『コクリコ坂から』(コクリコざかから、英題:"From Up On Poppy Hill")は、佐山哲郎の原作、高橋千鶴の作画による日本の漫画、およびそれを原作としたスタジオジブリ製作のアニメ映画である。タイトルの「コクリコ」は、フランス語でヒナゲシを意味する。本作の街並みなどの情景は、横浜をイメージして描かれている。原作漫画は、『なかよし』(講談社)にて1980年1月号から同年8月号まで、全8話が連載された。単行本は同社より全2巻が刊行された。また、2010年に角川書店より新装版、2011年に同社より文庫版が発売された。乗った船が遭難し、行方不明となった船乗りの父と、仕事のためにアメリカに渡ったカメラマンの母を持つ小松崎海は、母の留守中、小松崎家を懸命に切り盛りしていた。そのころ、海たちが通う港南学園では、新聞部部長の風間俊と生徒会長の水沼史郎が起こす騒動によって、生徒と教師が翻弄されていた。突如として新聞部によって発表される「ミスター・ミス港南」、物理法則をめぐる風間と水沼の賭け、制服廃止運動をめぐる風間と水沼の対立…。こうした一連の騒動を海は冷ややかに見つめていたが、制服廃止運動の敗北の責任を風間が一身に負わされるのを見て、いつしか海は風間を擁護する声を上げるようになる。風間もまたひたむきな海にひかれ、2人は交際を始める。しかし、ある日、水沼は風間に海と交際しないよう忠告する。水沼が海の母・小松崎虹江の仕事を手伝った際、偶然、海と風間の父親が同一人物であり、2人が異母兄妹であることを知ってしまったのである。水沼からそのことを聞かされた風間は海を傷つけないよう、父親のことを隠して海に別れを告げるが、それでも海のショックは大きく、やけになって不良の広瀬真と交際を始める。広瀬の本性を知る風間は海を放っておけず、広瀬の毒牙にかかりそうになっている海を助けるが、父親のことは話せなかった。広瀬の魔の手から助けられた帰り道、海は偶然、祖父の小松崎島太郎から海と風間の父親が同一人物だと聞かされ、翌日、風間にことの真偽を確かめる。その際の海と風間のやりとりが広瀬の女友達に聞かれてしまったことで、海と風間が異母兄妹であるという噂が学校内で広まってしまい、海は精神的に追い詰められる。海はつらい現実から逃避するかのように旅支度を始め、娘の様子を見かねた虹江はことの真相を海に話し始めた。果たして海と風間の父親は同一人物なのか?高橋千鶴(作画)・佐山哲郎(原作) 『コクリコ坂から』 講談社〈講談社コミックスなかよし〉、全2巻2011年7月16日より、全国東宝系にて公開された。『ゲド戦記』に続く宮崎吾朗監督作品の第2作である。キャッチコピーは、上を向いて歩こう。女子高生の松崎海は、海の見える丘に建つ"コクリコ荘"を切り盛りしている。海は、朝鮮戦争で亡くなった船乗りの父を偲んで毎朝庭に旗を上げていたが、高校の学級新聞に"旗を上げる少女"の詩が匿名で掲載されると、それが自分のことではないかと胸をときめかせる。海の高校には、男子文化部の部室棟“カルチェラタン”があり、老朽化による取り壊しの是非が論争になっていた。海は、取り壊し反対の論陣を学級新聞で張っている風間俊と知り合い、二人は淡い恋心を抱くようになる。俊に協力したいと思った海が、カルチェラタンの大掃除を提案すると、高校では女子生徒達をも巻き込んだ一大掃除作戦が始まる。ところが、北斗の送迎パーティで亡くなった父の写真を俊に見せてからというもの、俊は急によそよそしくなってしまう。海が問いただすと、海の父は俊の父と同一人物であり、戸籍を調べたところ、自分たちが兄妹であることが分かったのだという。俊は養子に出された海の兄だったのだ。今まで通り、ただの友達でいようと告げられた海は、深く落ち込んでしまう。やがてカルチェラタンの大掃除が進むと、取り壊しに賛成していた生徒達までもが保存を望むようになる。しかし、学校側はそれを意に介することなく、取り壊しを決定する。海と俊は生徒の代表として東京に赴き、学校の理事長に直談判して、綺麗になったカルチェラタンを見学してもらう約束を取り付ける。その帰り道に、例の詩の作者が俊であったことを海は知る。海は気づいていなかったが、俊は毎朝コクリコ荘の前を船で通っており、海の旗に応答する旗を船に上げていたのだ。たとえ兄妹でも、俊のことがずっと好きだと海が告白すると、俊も海が好きだと答える。海が帰宅すると、アメリカから帰国したばかりの母が待っていた。母によれば、俊は海の兄ではなく、父が亡き友人から引き取ってきた子だという。しかし、当時の両親には俊を育てる余裕は無く、俊の養親に譲り渡していたのだ。それを聞かされた海は、母の胸で泣き続ける。翌日、約束通りにカルチェラタンを訪問した理事長は、生徒たちに共感してカルチェラタンの保存を約束する。喜びに沸く学校に、俊の生い立ちを知っているという人物が近くに来ているという連絡が入ると、海と俊は駆けつける。その人物とは、海の父と俊の父のかつての親友で、写真に写っていた三人目の人物、小野寺善雄だった。その人物から真相を聞かされた二人は笑顔で肩を並べる。そして翌朝、海は今日もいつもの様に旗を上げる。今度は父親だけでなく、俊も船の上から見ている事を願いながら・・・。製作発表から何十年も前に、宮崎駿の山小屋に姪や甥が遊びにきていて、少女漫画雑誌が置いてあり、その中に載っていた漫画を気に入った駿が長年映画化を検討していた。そして前作『借りぐらしのアリエッティ』製作中に正式に映画化されることが決定した。スタジオジブリ経営5ヵ年計画における若手の登用を目的とした『借りぐらしのアリエッティ』に次ぐ第2作であり、本作の監督は駿の長男・宮崎吾朗が起用された。宮崎駿、高畑勲以外の人物が、スタジオジブリの映画として2作目の監督作品を製作するのは、本作が初めてとなった。『ゲド戦記』で吾朗が監督に起用されたことに反対していた駿は「1本作ったら、もう映画監督。どうしていくかは自分次第だ」と発言している。担当声優は過去にもジブリ作品で声をあてた者が多く起用されている。主演の長澤まさみはジブリ初出演である。主要登場人物の設定や主題は原作を踏襲しているが、プロットや物語の提示方法など演出は大幅に改編され、独自の作品となっている。日本全国457スクリーンで公開され、2011年7月16-18日の初日3日間で興収約5億8700万円、動員約45万人になり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第3位、最終興収は2011年度興行収入邦画第1位の44.6億円を記録した。フランスでは2012年1月11日に公開。初日で約1400人の動員を集め、同日公開作品の2位となるスタートになった。2011年8月9日にNHK総合で映画製作裏側を取り扱ったドキュメンタリー『ふたり『コクリコ坂・父と子の300日戦争〜宮崎駿×宮崎吾朗〜』を放送。2013年1月11日、日本テレビ『金曜ロードSHOW!』にてテレビ初放送。視聴率は13.0%を記録(ビデオリサーチ調べ)。2012年6月20日に発売されたBlu-ray『ジブリがいっぱいCOLLECTION コクリコ坂から 横浜特別版』(特典DVD、横浜ガイドマップ付初回限定版)は、初週2.1万枚を売上げ、2012年7月2日付オリコン週間BDランキング総合首位を獲得している。ジブリ映画のBlu-rayとしては『借りぐらしのアリエッティ』(3.7万枚)に次ぐ歴代2位の記録となる。また同時発売となったDVDも、DVD通常盤も2.8万枚で総合2位、DVD横浜特別版が2.3万枚で総合3位となり、いずれも上位3位以内を記録した。
出典:wikipedia
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