一般社団法人日本海員掖済会(にほんかいいんえきさいかい)は、船員に対する医療の提供などを目的に設立された業界団体である。元国土交通省所管。現在では、広く一般に門戸を開放しているが、船舶乗組員に対する医療、医療指示の実施を目的に設立された公益法人であり、これが最大の特徴である。特に、航海中の船舶からの無線や衛星電話を通じた医療相談や、船舶に乗り組む衛生管理者への医療指示は、24時間対応で行っている。日本国籍の船舶の場合、船中で急患が発生すると、多くの場合は罹りつけの掖済会病院に一報が入り、そこで衛生管理者を通じた問診、医療指示が出され、そこで緊急搬送の要ありと判断されると、海上保安庁に急患搬送の要請が行われている。日本が世界で唯一行っている日本水難救済会による「洋上救急制度」の要となる団体と言える。(2010年6月現在)設立時の代表者日本海員掖済会は、1880年(明治13年)に、東京府南品川にあった心海寺の一部を借り受けて開設された「海員寄宿所」が起源である。これは、明治新政府の意向により、劣悪だった船員の労働環境と生活習慣の改善のために、船員宿泊所の提供、船舶の斡旋、船員教育、船員遺族への弔意・慰安、そして、船員に対する医療といった、船員に対する福利厚生一切を行う団体として設立された。「掖済」(古文書では「掖濟」)とは、「郵便」という言葉を発明したことでも知られる前島密によって名づけられた。"relief"(リリーフ、緩和・救済・安堵等といった意)の包括した和訳として考案されたもので、「掖(わき)から手を添えて支える」という意味である。日本海員掖済会は、民法施行前に社団法人となっていたため、民法の施行により、1898年(明治31年)10月20日付で、日本初の公益法人の認可を受けた団体でもある。戦前は、船員に対する福利厚生全般を包括して行ったが、第二次世界大戦後、職域ごとに国の直轄事業や他の公益法人への事業分割が行われ、船員に関する医療を行う社団法人として再出発することになった。
出典:wikipedia
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