学校」の名称を、専門課程を置く専修学校以外の教育施設は「専門学校」の名称を、専修学校以外の教育施設は「専修学校」の名称を用いてはならない。そのため、校名に「専修学校」という名称が入っていれば専修学校であることが、「高等専修学校」という名称が入っていれば高等課程を置いている専修学校であることが、「専門学校」という名称が入っていれば専門課程を置いている専修学校であることが判別できる。しかし、そうでない校名(○○学院、○○大学校など)の場合は、各種学校、無認可校といった教育訓練施設と区別することができない。また、専修学校は学校教育法第1条に定められる学校(一条校)の名称(○○高等学校、○○大学など)および「大学院」(○○大学院、大学院○○、○○大学院○○)の名称を用いてはならない。また、専修学校は一条校の略称(○○高、○○大、○○短大、○○高専など)も用いないことが通例である。高等課程(こうとうかてい、upper secondary course)は、前期中等教育修了者に対して、中学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、または教養の向上を図ることを目的として組織的な教育を行なう、ISCED-3Cレベルの課程。具体的には学校教育法(以下「法」)第125条第2項に基づき、下記のいずれかに該当する者が対象となる。高等課程を置く専修学校は「高等専修学校」と称することができる(法第126条第1項)。修業年限が3年以上の課程を修了した者は専修学校の専門課程に進学することができる。さらに、これに加えて、文部科学省の定める基準を満たす課程を修了した者は大学入学資格を有する(大学入学資格付与指定校)。専門課程(せんもんかてい、specialized course)は第3期の教育(post-secondary education)とされ、後期中等教育修了者に対して、高等学校における教育の基礎の上に職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、または教養の向上を図ることを目的として組織的な教育を行う、ISCED-5Bレベルの過程。具体的には法第125条第3項に基づき、下記のいずれかに該当する者が対象となる。専門課程を置く専修学校を「専門学校」と称することができる(法第126条第2項)。文部科学大臣の認定する専門課程を卒業した者には、専門士、高度専門士の称号が授与される。なお修業年限1年の専門課程卒業者には専門士(高度専門士)の称号は授与されない。一般課程(いっぱんかてい、公式英称: general course)は、高等課程または専門課程の教育以外の職業もしくは実際生活に必要な能力を育成し、または教養の向上を図ることを目的として組織的な教育を行なう。法令上では特に入学資格を定めない課程であり、入学資格は各校が定める。専修学校の中で設置基準が教員資格などの点でもっともゆるい。ISCEDでは分類非該当。特に大学受験予備校の高卒生対象コースに多く見られ、「大学受験科」などと呼ばれている。小学生対象の学習塾にも一般課程の専修学校がある。2013年の就職率は、専門課程卒(専門学校)が79.7%、短期大学卒が73.5%、大卒が67.3%であった。最近では、少子化による大学入試の易化、大学での職業教育の充実により、専修学校の専門課程は志願者集めに苦戦しているといわれている。その一方で、大学卒業後に専門学校に入学する学生も増加している。専修学校は修業年限は1年以上、昼間課程の年間授業時間は800時間以上、夜間課程の年間授業時間は450時間以上、生徒は常時40人以上でなければならない。専修学校と各種学校は類似しているが、各種学校の方が基準が緩い(たとえば年間授業時数は680時間以上)。専修学校の設置基準は学校教育法のほかにも文部科学省令である専修学校設置基準(昭和51年文部省令第2号)などに詳しく定められている。 なお、上記で用いられている「時間」という用語は単位時間(50分を原則とし、教育上支障のない場合には45分でも差し支えない)を指す。このことは専修学校設置基準関連法令の趣旨および概要を通達した別文書「学校教育法の一部を改正する法律等の施行について(昭和五十一年一月二十三日文管振第八十五号)」に記されている。専修学校には高等課程、専門課程、一般課程ごとに、専修学校の目的に応じた分野の区分ごとに「教育上の基本となる組織」を置くものとされ(専修学校設置基準第2条第1項)、「教育上の基本となる組織」に1または2以上の学科を置くものとされている(専修学校設置基準3条)(短期大学や高等専門学校に置かれる学科とは性質が異なる)。複数の課程を置き、多数の分野をあつかう専修学校では「工業高等課程」、「商業実務高等課程」、「工業専門課程」、「商業実務専門課程」、「文化・教養一般課程」などの名称の「教育上の基本となる組織」が置かれ、その下に学科が置かれる。専修学校の施設および設備などについては「専修学校設置基準」(昭和51年文部省令第2号)の「第5章 施設及び設備等」などに定めがある。なお、専修学校は、特別の事情があり、かつ、教育上および安全上支障がない場合は他の学校などの施設および設備を使用することができる。基本的には4月入学・3月卒業である。専修学校は学校教育法第1条に定められた「学校」(一条校)ではないため、以下の点で問題が発生する。このため、現状の設置基準を満たした全ての専修学校を一条校に位置付けようとする運動もある。この動きを受けて文部科学省は、「専修学校の振興に関する検討会議」を設置し、同会議は2008年10月20日、一定の水準を満たす専修学校を一条校に位置付けることを重要課題に挙げた報告書案をまとめた。その後、2008年11月に「社会環境の変化を踏まえた専修学校の今後の在り方について(報告)」がとりまとめられ、「新たな学校種に関しては、キャリア教育・職業教育の在り方の全体像を議論する中で、重要な課題の一つとして、より総合的・多面的で専門的な検討を行い得る場である中央教育審議会において、議論を深めていくことが適当」とされた。これを受けて中教審キャリア教育・職業教育特別部会では、「新しい学校種」についても全30回にわたり議論された。例えば第4回(平成21年3月23日)において、寺田盛紀委員は以下のように意見を述べている。その後中教審は、平成23年1月31日の第74回総会で「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」(答申)をとりまとめた。その第4章第4節「職業実践的な教育に特化した枠組みについて」の中で、次のように述べている。以上を踏まえ、具体的な構想(入学資格は高校修了者等、修業年限は2〜4年、設置者は国、地方公共団体及び学校法人とすること等)が示され、「今後、高等教育関係者や学習対象者、産業界、公共職業能力開発施設関係者を含む各界の意向等を踏まえて、新たな枠組み全般の具体化について、詳細な検討が進められることが適当である」とまとめている。一方で、現状の設置基準を満たした全ての専修学校を一条校にしようとする場合、他の一条校との兼ね合いから以下のような問題が生じることが懸念されている。また法令上の制限はないものの、2つ以上の一条校の学生(科目等履修生は除く)になることを独自に禁止している大学(短期大学および大学院を含む)、高等専門学校、高等学校、中等教育学校が特に私立学校に多いため、これまでのダブルスクールが場合によっては不可能となってしまうことも懸念されている。フリーライターの安田水浩は、以下の理由で一条校化に疑問を呈している。そして、大学が専門学校化するのに対抗して専門学校が大学化してはならず、「してはたまるか」と言い切る姿勢、いわば大学に真似のできない専門学校を目指すことが必要ではないかと結論づけている。ジャーナリストの恩田敏夫は、以下のように指摘している。

出典:wikipedia

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