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日本における外国人参政権

本項では日本における外国人参政権(にほんにおけるがいこくじんさんせいけん)議論について解説する。外国人参政権とは、その国の国籍を有しない外国人に付与される参政権を指す。現在日本では、日本国憲法に「国民固有の権利」と明記されていることから、外国人参政権は認められていないが、様々な議論は見られる。外国人参政権の「対象」について概説する。日本国憲法第15条は「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」と定めている。このことから、日本国籍の成人には憲法上選挙権が保障されている。一方で、「国民固有の権利」と明記されているため、日本国政府は参政権は「権利の性質上日本国民のみをその対象」とし、外国人に付与を行うのは憲法違反となるという見解を取っている。従って、現状は選挙権の取得には日本に帰化し、日本国籍を取得することが必須となる。※学説としては国政選挙、地方選挙ともに禁止説(政府見解と同じ)、または地方選挙のみ許容説(積極的に権利としては認めていないが、違憲でもないという説)が主流であるが、国政禁止・地方許容説を取って来た長尾一紘が自説を撤回して全面禁止説に転じるなど、状況は流動的である。#外国人参政権と人権に関する法学通説を参照。参政権付与対象者は、最高裁判所判決「傍論」、各党法案それぞれ想定が異なる。共通する「外国人」の定義は、である。以下、各想定について記す。1995年(平成7年)2月28日最高裁判決「傍論」においては「我が国に在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるもの」と定義しており、特別永住者(平和条約国籍離脱者およびその子孫)のみを想定していた。この場合、対象となる特別永住外国人の国籍は、平成22年末時点で韓国・朝鮮人が39万5,234人(99%)、台湾人が2,668人(0.7%)、その他1204人(0.3%)となり、ほぼ韓国・朝鮮人のみを指す。民主党・公明党・日本共産党など各党は、上記「傍論」を根拠の1つとして、外国人地方参政権付与法案を提出している。ただし、その対象者は、「傍論」が想定していた範囲(特別永住者のみ)を拡大し、一般永住者にまで参政権を付与することを想定している。民主党賛成派議連の2008年提言では、一般永住者にまで参政権付与対象を拡大する理由として「(両者)いずれも、我が国において地域社会の一員として、日本人と同様に生活を営んでおり、その点において本質的な差異はない」と住民権(市民権)を模範にした。これについては、市民権についての誤解があるという批判があり、参政権付与の根拠とされる傍論作成に関与した元最高裁判事園部逸夫は「ありえない」と批判している(後述)。日本における外国人の参政権には(1)議員選挙など公職選挙法が適用されるものと、(2)地方自治体における一部住民投票条例のような国籍条項がないものがある。なお、自治会(町内会)の役員選挙には外国人であっても問題なく参加することができるが、これは参政権の範疇外である。ここでは(1)について述べる。現行法上、(1)について公職選挙法第二十一条は、選挙人名簿に登録されるのは「当該市町村の区域内に住所を有する年齢満二十年以上の日本国民」としており、認められていない。対象とされうる選挙は、最高裁判決「傍論」や各党法案での想定は異なるものの、主に公職選挙法における地方参政権である。各政党(民主党・公明党・日本共産党)の法案では、対象となる選挙・権利は、上記傍論が想定していた範囲(地方選挙権)を拡大している。各政党の付与を予定する権利は、日本共産党案が「地方被選挙権」を予定する点で最も大きく拡張され、民主党案がこれに続き、公明党現行案が最高裁判決「傍論」が想定した案に近い。以下、現存する政党のみを議席数順に挙げる。国籍条項がない選挙、すなわち現在も外国人が選挙権を持つ選挙には、地方自治体における一部住民投票条例がある。2002年の滋賀県米原町を始めとして2005年10月末までに常設型のものも含め約200の自治体が外国人の住民投票権を認める条例を制定した。この他、自治体の選挙管理委員会が管理する選挙であっても、公職選挙法が適用されない選挙には国籍条項は無い。ほかには、農業委員会・海区漁業調整委員会の選挙や、土地改良区の総代選挙、住民監査請求・住民訴訟にも国籍条項は無い。大日本帝国時代には、台湾人および朝鮮人はそれぞれ台湾戸籍、朝鮮戸籍に編纂登記され、内地の戸籍とは別個に管理されていた。一方で台湾人、朝鮮人とも大日本帝国憲法の呼ぶ帝国臣民であり、それぞれが内地に寄留しているかぎり、内地のものと同様に帝国臣民としての参政権が認められていた(特別永住者#歴史参照)。一方で領域としての台湾・朝鮮はそれぞれ総督府が設置され直接統治されていたため、現地住民も内地戸籍に編纂されている日本人寄留者も台湾や朝鮮の統治に関する参政権は認められていなかった(地方議会は設置され地方参政権は存在した)。また帝国議会衆議院選挙区の設定は1945年(昭和20年)4月1日の衆議院議員選挙法改正まで行われず、また外地を選挙区とした選挙は結果として1度も執行されなかった。そのため、これらの領域に居住寄留している帝国臣民は帝国議会への参政権を行使できなかった。一般永住者とは異なる枠の特別永住者が発生した経緯を概説する。1945年の日本敗戦により、在日旧植民地出身者が、法律上なお日本国籍を保持しながら、実質的に外国人となったことに端を発する。また、日本政府や有力者が、在日朝鮮人、台湾人を治安対象として警戒していたことも大きな理由であった。幣原喜重郎内閣は、いったんは在日旧植民地出身者の日本国籍と参政権を引き続き認める閣議決定を行った。しかし清瀬一郎は、この時点で約200万の「鮮台人」(朝鮮、台湾出身者)が参政権が持つことになり、10議席以上を獲得する可能性があると主張した。その上で、民族問題や朝鮮出身者と天皇制廃止論の結びつきを恐れ、参政権剥奪を強く主張した。同年末からGHQ指令による在日旧植民地出身者の送還が始まる。なお12月に旧植民地出身者を戸籍から外し、その上で12月17日、戸籍法の適用を受けない者の参政権を「当分ノ内停止」する内容の、衆議院議員選挙法改正案が可決した。1946年3月までに日本政府の手配で140万人以上の朝鮮人が帰還した。一方で、敗戦により日本は連合国軍の占領下に置かれ、1946年2月12日GHQによる憲法改正案が発表された(マッカーサー草案)。草案の第14条では、参政権はpeople(人民)の権利とされ、永住者であるか否かを問わず、全ての外国人参政権を認める内容だった。日本政府は枢密院の審議で、「人民」を「国民固有」に改め、また第15条に振り替えた。参政権に限らず、人権規定の多くは同様の置き換えが行われたが、佐藤達夫がGHQから譲歩を引き出した結果であったという。そして枢密院修正案を帝国議会に提出し、10月29日に日本國憲法として可決・成立し、11月3日に公布された。「国民固有」の文言について、入江俊郎法制局長官は「国民と云ふのは日本人と云ふことである。」と説明している。すなわち、外国人参政権の否定が目的だったことになる。ただし、「国民固有」が外国人参政権を積極的に禁じた物か、あるいは他の解釈の余地があるのかについては学説上争いがある(#外国人参政権と人権に関する法学通説)。1947年には最後のポツダム勅令である外国人登録令第十一條により「台湾人のうち内務大臣の定める者及び朝鮮人は、この勅令の適用については、当分の間、これを外国人とみなす」とされた。これにより、在日旧植民地出身者は名実共に「日本国籍を持つが制度上は外国人として扱う」存在と見なされた。1948年、韓国、北朝鮮はそれぞれ連合国軍政から独立。しかし同年4月3日に済州島四・三事件が起こり、在朝鮮アメリカ陸軍司令部軍政庁支配下にある南朝鮮(現大韓民国)政府が、島民の動きに南朝鮮労働党が関与しているとして、島民全人口の20%にあたる6万人を虐殺、島内の70%が焼き尽くされた(〜1954年)。この事件に続いて同年10月19日、麗水・順天事件が起こり反乱軍のみならず8000人の民間住民が虐殺された。これらの虐殺事件にともない、済州島や全羅南道から多くの難民が日本へ亡命(密入国した)。これらの事件について韓国政府は長い間タブー視し、事件の全容が明らかになったのは、民主化後の1990年代以降である。1950年6月から1953年7月にかけては、朝鮮戦争が勃発し、半島全土が荒れ地となり、戦火を逃れ、日本に流入する朝鮮人が増えて、1955年までに1万2500人にのぼった。なお、朝鮮戦争にともない、日本でも北朝鮮政府支持者と南朝鮮政府支持者との紛争が多発した。1952年、サンフランシスコ講和条約締結によって日本は国家主権を回復した。同時に日本領土の最終画定に伴う朝鮮の独立を承認した。これにともない、旧植民地出身者は名実共に日本国籍を失った(ただし樺太出身者の日本国籍は保持された)。また、内地(本国)出身者であっても、旧植民地出身者と結婚し、その戸籍(外地籍。朝鮮戸籍・台湾戸籍)に移った者は、同様に日本国籍を失った。当時、韓国朝鮮人の側からも、併合により強要された日本国籍の保持に興味は無く、この日本国籍喪失措置に異議を唱えなかったとされる。実際には旧植民地出身者、および配偶者となったために日本国籍を失った内地出身者による、日本国籍喪失を無効とする訴訟は複数例がある。しかし、昭和30年(1955年)(オ)第890号国籍存在確認請求事件の1961年(昭和36年)4月5日最高裁判所大法廷判決を始め、ことごとく訴えは却下されている。1953年に朝鮮戦争が休戦となり、在日韓国人が半島に帰還しようとしたところ、半島全土が焦土となっていた韓国政府は受け入れる社会体制が整備されていなかったため、在日韓国・朝鮮人の送還を拒否した。1959年の調査によれば、特別永住者となったものは日本政府や連合国の手配を拒んで自ら残留したものと犯罪者だけであり、当時日本に在住する朝鮮人は殆ど自由意志によるもので、戦時徴用(いわゆる強制連行)で来日したものは245人しか残留していなかった。1965年、日韓基本条約締結に伴い締結された日韓法的地位協定では、国外退去に該当する事由が他の外国人と比べて大幅に緩和された協定永住資格は2代目までに限り、3代目以降については25年後に再協議とした。その後、在日韓国人が民団を通じた減税措置などの在日特権を獲得していったこともあって日本への帰化が進まなかった。1977年からは在日本大韓民国民団(民団)主導で「差別撤廃・権益擁護運動」が開始。在日韓国人の参政権獲得運動も始まった。当時、民団は「日本語を使い、日本の風習に従う社会同化は義務」としていた。1991年、入管特例法により3代目以降にも同様の永住許可を行いつつ、同時に韓国人のみが対象となっていた協定永住が朝鮮籍、台湾籍の永住者も合わせて特別永住許可として一本化された。この1991年日韓外相覚書には、地方自治体選挙権について大韓民国政府より要望が表明されたと明記されている。2010年(平成22年)5月27日、参議院議員・山谷えり子の質問主意書に対して、日本国政府は2010年(平成22年)6月4日、鳩山由紀夫内閣の閣議で決定した政府答弁は、以下の通りである。と明示されており、行政府も同様に考えている。以上の通り、日本国憲法では「国民主権の原理」などから、外国人には参政権の行使を保障していない事を明らかにしている。これまで外国人参政権付与を求める訴訟がいくつか行われているが、全てが最高裁判決において退けられている。日本国内法では国政地方ともに外国人参政権は一切認められていない。最高裁判決は、これまでに平成5年(ヒッグス・アラン裁判)、平成7年(傍論を付された)、平成10年(国政被選挙権)、平成12年 (地方参政権) の計四つ行われた。このうち平成7年の最高裁判決は、いわゆる「傍論」とされる文を含んでおり、議論の争点とされている。日本在住でイギリス国籍のヒッグス・アランが、国政参政権と地方参政権の双方について提訴、いずれも請求棄却された。判決ではマクリーン事件最高裁判決を引用しつつ、外国人の人権には、その性質により保障されるものとされないものがあり、国政参政権は国家を前提とする権利であり、日本国民にのみ保障されているものとした。最高裁上告棄却。後述。在日朝鮮人3世李英和を代表にした外国人政党「在日党」が国政被選挙権の請求裁判を行ったが、最高裁は訴えを退けた。1991年、永住資格をもつ在日韓国人(特別永住者)ら4人が 福井地方裁判所に提訴。1994年地裁判決 棄却。1996年名古屋高等裁判所金沢支部判決 棄却。2000年4月25日、最高裁、上告棄却。日本における外国人地方参政権の議論は、最高裁判所平成7年2月28日判決の内、特に「傍論」と呼ばれる部分に端を発する。現在、日本国内で議論として扱われている「外国人参政権」は、この地方参政権を指す。1990年、特別永住者である在日韓国人が、大阪市の各選挙管理委員会に対して、選挙名簿への登録を求めて公職選挙法24条に基づき、異議の申出をした。選挙管理委員会がこれを却下。彼らは却下取消しを求め大阪地裁に提訴した。1993年6月29日 に請求棄却。大阪地裁の判決は次の通り。これを不服とした原告は、公職選挙法25条3項に基づき、最高裁に上告したが、平成7年(1995年)2月28日、最高裁は上告を棄却、原告敗訴の1審大阪地裁判決が確定した。担当裁判官は、可部恒雄(裁判長)、園部逸夫、大野正男、千種秀夫、尾崎行信の5名である。最高裁は判決において「全ての外国人に国政レベル・地方レベルを問わず、参政権は憲法上保障されない」とする"禁止説"に立ったが、判決理由において(いわゆる傍論部分)園部逸夫は「地方レベルの参政権については法律による付与は憲法上許容される」と記し、"部分的許容説"に立つともとれる傍論を示した。日本は実質的に法典法主義を採用しており、判決理由は主文と異なり法的拘束力を持たず、あくまで主文を得るに至る理由について裁判所が適示したものにすぎない。しかし本件判決のこの傍論部分については、度々引用され議論のもととなっている。後にこの傍論作成に関与した園部自身は、判決判断を行ううえでの理由を説明したものにすぎず、「傍論」でさえもないと発言している。いずれにしても、参政権は憲法上保証されなければならないとする"要請説"は否定された。また、判決に影響を与えたといわれる長尾一紘の学説については#長尾一紘論文を参照。※傍論とは、判決において表された裁判官の意見のうちで、判決理由の核心部分には入らない部分をいう最高裁判決(1995年)以後の自民党政権時代(小渕内閣〜麻生内閣)、外国人地方参政権付与法案が民主党・公明党・日本共産党・保守党・自由党から複数回提出された(後述)が、当時与党であった自民党の反対により、いずれも廃案となった。韓国の金大中大統領は1999年から2000年にかけて、韓国の外国人参政権との「相互主義」を掲げて、自民党政権に実現を迫っていた。当時の小渕内閣と森内閣は、自民党単独政権から自自連立政権・自自公政権・自公保政権と連立の道を歩んでおり、連立与党であった自由党や公明党は、韓国の意向を受けて以来、現在まで付与に積極的な姿勢を示している。自由党党首であった小沢一郎(現生活の党)も付与に賛成していた。自自公政権の際には、連立政権合意書に「付与法案を議員提案し成立させる」との合意までなされた(3党での法案提出をできずに自自公政権は終焉を迎えた。)2000年以前、与党である自民党内の意見は「賛成」と「反対」で割れていた。ここで、野中広務が公明党との連立政権維持を理由に一旦、実現に積極的になった。しかし2000年9月30日、当時自民党選挙制度調査会会長であった与謝野馨が示した極秘扱いの見解(通称「与謝野見解」)が、産経新聞にリークされた。見解の内容は、憲法15条が参政権を「国民固有の権利」としている点から、この文言について「どのように解釈しても外国人に参政権を予定しているとはいえない。『日本国籍』を有する人に限って参政権を『固有の権利』として規定していると解するのが自然である」として、法律上で付与することに憲法上問題があるというものであった。これにより、憲法改正または解釈改憲を為す必要性があることが、自民党議員に理解された。与謝野見解を見た自民党議員は反対に流れ、結果として外国人地方参政権に関する自民党内での議論は沈静化したという。さらに、韓国内での外国人地方参政権付与法案は、少なくとも金大中政権では一度廃案となり、日本に「相互主義」を提案していた韓国での法案が通過しなかったことで、日本国内での議論も下火になっていった。その後、2005年6月に盧武鉉政権下で、永住外国人に対する外国人地方参政権付与法案が可決された。韓国政府は再度「相互主義」を掲げて在日韓国人に対する外国人地方参政権付与を自民党に迫ったものの、実現には至っていない。日本では国政・地方参政権共に日本国籍保有者を有権者としている。民主党、社会民主党、公明党、日本共産党は、日本国籍を持たない外国人も有権者に加えることを提起している。また、共産党は被選挙権も与えるべきとしている。自由民主党、国民新党、みんなの党、たちあがれ日本は反対している。政府・民主党首脳会議により、外国人参政権付与について一任されている小沢一郎民主党幹事長は、外国人への参政権付与は外交政策が背景にあるとの認識を示すとともに、民主党が政権を取った第45回衆議院議員総選挙前に在日本大韓民国民団と約束がなされており、約束は必ず守らなければいけないと表明しており、李明博韓国大統領も在日韓国人の地方参政権付与について日本側と約束があることを明らかにし、2010年中に区切りをつけることが要求であると表明している。民主党は外国人参政権付与に向けて動いている。日本国憲法第15条第1項では、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」としている。第43条第1項では、「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する」とされている。第93代内閣総理大臣鳩山由紀夫は、1996年6月、「定住外国人に国政参政権を与えることをも真剣に考えてもよい(…)行政や政治はそこに住むあらゆる人によって運営されてしかるべきである。それが出来ないのは、畢竟(ひっきょう)、日本人が自分に自信のないことの表れである」と発言。2002年8月には「…しかし、友愛はそうはいかない。日本列島は日本人の所有と思うななどという発想は日本人の意識を開くことであり、死を覚悟せねば成就は不可能である。私はそこまで日本を開かない限り日本自体の延命はありえないと信じる。だから、私はその先兵を務めたい」と発言。民主党幹事長時代の2009年4月には「参政権くらい付与されるべき」「日本列島は日本人だけの所有物じゃない」と発言。ウェブ上で非難が殺到した。また、民主党代表就任後の2009年5月にソウルでの李明博韓国大統領との会談では、側近議員から地方参政権付与問題について「次期衆院選で保守層が逃げるので触れないでほしい」とクギを刺されたが、李明博が「鳩山代表は日韓関係や在日韓国人問題で進んだ認識を持っている」と褒めると、鳩山は「おかげで多くの民団の方々の支持をいただいている」と答え、政策に対する在日韓国人からの支持を認めた。2010年1月11日、民主党幹部会議で永住外国人に地方選挙権を付与する法案を、議員立法ではなく、政府提出法案として18日召集の通常国会に提出する方針を固めたことを受け、鳩山由紀夫総理大臣は原口一博総務相に永住外国人地方参政権付与法案の検討着手を指示した。2011年11月18日の在日本大韓民国民団の創団65周年記念式典において、鳩山由紀夫、公明党の山口那津男代表、社民党の福島瑞穂党首らが永住外国人への地方参政権(選挙権)付与法案の早期成立を訴えた。鳩山は「永住外国人、特に韓国の皆さま方が『地方参政権を早く認めるように』というのは当たり前の願いだ」として来年の通常国会での成立を可能な限り努力すると表明した。また、樽床伸二幹事長代行は同式典において「鳩山氏の思いをしっかり支えながら、国政運営にあたっていく」と述べた2010年10月4日、衆院代表質問で、永住外国人への地方参政権(選挙権)付与について「最高裁判決で、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当だと述べており、(付与の是非は)国の立法政策に関わる事項だと承知している」とも述べ、参政権付与に賛成の立場を表明した。2013年3月21日の衆議院憲法審査会では、与党の自民党は日本維新の会、みんなの党と共に外国人参政権を認めないことを表明した。李明博大統領は在日本大韓民国民団の式典に出席し在日韓国人に外国人への参政権が実現するように努力するよう求めている。在日本大韓民国民団(略称:民団)は1970年代より外国人参政権獲得運動を展開しており、参政権付与に積極的な民主党と公明党の支援を表明している。また、同化が前提という日本政府に対し、地方参政権を国籍撤廃闘争により勝ち取った諸権利の頂点に位置付けている。また、民団は李明博大統領に参政権が在日韓国人へ付与されるよう、小沢一郎民主党代表に働きかけるようロビー活動を行い、李は要請に応えて小沢に実現するよう求めた。鄭進中央本部団長は、2008年のソウルでの集会にて、総選挙を念頭に地方参政権の早期獲得に向け万全の態勢で臨むことを表明。また、民団では「政権選択選挙」とされる今度の総選挙を「天王山」としており、永住外国人の地方参政権付与に賛同する候補者を中央・地方・支部が連携して積極的に最大限の支援を行い、選挙後に召集される国会での地方参政権法案の早期提出・成立をめざすとした。また、民団の徐元喆国際局長は「(地方)被選挙権も必要だ。ステップ・バイ・ステップで」と述べている。また、広島県議会議長の「参政権を得たいなら、日本に帰化すべき」という発言について、民団は「われわれの民族性を抹殺する差別的な発言であり、容認できない」と反発、人権問題として抗議を行なった。この民団の反応に、広島県議会議長は「韓国国籍のまま日本の地方参政権を得た場合、竹島問題などの領土問題にも影響する。(帰化などの発言が)どうして人権問題なのか。理解出来ない」と困惑しているが、民団側は「地方参政権と領土問題は別で、人権問題だ。」とし、発言の撤回と地方参政権の付与を求めている。2013年6月27日、韓国国会は「海外居住大韓民国在外同胞に対する居住国の地方参政権付与促求決議案」を採択。外国に定住する韓国人団体の地方参政権獲得のための活動と努力はもちろん、これと意を共にする該当国の地方自治体および市民・社会団体の努力を全面的に支持することを決定した。2013年11月29日、東京で行われた日韓議員連盟の総会で、韓国側は日本における外国人参政権を実現するように要請し、日本側は「法案の実現に向けて努力する」と声明を発表した。かつて、在日韓国人には本国、居住国いずれの参政権も無かったことが日本における参政権獲得目的の一つとなっていた。本国参政権獲得については消極的な在日社会を指して、は「在日韓国人はどうしてアクションを起こさないのか。民団の消極的姿勢は、参政権付与反対と言っているに等しい」と非難する声も見られた。その後、2009年2月の韓国国会は在外投票法案を可決して2012年の国政選挙から投票できる見通しとなった。韓国政府は1991年の日韓外相会談で公式に要望して以来、日本政府に在日韓国人に参政権を付与するよう求めているが、盧武鉉前大韓民国大統領は、2003年TBSの番組において在日韓国人男性からの質問に対し、「世界が一つに統合していく過程の中で、必ずしもその国籍を守るということが称賛をするようなこと、称えることだけだと思いません。どのような国の人でも自分の国の文化の誇りを捨てないにしても、現地の文化そして体制に適応して、またそこでその社会の一員として定着して、その社会に寄与することは非常に重要なこと」と述べ、韓国人の海外における韓国籍保持に否定的な見解を示した。しかし、李明博(現大韓民国大統領)は2010年1月14日の会合で「在日韓国人の地方参政権付与について「(日本側で)約束がある」と述べ、「今年中に区切りをつけるのが(韓国側の)要求」として、今年中に実現するとの期待を示した。民主党の鳩山由紀夫は、韓国大統領李明博の実兄である李相得韓国・韓日議員連盟会長へ総選挙について「韓国からご協力を」と要請を行い、また民団に衆院選に先立って協力を要請した。韓国政府から財政支援を受けている民団は、総選挙は参政権獲得に向けた天王山と位置づけ、民主・公明両党候補を支援した。2009年4月29日には、鄭進中央本部団長は「勝負の年」とし、今年実施される衆議院総選挙に備えて、「地方参政権獲得運動本部」を先頭に、地方参政権付与に賛同する立候補者を集中的に支援し、各政党に対する働きかけを強化することを明らかにした。5月31日の集会で、民団婦人会中央本部の余玉善会長が「もう待てない」としたうえで、「付与に賛同する衆院議員立候補者が当選するよう支援していこう」と述べた。在日韓国人は衆議院選挙では参政権付与を公約とした民主党候補者の事務、ボスター貼り、ビラ配りなど選挙支援を行った。日本の各党に賛成派議員・反対派議員が存在する。民主党と公明党が「法案を提出している点(いずれも廃案)」「党政策として掲げている点」で特に積極的である。民主党と公明党が1998年10月、国会に初めて付与法案を共同で提出した。以降、共産党・保守党・自由党も付与法案を提出したことがある。以下、国会における議席数順に記載する。自民党は党として反対の姿勢を打ち出しており、所属国会議員もその多くが反対派であると考えられているものの、元総理の森喜朗ら一定数の推進派・容認派の存在が確認されている。外国人参政権付与法案を提出した事は一度もなく、1995年に最高裁判決の傍論が出てから2009年9月に政権を失うまで、野党民主党と連立与党公明党から複数回提出されている参政権付与法案全てに同調せず廃案にしていた。政権を失ってからも2010年1月の党大会で石破茂(現自民党幹事長)が党として反対することを明言し、同年7月の第22回参議院議員通常選挙、2012年12月の第46回衆議院議員総選挙の選挙公約にも党として反対することが明記されていた。このため自民党では反対派が多数と見られている。2013年3月21日の衆院憲法審査会では維新の会、みんなの党と共に外国人参政権を認めないことを表明した。事実上総理大臣(2度目の野党転落後は自由民主党シャドウ・キャビネット総理大臣)を選ぶ自由民主党総裁選挙では一般有権者たる党員や党友も参加可能ながら日本国籍を有しない者に選挙権は与えられていない。また、それ以前に日本国籍を有しない者は党員登録、党友組織・自由国民会議あるいは政治資金団体・国民政治協会への会員登録が認められていない。少数派だが、付与に積極的な連立与党公明党と同調して容認する動きを見せた議員も存在する。河村建夫(現自民党選挙対策委員長)は1998年時点で韓国民団のインタビューに答えるなど、外国人参政権付与に積極的である。反対派議員の代表的なものを記載する。民主党(現・民進党)は結党時から「基本政策」に「定住外国人の地方参政権などを早期に実現する」と掲げており、党執行部以下ほとんどの党員が外国人参政権付与に賛成をしているが、一部の議員は外国人参政権付与に慎重な姿勢を示している。また、永住中国人にも参政権を与えるとしている。ただし、中国では外国人参政権は認めていない。2007年参議院選挙のマニフェストにも、結党時の「基本政策」に基づいて外国人参政権付与法案を提出してきた旨が明記され、2008年1月には、党内の推進派議員によって「在日韓国人をはじめとする永住外国人住民の法的地位向上を推進する議員連盟」という党内議員連盟を設立した。この連盟には、党の中心人物が多く参加し、鳩山由紀夫、岡田克也、前原誠司、千葉景子、藤井裕久、川端達夫、赤松広隆、小沢鋭仁、仙谷由人らが名を連ねた。同年5月、同議員連盟は「永住外国人への地方選挙権付与に関する提言」をまとめた。この中では2008年1月30日、党内の反対派議員によって「永住外国人の地方参政権を慎重に考える勉強会」が結成され、同年5月に党規約に基づく代表の諮問機関として「永住外国人地方参政権検討委員会」を設置し、外国人参政権の取り扱いについて議論を行った結果、2009年5月、民主党代表(当時)の鳩山由紀夫は「個人的には前向きに考えるべきだと思うが、党内で結論が出ている状況ではない」として第45回衆議院総選挙マニフェストへの記載を見送り、2010年7月の第22回参議院議員通常選挙におけるマニフェストでも外国人参政権に関しては一切触れられなかった。なお、事実上総理大臣(政権交代が起きる以前の最大野党だった時期は次の内閣総理大臣)を選ぶ民主党代表選挙では2年に一度代表の任期満了に伴う場合に実施される時は一般有権者たる党員・サポーターにも選挙権を付与しているが、2011年までは国籍を問わず参加可能であった。しかし野党からの「事実上の首相選びに外国人に投票権を与えている」という批判を受けて、2012年の党大会で外国人の党員登録を今後認めない事と外国人サポーターには投票権を与えない事を決定した。付与に積極的な議員を挙げる。維新の会は、党として反対。2013年3月21日の衆院憲法審査会では自民党、みんなの党と共に外国人参政権を認めないことを表明した。公明党は党として賛成。永住外国人の地方選挙権付与をマニフェストに掲げている。共産党は党として外国人の地方参政権に賛成で、これまでに参政権付与法案を8回提出している。2009年1月には委員長の志位和夫が民団中央本部の新年会において、「日本共産党は永住外国人に選挙権だけでなく、被選挙権も付与する立場でがんばっています」と党の方針を述べ、地方選挙に限り永住外国人に対する被選挙権を与えると表明した。同年5月には、総務部会長の塩川鉄也が在日韓国人の集会に参加、付与を訴えた。党の政策として、外国人の地方参政権も、国政への参政権も反対と明記している。また外国人参政権付与につながる恐れがある自治基本条例にも反対の立場をとっている。生活の党は党としての賛否を明らかにしていない。。2008年には「(外国人の地方参政権は)私はずっと以前からそれは認めるべきであるというふうに主張しておりました」と述べ、同年、李明博韓国大統領と会談した際には、付与に向けた党内調整を急ぐことを明言した。これを受けて、2008年5月党内に「永住外国人地方参政権検討委員会」を設置した。2009年11月には、政府・民主党首脳会議から外国人参政権付与について一任されていた民主党幹事長時代には、「外国人への参政権付与は外交政策が背景にあるので民主党としてではなく、政府として提案されることが望ましい」と述べ、韓国民主党代表・丁世均との会談では、「在日本大韓民国民団側と総選挙前に(参政権付与の)約束をしたが、約束は必ず守らなければいけないと考えている」と表明した。「韓国政府サイド、在日の方々からも要求が非常に高まってきている」とも述べている。2009年12月12日には韓国における講演で、「日本国政府として政治姿勢を示すという意味でも政府提案で法案を出すべきだ。鳩山首相以下、現内閣は同じように考えていると思う。」と述べた。民主党議員に対しては「自分たちの政府が提案したことには賛成するのが普通ではないか」と賛成を求めている。社民党は党として賛成。前党首の福島瑞穂は「法案提出や成立に社民党は賛成だ」「社民党も先頭に立って一緒に成立させたい」と述べ意欲を示している。2009年11月7日、民主党が永住外国人の地方参政権付与法案提出に向け調整に入ったことを受け、福島は「今国会で成立させることに賛成だ」と述べた。みどりの風は党としての賛否を明らかにしていない。代表代行の阿部知子は永住外国人の地方参政権に賛成である。新党日本はかつては付与に積極的であったが、現在は消極的である。2007年11月7日、代表の田中康夫が日比谷野外音楽堂で行われた在日韓国人の集会「永住外国人に地方参政権を!11・7全国決起大会」に参加。「地域のことは住民が決めるのが民主主義の鉄則」と発言し、外国人参政権付与を訴えたが、その後亀井静香との会談で「急に懐疑的になった」と発言しており、現在は消極的な見解を持っている。2009年5月31日、元副代表の有田芳生は外国人参政権付与を訴えていたが、民主党に移籍した。国民新党は選挙前から党として反対の姿勢を打ち出し、(無責任な)移民受け入れと外国人参政権付与法案を批判している亀井静香代表は「在日外国人が密集するところでは、地域政治の生殺与奪を握られかねない」「参政権は憲法上の国民固有の権利と規定されている。これとの関係を慎重に考えていくのが当然だ。外国籍で参政権を持ちたいなら帰化すればいい」と発言している。2009年8月には代表(当時)の綿貫民輔が「大きな問題の1つとしてですね、国家の構成に関する問題で、外国人の地方参政権の問題について、われわれ国民新党は国家の存在を動かしかねないということで反対といっております」と述べており、同9月20日に亀井が慎重な態度を示し、同11月7日、民主党が参政権付与法案提出に向け調整に入ったことを受け、代表(当時)の亀井は「地域や国民の感情もあるので国民的理解を得る努力が必要だ。時間をかけてやるべきだ。たまたま(民主党議員の)数が多かったからといって可決すれば済むという性格の法律ではない」と述べ、民主党に慎重な対応を求めた。たちあがれ日本は党として反対。与謝野馨(たちあがれ日本前共同代表・離党)は、2000年(当時は自民党所属)に外国人参政権付与の違憲性を指摘した与謝野論文を発表した。みんなの党は党として反対。代表の渡辺喜美は、「参政権を行使したいなら日本人になってほしい」と反対を表明している。また党アジェンダでは「地域主権型道州制により、飛躍的に地方自治体の位置づけが高まる」ことを理由に外国人参政権に反対している。また、2013年3月21日の衆院憲法審査会では自民党、維新の会と共に外国人参政権を認めないことを表明した。2009年10月から12月にかけて、自由民主党所属の県議会議員が中心となって、地方自治体で外国人地方参政権の法制化に反対する意見書が多数可決されている。2010年7月現在、27県議会といくつかの自治体が外国人地方参政権への反対を可決、6県議会が慎重な対応を求める意見を可決、2県議会が賛成意見を可決している。対馬や与那国島など、国境に接する自治体で特に懸念されている。2010年1月25日からは、全国の首長、地方議員約1万人分の反対署名(2010年1月25日の時点で約1600人分を確保)を集めて、政府に提出する運動が行われている。これまでに外国人参政権を事実上施行に移した市町村は次の通りである。北海道増毛郡増毛町、紋別郡遠軽町、稚内市、北広島市。岩手県宮古市、岩手郡滝沢市。東京都杉並区、三鷹市、小金井市。群馬県高崎市。埼玉県富士見市、児玉郡美里町、比企郡鳩山町、和光市。千葉県我孫子市。神奈川県逗子市、大和市、川崎市。新潟県上越市。石川県羽咋郡宝達志水町、福井県越前市。静岡県静岡市、愛知県高浜市、幡豆郡一色町(現西尾市)、安城市。長野県小諸市。滋賀県近江八幡市。大阪府岸和田市、大東市、豊中市、奈良県生駒市、大和郡山市、三重県名張市、兵庫県篠山市、鳥取県境港市、東伯郡北栄町。広島県広島市、大竹市。山口県山陽小野田市。福岡県宗像市。これらの意見に対して在日本大韓民国民団は、「不毛な排外主義を推進している」と読売・産経の両誌を名指しで非難している。外国人の地方選挙権を認める説の論点および論拠としては、次のようなものがある。日本国憲法第93条2項に「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する」とあり、これを根拠にした住民権と住民自治の観点からの賛成論がある。これらの請求に対して最高裁の判断は、93条2項における「住民」はその区域に住む国民を意味するとした。これは、93条だけでなく国民主権原理(前文および1条)、15条1項、その他も併せ考えたうえでの判断である。そして、地方参政権(93条2項)は、外国人に保障されないとした。一方、憲法8章の趣旨から判断して、地方参政権の法律による付与は外国人に禁止されていないとした。結局、地方参政権については、外国人には憲法上保障されないが、禁止もされていないという。また外国人の参政権が制限されるのは、参政権は前国家的権利ではないためである(#外国人参政権と人権に関する法学通説参照)。外国人参政権訴訟以前の1988年、長尾一紘中央大学教授(憲法学)が、論文「外国人の人権-選挙権を中心として」において、ドイツの学説である「部分的許容説」を日本で初めて唱え、日本国憲法下でも外国人に地方参政権を付与できると主張した。この論文は最高裁の平成7年(1995年)判決の「傍論」にも影響を与えた。しかし、民主党を中心とする連立政権が誕生し、外国人への地方選挙付与が現実味を帯びたことで、長尾は自説に対し疑義を抱き、2009年12月に「部分的許容説は維持できない。違憲である」「現実の要素が法解釈に影響を与える『立法事実の原則』からも、部分的許容説は誤りである」「国家解体に向かう最大限に危険な法律を制定しようというのは、単なる憲法違反では済まない」と再主張、自説を撤回した。自身が紹介したことで外国人参政権付与が勢いづいたことに関しては「私の読みが浅かった。慚愧(ざんき)に堪えない」と謝罪した。2010年には、韓国人は、韓国の憲法によって韓国への忠誠と国防が国民の義務として要求されていることや韓国人の半数が対馬は韓国領土と考えていることなどから、参政権が付与された場合、対馬が日韓の外交問題(領有権問題)となることが予期され、日本の安全保障上重大な問題であること、また、在日本大韓民国民団は韓国政府の補助金によって運営されているため、民主党の同団体への外国人参政権付与の公約は、外国政府への公約となっており民主党の進める外国人参政権法案は国家意識を欠如させた危険なものであるとした。なお、長尾が輸入した部分的許容説の本国ドイツでは、ドイツ連邦憲法裁判所が1990年に外国人地方参政権を付与する法改正を違憲とする判決によって、この説は否定された。その後「ヨーロッパ連合条約の批准」のために1990年に憲法を改正し、EU加盟国国民に限って地方参政権を認めた。この改憲による解決で、現憲法下のドイツにおいて「部分的許容説」は実務上の意味をすべて失っている。ドイツではEU加盟国以外の外国人に参政権は認められていない。同化的帰化を迫る日本政府の歴史認識を是正し、外国人差別を撤廃するためとの見解があるが、外国人差別と外国人参政権の問題は無関係とする見解がある(中田宏前横浜市長発言。地方自治体の動き参照)。外国人の参政権が制限されるのは、参政権は前国家的権利ではないためである(#外国人参政権と人権に関する法学通説参照)。またこの論法は、すべての国で大なり小なり実施されている自国民と外国人の「区別」と、本来同等に扱われるべきであるのに不当に違う処遇をされる「差別」を混同しているという指摘がある。賛成論では以下が主張される。この納税を参政権付与の根拠とする意見に対する反論として以下のものがある。日本国籍を持たない外国人に参政権を与えた場合、その者は「国籍を持つ国」と「日本」の二カ国にまたがる参政権を持つことになり、「二重参政権」の問題が発生する。少数の住民から構成される市町村においては、特定の外国人集団が組織票となり、投票に際してキャスティング・ボートを握ることが可能となり市政を左右する危険性が懸念されている。台湾人で日本に帰化した金美齢は、本国に加えて日本での参政権を付与することになる「二重参政権」と地方参政権問題について、たとえ地方政府の参政権といえど、地方政府と中央政府はつながっており、反日的な思想をもった人間に参政権を与えるべきではないと指摘している。また、部分的許容説をかつて主張し、のちにこの説は憲法違反として撤回した長尾一紘は、国政選挙は許されないが、地方選挙ならば許されるとする許容説の前提となる国政と地方との切り離しができないことが近年の常態になっていると指摘したうえで、次のように主張する。2009年2月に韓国での選挙法改正により、在日韓国人は、日本にいながらにして韓国の国政選挙すなわち、大統領選挙と国会議員比例選挙の投票権をもつことが可能になった。また、韓国内で居住申告をすれば、地方選挙の選挙権、被選挙権を持てるようになった。この居住申告は、日本の住民登録を維持したまま可能であり、したがって、永住資格を失うことなく居住申告ができる(2010年現在、居住申告者数は6万人を超える)。在日韓国人が、韓国での選挙権と日本での選挙権を持つということは、二重の選挙権を持つということであり、日本の一般国民よりも政治的権利の条件において、より高い有利な地位に立つことになる。また、韓国人は、韓国の憲法によって韓国への忠誠と国防の義務、徴兵制度が国民に課されている。従って、日韓の国益が対立する場合、韓国人は韓国憲法に従い、この忠誠義務に基づいて行動しなくてはならない。この点については、対馬の問題を考慮にいれるべきで、韓国人の半数が韓国領土と考え、また韓国の国会議員や地方自治体が領有権を主張する対馬において、有権者は約3万人であり、市議会議員の最下位は685票である。したがって、外国人地方参政権が導入されれば、対馬を韓国領土だとする議員が数名は当選することが十分に考えられる。同様のことは、一般永住者に含まれる在日中国人への参政権付与においてもいえる。外国人参政権を一般永住者にも拡張しようとする民主党法案においては、が予期され、対馬と同様の問題、または比較にならないほどの深刻な問題が生じうる。長尾は、日中の友好関係を維持のためには、最低限度の距離をとる必要があるとして、「過剰の優遇は、多くの場合友情を破壊するという結果をもたらし(…)、いたずらに対立と緊張を高めるだけのこと。外国人選挙権法案は、日本の安全を危機にさらすだけでなく、国際平和を害する」と論じる。また、元最高裁判事園部逸夫も、一般永住者への付与拡張について「ありえない」「移住して10年、20年住んだからといって即、選挙権を与えるということはまったく考えてなかった。判決とは怖いもので、独り歩きではないが勝手に人に動かされる。」「永住外国人に選挙権を認めなければいけないようなことになったとしても、非常に限られた、歴史的状況のもとで認めなきゃだめですよ。どかーっと開いたら終わりです」と発言している。また、議員立法でなく民主党政権政府が提出することについて「賛成できない。これは国策であり、外交問題であり、国際問題でもある。」として批判している。その他、安全保障上の観点(領有権問題発生のリスク)からの反対論は以下の通り。ここでは文献に基づく法的解釈のみを扱う。外国人参政権の付与請求運動も、裁判判決も、いずれもなんらかの法曹学説(解釈)を根拠とする。2011年現在、日本の法曹の通説および外国人参政権請求裁判における最高裁判決においては、外国人参政権は人権のような前国家的権利ではなく、憲法上保障されないとする。(前国家的権利とは、国家に先行して存在する権利のこと)憲法学者の芦部信喜は、参政権が、国民が自己の属する国の政治に参加する権利であり、その性質上、当該国家の国民にのみ認められる権利としつつ、「地方自治体、とくに市町村という住民の生活に最も密着した地方自治体のレベルにおける選挙権は、永住資格を有する定住外国人に認めることもできる、と解すべきであろう。」と主張している。現在、日本の法曹では、とする全面否認説(禁止説)がもっとも有力である(宮沢俊義『憲法II』、伊藤正己『憲法』、大石眞『憲法講義II』、小林節『憲法と政治』、高乗正臣『人権保障の基本原則』、百地章『憲法の常識 常識の憲法』など。なお、長尾一紘が部分的許容説から禁止説に転じたいきさつについては、#長尾一紘論文を参照)。他方で、地方自治体のレベルの選挙権については、外国人に認めることができるとする見解も有力である(芦部信善=高橋和之補訂『憲法』、佐藤幸治『憲法』、長谷部恭男『憲法〔第4版〕』、樋口陽一『憲法〔第3版〕』、野中俊彦ほか『憲法I』など)。国政禁止・地方許容説(部分的許容説)。「許容説」と呼ばれるのは、法律で禁止しても法制化しても、いずれも憲法上は問題ない、つまりどちらも許容していると考えているからである。部分的許容説を採る理由として、などがある。関連する少数説として、地方選挙のみならず、国政選挙でも選挙権を認めることができるとする全面的許容説も存在する(青柳幸一『人権・社会・国家』、奥平康弘『憲法III』、甲斐素直『憲法ゼミナール』など)。さらに少数説として、外国人参政権は憲法上要請されているという説もある(浦部法穂、近藤敦『外国人参政権と国籍〔新版〕』、辻村みよ子『「国家主権の制限と『人権の展開』―外国人参政権問題によせて―」』など)。浦部は、定住外国人の参政権は憲法上保障されるとし、また国民主権の根底には、「一国の政治のあり方はそれに関心を持たざるを得ないすべての人の意思に基づいて決定されるべきだとする考え方」があると主張している。許容説と異なり、外国人参政権の否定こそ違憲としていることから、「要請説」と呼ばれる。賛成論が、次のように主張することがある。政治理念としての民主主義は、人民の自己統治であり、自己の政治決定に自己が従うということである。したがって、政治的決定に従う者は、当然、その決定に参加できる者でなければならない。「国民主権」の主権者は、民主主義の観点から言って、その政治社会における政治的決定に従わざるをえないすべての者である。日本における政治的決定に従わざるをえない生活実態にある外国人には、参政権を保障すべきである。しかし、これについては、上記したように日本法曹の通説においては、参政権は前国家的権利ではないため、民主主義の理念に矛盾しないとされる。在日・在留外国人の人権について、憲法上の学説は二段階で争いがある。第一段階として、外国人は憲法で保護されるかどうかについてである。現在の通説は、肯定説となっている。続いて、外国人の人権肯定説に立った上で、外国人に保障する範囲が問題となる。「国民固有」の文言解釈も、この争いに当てはまる。学説としては性質説・限定保障説が通説である。外国人参政権反対論は、「国民固有」を根拠とする文言説(日本における外国人参政権#「与謝野見解」など)と、性質説に立った上で、限定保障説の立場から反対する物の両方が存在する。1978年(昭和53年)10月4日に出されたマクリーン事件最高裁判決は、「憲法第3章の諸規定による基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き、わが国に在留する外国人に対しても等しく及ぶものと解すべきであり、政治活動の自由についても、わが国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶものと解するのが、相当である。」とした。しかし在留の自由は国の裁量に委ねられ、憲法上保障されないとした。また在留外国人の政治活動については、政治活動の自由は参政権的機能を果たすため、国民主権の見地から特別の制約を受けるとした。政治活動の自由は表現の自由として憲法上保障されるが、参政権は前国家的権利ではないため制約を受けるとするこの見解は、限定保障説といわれ、学説、判決ともにこれが通説である。「治者と被治者の自同性(治めるものも治められる者は同一である)」の原則に基づく賛成論に対しては、「国民」が自同性の原則に矛盾しないのに対して、外国人はいざとなれば自国へ逃げだすこともできるし、日本国への義務も果たさない、いわば無責任な立場であり、これでは民主主義の本質である「治者と被治者の自同性」を全うできない。これは民主主義の理念にも合致しない。したがって日本法曹では、参政権は日本国民固有の権利であり、外国人への付与は認められないとする。また、賛成派が、憲法で保障明示されていない基本的人権を主張するときは人権を自然法による権利として主張するにもかかわらず、この件に関しては自然法としての権利を全く無視し、自然法上の権利とはいえない「自同性」という理念にもとづいて参政権を主張することの矛盾が反対論から指摘される。反対論においては、国家の基本条件は本質的に他国民に対して排他的存在であり、つまり、国民の「固有の権利」とは他国民の参政権二重取得に対する排他権であって、それは自然法で発生した基本的人権であることが確認される。また、地理的条件から導かれた地政学上の自然法としての権利である安全保障制度は、国連憲章1条2項の「自決の原則」が適用されるものであるが、賛成論は、この「自決の原則」すなわち自然法を否定しており、矛盾していると指摘される。いずれにしても、参政権は前国家的権利ではなく、後国家的権利、すなわち各国家の裁量が認められるのであって、このような制限は、前国家的権利である人権(自然権)とは矛盾しない。相互主義とは、元々外交や通商関係において、他国民に対して自国民と同程度の待遇を条件とする考え方であった。相互主義が外国人参政権の争点となったのは、EUが欧州連合の市民」概念とともに、EU加盟国間に限定して外国人参政権を相互に認めるという基本方針を導入し、それを受けて在日韓国人の参政権付与運動および韓国政府が相互主義を掲げて、参政権付与を要求するようになってからである。韓国政府は自国において外国人参政権を在韓外国人に対して2005年に付与して以来、日本政府に参政権付与を要請しているが、日韓間での付与対象者数の非対称性の問題、したがってまた韓国は在日韓国人と政治的に連携することなど政治的利益があるのに対して、在韓日本人はほとんどいないことから、日本側に相互主義を採用するメリットはまったくなく、条件の格差について不公正とする批判もある(後述)。また外国人参政権の前提としてのEUに比する地域共同体(東アジア共同体構想)は形成されておらず、なお中国は外国人参政権を認めていない。EU加盟国においては、マーストリヒト条約で「欧州連合の市民」(EU市民)の概念を導入し、その権利を相互に認めEU加盟国の国籍を持つ外国人に欧州議会と地方自治体における参政権(選挙権)を付与しなければならないことを定めており、これは「EU市民」としてのアイデンティティーの形成を目的とする。このため、各国は批准にあたりこれに対応する国内法の整備をしており、ドイツとフランスでは憲法を改正してEU加盟国の国籍者に限定して外国人参政権を与えられるようにした。この結果、ドイツにおけるトルコ人やバルト三国におけるロシア人など、EU市民とそれ以外の外国人の待遇の差として新たに問題化することがある。EUに先立ち1970年代から「北欧市民権」と呼ばれる形で相互に地方参政権を認めていた北欧諸国は、互恵国民とその他の外国人との待遇差が問題となり、互恵型から定住者一般に認める方向に移行した。日本の議論において、従来、外国人参政権の付与の対象者は「特別永住者」を予定していた。だが、民主党が「特別永住者」に加えて「一般永住者」も対象者に加える提言が発信されており、議論されている(「対象」節参照)。特別永住者の国籍別人数は、「韓国人」「朝鮮人」が41万6309人(99%)台湾人が2892人(0.7%)であり、一般永住者の国籍は、「中国(台湾)」が14万2469人(29.0%)「ブラジル」が11万0267人(22.4%)「フィリピン」が7万5806人(15.4%)「韓国・朝鮮」が5万3106人(10.8%)である(平成20年度調査)。以上の永住者の主要な国籍について「相互主義」を検討してゆく。韓国が外国人参政権を付与したのは、日本での在日韓国人地方参政権獲得運動の進展が見られないため、その支援として参政権付与が検討されてきたとされる。また、韓国における付与対象外国人有権者数は内国人有権者の0.05%であり、選挙結果に何も影響しないとの思惑もあった。韓国の金大中大統領は1999年以降に、韓国の日本人も含む外国人参政権との「相互主義」を掲げて日本政府に実現を迫ったが、当時韓国では永住資格制度もまだ整っておらず(2002年から)時期尚早であり、また、日帝残滓である在日問題と国内問題を同一線上で捉えることへの反発など国民世論も収斂しておらず韓国国内で廃案となった。しかし2005年6月に盧武鉉政権下で「永住外国人に対する外国人地方参政権付与法案」が可決された。主な当事者である在韓華僑からの要求が表面化しない中で付与が決定されたが、在日韓国人支援の名分がなければ成立したかは疑問とされる。現在、韓国政府は「相互主義」を掲げて在日韓国人に対する外国人地方参政権付与を再度日本政府に迫っている。日韓両国とも憲法第1条で国民主権をうたっているが、大韓民国憲法では第41条で国会議員を、第67条で大統領をそれぞれ秘密選挙により選出するとしているのみで、地方参政権は第118条において法律

出典:wikipedia

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