バレンツ島（-とう、）は、ノルウェーのスヴァールバル諸島にある無人島である。スピッツベルゲン島とエッジ島に挟まれており、面積は1288 km²でスヴァールバル諸島で4番目に大きい。島の名はオランダ人探検家ウィレム・バレンツにちなむが、彼自身はこの島を目にしていない。北西側スピッツベルゲン島との間にはキューケンタル島()が、南西側エッジ島との間にはフリーマン海峡()がある。キューケンタル島のスピッツベルゲン島側はヘレー海峡()、バレンツ島側を（「虫食い穴」の意）といい、どちらも非常に潮流が速い。垂直に切り立ったドレライトの柱状節理が特徴的である。最高点は東部のシュワインフルト山（、標高590m）であり、一帯は面積558 km²におよぶバレンツ氷帽()が覆っている。バレンツ氷帽にはヘンリック・イプセンのペール・ギュントにちなんだ名称の付いた場所がいくつかある。4つの氷河に分かれて海へ注いでおり、なかでもフリーマン氷河()は1956年にフリーマン海峡に突発的に流入して注目を集めた。17世紀末の地図にバレンツ島に相当する海岸線が描かれているが、長い間スピッツベルゲン島から突き出た半島だと考えられていた。1858年にノルウェー人狩猟者によって海峡が発見され、島であることがわかった。エッジ島とともにホッキョクグマの繁殖地として重要であり、1973年に南東スヴァールバル自然保護区に指定された。ほかにトナカイが450頭ほど生息しているほか、ホッキョクギツネもたくさんいる。ミツユビカモメは南東スヴァールバル自然保護区の代表的な海鳥であり、バレンツ島にも大規模な営巣地がある。ほかにカオジロガン、シロカモメ、ハジロウミバト、アビなどがいる。バレンツ島北部にホッキョクイワナのいる湖があるが、釣りは禁止されている。

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