PlayStation 3(プレイステーションスリー、略称: PS3)は、日本では2006年11月11日に発売された家庭用ゲーム機。発売元はソニー・コンピュータエンタテインメント (SCE) (現:ソニー・インタラクティブエンタテインメント (SIE) )。2006年11月(日本・北米)と2007年3月(欧州・豪州)に発売された。PlayStation 2の次世代機として開発された。中核を担うCell Broadband Engineや光ディスク規格であるブルーレイディスク、高品質なデータ転送が行えるインタフェースであるHDMI(Ver.1.3a規格)の採用、7.1chサラウンドや高精細解像度(フルHD/1920×1080規格)に対応するなど、世界的な高精細度テレビジョン放送の移行に伴う形で進化が図られた。存在が公になったのは、2005年5月16日にアメリカ・カリフォルニア州で催されたコンピューターゲームの見本市であるElectronic Entertainment Expo(以下、E3)であった。この時は試作品としての公開だったが、筐体は後に発売された製品とほぼ差異がなく、外部接続の端子類にのみ細かな違いがあった。ゲームコントローラは柄が長いものが公開されたが、製品に付属されたのは従来のDUALSHOCKのデザインを踏襲したSIXAXISとなった。発売日は2006年の春と発表された。2006年5月に開催されたE3にて正式なデザイン、スペックと価格が発表されるとともに、発売日が11月中旬(日本では11日、欧米では17日)へと延期されることになった。発売されるモデルはHDD容量が20GBと60GBのふたつであり、両者にはHDDの容量以外にも細かな違いがあった。スペックについて当初は20GBモデルにHDMI端子は非搭載とされたが、HDMI端子を搭載したテレビ受像機の急速な普及を受けて急遽搭載することとなった。価格は20GBモデルが日本6万2790円(税込)、北米499ドル、欧州499ユーロ、同じく60GBモデルがオープン価格、599ドル、599ユーロ。発売前に日本の20GBモデルは49,980円(税込)に改定された。発売2ヶ月前となる2006年9月、PAL地域(欧州の一部、ロシア、中東、アフリカ、オーストラリア)での発売が再々延期されたが、これにはブルーレイの読み出し装置に使われるレーザーダイオードの生産計画に遅れが出たためとされた。このことは日本や北米地域にも波及し、日本では初回出荷が8万台程度にとどまり、SCEアメリカの最高経営責任者が「北米地域では2007年の4月あるいは5月までに在庫として製品が確保できるだろう」と語るほどであった。2007年にはPlayStation 2用ソフトの実行機能などが削除され大幅なコスト削減が図られたモデルが投入された。2009年9月には、内部部品の改良により軽量・薄型化が図られた120GB/CECH-2000Aモデルが発売された。2012年9月19日には、更なる軽量・薄型化が図られたCECH-4000シリーズが発表された。初期の一部機種については、既にサポートの終了が発表されている。実際には総合的な見た目を大きく左右するテクスチャの質やシェーディング等、処理の負荷も掛かるために1280×720の解像度が主流になり、フルHDで制作されたソフトは少ない。また、Cellのアーキテクチャがほぼストリームプロセッサそのものであるため、性能を引き出すためには開発の難易度は高くなる傾向にあった。PlayStation 2の特異なアーキテクチャ構成(VRAMバス幅が2560bit)のため、半透明なエフェクトやオブジェクトを多数描画するようなPlayStation 2ソフトウェアのHDリマスター化においてはPlaystation 3のVRAMバスの帯域が足りず、十分なパフォーマンスが出ない問題が浮上している。例としては『ZONE OF THE ENDERS HD EDITION』が挙げられるが、この作品については後にVRAMの転送速度のボトルネックを避けるために大幅に描画システムを変更したパッチ適用により1080p/60fpsや高画質化が施された。PS3規格のゲームソフトを始め、PlayStation Storeからソフトをダウンロード・プレイできる。3D立体視にも対応しており、3D立体視とPlayStation Moveを組み合わせたゲームも発売された。当時の家庭用テレビ規格では最高画質のプログレッシブフルハイビジョン(1920×1080p)でBDビデオ(バージョン3.50からBlu-ray 3Dにも対応)やDVDビデオ、ハイビジョン映像記録規格AVCHDの再生、MPEG-2(PS、TS)、MPEG-1、H.264/MPEG-4 AVC、MPEG-4 SP、DivX、VC-1形式の各種動画データなどに対応した。サーバーに接続した場合、Windows Media Centerで録画した番組DVR-MS形式のファイルが見られる。PS3側ではMPEG-2として認識される。AVIファイルであっても映像コーデックがDivX形式であれば再生が可能である。VC-1 (WMV) の再生はインターネット接続によるアクティベーションが必要である。PSP-2000およびPSP-3000のみ対応のワンセグチューナーや、ワンセグ録画対応のウォークマンで録画したテレビ番組はPS3本体にムーブ可能である。CECH-4200シリーズ以降は、BDビデオなどの著作権保護技術の適用されたコンテンツからの映像出力はHDMIでのみ出力されるように変更されている。ATRAC、AAC、WMA(バージョン1.60以降)、MP3、WAV形式の音楽データに対応する(ATRAC、WMAの再生はインターネット接続によるアクティベーションが必要)。音楽CDをATRAC、AAC、MP3いずれかの形式でHDDへリッピングすることにより、ジュークボックスとして利用することが可能である。WAVデータの取り込みについては、CDからのリッピングには対応しておらず、USBメモリーやiPod、ウォークマンなどを用いてのUSB接続によるか、LAN機能を用いた方法でのみ可能である。WAVでは16 bit, 44.1 kHz以外のデータを再生することができない。プリエンファシスが掛かったCD-DAを再生すると、ディエンファシスされず出力される。PS3本体の起動音はA音によるオーケストラチューニングのような雰囲気となっている。JPEG、GIF、PNG、TIFF、BMP形式の静止画データに対応した。写真がひらひらと舞い落ちるようなものや、顔認識技術により被写体の顔をフォーカスしながら移り変わっていくスライドショーがある。エプソン・キヤノン・HP製の一部プリンタをUSBやLAN接続して印刷が可能である。PS3の発売と同時にPlayStation Networkというネットワークサービス(2013年6月よりPSNに改称)が展開されており、ユーザー毎に無料でアカウントを発行している。これにはメッセージの送受信、マッチング(オンラインプレイ用)、パッチング(配布済みプログラムの修正用)、コンテンツのダウンロード(PlayStation Store)などの機能が含まれ、コンテンツ配信のインフラにはアカマイ・テクノロジーズが採用されている。アカウントにはマスターアカウントとサブアカウントの2種類あり、サブアカウントはマスターアカウントを持つ保護者が被保護者にアカウントを分け与えるためのものである。マスターアカウントを得るのには18歳以上である必要がある。サブアカウントにはウォレットにチャージできないなどの行動制限が有る。バージョン2.00からXMB上にインフォメーションボードでPS3に関するお知らせや更新情報が出るようになった。バージョン3.00ではインフォメーションボードの名称がWhat's Newに改められ、デザインも一新された。純正のシステムソフトウェアはOSの名前としては「Game OS」と呼ばれている。操作のためのGUIはXMBを採用している。最新の機能追加やセキュリティ強化、不具合修正などがあるので、常に最新版にしておくことが推奨されている。本体の当初のデザインは初代から前世代機まで据置型PSシリーズのデザインを務めてきた後藤禎祐が続投した。一番の特徴として、(横置き時の)上面が曲面となっている。16cm大型冷却ファンや電源部品を内蔵しており、PS2と同様に縦置き/横置きに対応した。60GB/CECHA00モデルのみ光学ドライブ周辺がクロムメッキされ、40GB/CECHH00・80GB/CECHL00モデルは銀色、20GB/CECHB00モデルは本体色のままである。ディスクドライブはスロットイン方式を採用した。本体に同梱された当初のコントローラはPS2同梱のものと似ているが、ワイヤレス、6軸検出システム、中央のANALOGボタンの代わりに無線認識などに用いるPSボタン、L2・R2ボタンがトリガー式になる、振動機能が付いていないなどの変更点がある(詳細は仕様を参照)。また、CECH-2000Aモデルの本体のデザインは従来と異なり曽我部卓によるもので、横置き時の上面の曲面部分は残しつつも全体的に大きく変更されており、表面には柔らかさを感じさせるシボ加工を新たに施している。PlayStation 3は主に搭載されるHDDの容量によってモデルが決定されており、また発売時期や地域によって様々な機能の差異が存在している。初期に発売されたモデルである。同時発売の20GBモデルと60GBモデルと海外版の80GBモデルのみ、PS2互換機能とSACDプレーヤーを搭載している。40GBモデル以降は、PS2機能とSACDに非対応、USB端子数が2つに削減されたが、技術の改良で消費電力を抑えファンの動作音を低減し、HDD容量を増量したモデルが発売されている。日本国内向けの製品の内、CECH-A00・CECH-B00は2014年4月2日に、CECH-H00・CECH-Q00は2014年7月2日に、それぞれ修理部品の在庫がなくなったためアフターサービスの受付を終了した。CECH-2000は軽量・スリム化され(奥行きは除く)、ロゴのデザインも一新し、前世代機のPlayStation 2の流れを組むロゴとなった。縦置き時には、別売の「縦置きスタンド」が必要である。軽量・スリム化され、本体重量が4.4 kg→3.2 kgになった。デザインは従来のイメージを踏襲しながらも大きく変更され、表面には柔らかさを感じさせるシボ加工を新たに施した。Cellは45 nmプロセスに変更され低消費電力化されたものを採用し、システムの最大消費電力が280 W→250 Wに削減された。CPUなどの発熱の減少に伴い、通気口も本体後面に集約された。ロゴのデザインも一新し、本体名の表記は全て大文字の「PLAYSTATION」から以前の「PlayStation」に戻った。前世代機の流れを引き継ぐ「PS3」ロゴが初めて採用された。新たに「ブラビアリンク」とドルビーTrueHD、およびDTS-HD Master Audio音声のHDMI端子からのビットストリーム出力に対応した。「他のシステムのインストール」機能が削除された。内部機構についても約2000点の部品点数の削減がなされ、大幅なコストダウンがはかられている。PS2初期モデルから採用されてきた回転式のPSロゴと主電源スイッチは削除され、イジェクトとスタンバイはタッチ式からボタン式に変更されている。また、電極プラグも2極に変更されており、従来モデルで使用されてきた電源ケーブルは使用できなくなったが、PS2(SCPH-70000系を除く)に付属していた電源ケーブルは使用可能である。さらに、HDDの位置も変更された。軽量化され、本体重量が3.2 kg→3.0 kgになった。初期システムソフトのバージョンが3.20になった。HDD固定金具の形状変更、RSXが65 nmから40 nmにシュリンク(加工技術を微細化し半導体チップサイズを縮小する事)され、省電力化された。XDRDRAMが512 Mbit(ピークバンド幅16 bit)×4個→1 Gbit(ピークバンド幅32 bit)×2個になった。2010年4月製造分からCELLのコアレスパッケージ(コア=芯材なしで形成する技術)が採用された。CECH-3000は更に軽量・省エネ化され、イジェクトボタンのディスク挿入状態LEDランプ、無線LANアクセスLEDランプ、電源ボタンおよびイジェクトボタンのバックライトを省略した。コスト削減の影響で電源ボタン、イジェクトボタン、パネルカラー、側面質感が変更されている。映像メディアのアナログ出力規制に伴い、ブルーレイディスク再生時のD端子出力がSD (480i) に制限されるようになった(ゲーム画面はHDでの出力が可能)。PS3コントローラの裏面表記変更、USB接続による電圧を追記した(DC3.7V 300mA→DC5V 500mA)。3年ぶりにフルモデルチェンジされ、CECH-3000シリーズより25%の軽量化された。ブルーレイドライブはトップローディングに、蓋はスライド式となった。専用の縦置きスタンドも同時発売される。日本と北米ではHDD搭載の2モデル (250GB, 500GB) が発売だが、ヨーロッパでは250GBのHDDの代わりにフラッシュメモリを搭載するモデルが発売される。そのため、国内では型番「CECH-4000A」は存在しない。AACS Final Adopter Agreementに準拠するために、CECH-4000シリーズ以前の生産を終了して、新規に販売されたシリーズである。CECH-4200シリーズ以降は、BD映像ソフト(BD-ROM)、および著作権保護技術の適用されたコンテンツからの映像出力は、HDCPで著作権保護されているHDMIでのみ出力されるように変更されている。2014年8月をもって日本国内向け出荷を終了した。RSXが40 nmから28 nmにシュリンク(加工技術を微細化し半導体チップサイズを縮小する事)され、省電力化された。GDDR3が4個→2個に集約化された。パッケージデザインの変更と、本体ストレージへのアクセスを示すアクセスランプが削除されている。SCEがマニュアルや公式サイト上で公開しているデータに基づく。クロック周波数・性能の数値は2006年のE3で発表されたもの。2006年のE3以降は公式には発表されていない。PS3では8つあるSPEの内の1つが、歩留まり向上を目的にした冗長性のために使用不可になっている。GPUには、GeForceシリーズなどで知られるNVIDIAと共同開発した「RSX Reality Synthesizer」を採用している。RSXは、NVIDIA社のPC用VGA「GeForce7800 GTX」に実装されているGPU (G70) をベースに、PS3内部で採用されている「Flex IO」インターフェイスを搭載したPS3専用のカスタマイズGPUである。単純な性能比較はできない GeForce7800GTXとはバーテックスシェーダ数(8本)、ピクセルシェーダ数(24本)が共通だが、動作周波数 (GeForce7800GTX:430 MHz、RSX:500 MHz)、VRAMインタフェース (GeForce7800GTX:38.4GB/s(256 bit)、RSX:22.4GB/s (128 bit))、CPUインタフェース (GeForce7800GTX:8GB/s、RSX:35GB/s)、ROPユニット(GeForce7800GTX:16基、RSX:8基)と異なる部分もある。ソフトによってはCellのSPEユニットによる描画の処理分散も行われている。SCEではRSXの浮動小数点演算性能を当初1.8 TFLOPSであると発表していたが、この数字はRSXのベースになったといわれているGeForce 7800 GTX (G70) 430 MHzの313 GFLOPSの6倍弱であり、G70の次世代GPUであるGeForce 8800 GTX (G80) 575MHzの345.6 GFLOPS(G70の算出方法では約500 GFLOPS)をも上回ってしまう。これはマイクロソフトがXbox 360のシステム全体の浮動小数点演算性能が1 TFLOPSであると発表したことに対抗し、特殊な算出方法を用いたことによると見られているが、SCE・MSともに数値の内訳は明らかにしていない。画像出力解像度は、PS2が720×480ピクセルに対し、PS3では最大1920×1080ピクセルのフルHD表示が可能であり、プログレッシブ表示にも対応している。2005年に発表されたスペック表には、クロック周波数は550 MHzと表記されていたが、後に製造費のコスト削減のために500 MHzにスペックダウンされた。高速なCPU/GPUを使用するため、静音性と冷却を両立するために大型のヒートシンクと16 cmのファンを搭載。向かって右側(横置きの場合)の排気口、および前面の吸気部の周辺はエアフローを確保するためある程度空けておくことが望ましい。40GBモデルではCellが65 nmプロセス版に変わっているため、発熱が抑えられている。80GBモデル (CECHL01/CECHK01) ではRSXも65 nmプロセス版になっているとみられ、更に発熱が抑えられている。室温より高温の空気は上昇するため、縦置きの方が排熱効率は高いと見られる。CECH-2000A(120GBモデル/250 W)では、45 nm版Cell、65 nm版RSX、更に小型化した250 W電源等によりレイアウトも変更されており、冷却機構も小型化され、ファンも10cmファンに変更されている。最大騒音は36 dB(40GBモデルは30dB)と公表されている。2倍速のBD(データ転送量はDVDの6倍速に相当)ディスクドライブ、16cmの排熱ファンは共に回転速度が遅いため、薄型PS2に近い静粛性である。仕様上の最大消費電力は380 W(40GBモデルは280 W)と公表されているが、これは電源容量のことである。XMB使用時で約165 - 170 W(40GBモデルでは約130 - 132 W)、BD-Video再生時には約170 - 174 W(40GBモデルでは約134 - 137 W)、ゲームは約170 - 197 W(40GBモデルでは約142 - 158 W)となる。また、最新のファームウェアにすることによって低下していることも判明した。CECH-2000A(120GBモデル/250 W)の結果は、XMB使用時で約76 W、BD-Video再生時には約83 W、ゲームは約81〜101 Wである(「METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS」のデモバージョン)。メインメモリには米国Rambus社が開発した次世代メモリ「XDR DRAM」を採用した。2005年5月17日に東芝とエルピーダメモリがPlayStation3向け512 MビットXDR DRAMを発表している。XDR DRAMは、32ビットバス幅ながらDDR2 SDRAMのデュアルチャンネル転送の2倍のスピードに達するといわれている。2009年1月20日にはエルピーダメモリがPlayStation3向け1GビットXDR DRAMを発表した。PS3本体CECH-2100シリーズより搭載されている。I/Oインタフェースは米国Rambus社のFlexIO技術を採用し、HD品質の高精細画像をリアルタイム処理するために必要な転送速度を実現している。CPUにはXDR DRAMメインメモリが直結され、GPUにはGDDR3ビデオメモリが直結されており、NUMA構成を取る。レイテンシ・ペナルティがあるものの、CPUとGPUが相互に他方の専用メモリにアクセスすることも可能である。SCEEが2009年に公開した技術文書によると、ファームウェアのアップデートによりOSのメモリ使用量が減り、ゲームや開発に利用できるメモリの量が70MB増加したとのこと。メインメモリであるXDRが249MB(256MBの内、OSが7MBを使用)、そしてRSXと繋がるGDDRが213MB(256MBの内、OSが43MBを使用)となり、計462MBがゲームに利用可能になり、50MBがOSに占有されている状況となった。リリース当初は120MB占有していたOSが様々な機能追加などを行いながらも大きく軽量化を果たしており、今回の軽量化はメインメモリであるXDRの解放とボトルネックとされるRSXへの新たな割付が行われる事で、今後のPS3の開発をさらに柔軟な物にするものだと言える。2005年に発表されたスペック表には、クロック周波数は700 MHzと表記されていたが、後に製造費のコスト削減のために650 MHzにスペックダウンされた。サウンド処理は主にSPEが担当し、全てソフトウェアで行う。PS3のゲームタイトルでは最大でLinear PCM 7.1ch出力に対応する。そしてDolby Digital 5.1chのリアルタイムエンコードに対応する。Blu-ray Discに採用されたロスレスオーディオコーデックでは、Dolby TrueHDとDTS-HD Master AudioをLinear PCMに変換して出力する。Dolby Digital PlusやDTS-HD High Resolution Audioのデコードに対応している。その他、デジタル放送の記録フォーマットであるAACのデコードも可能である。音声出力はアナログ音声端子・HDMI端子・光デジタル音声端子のいずれか1つを選択する。音声同時出力を設定することでその他の出力端子にも2.0chで同時出力が可能である(Ver3.00以降で対応)。Super Audio CD(初期型モデルのみ)の音質は高く評価されている。CECH-2000モデル以降ではDolby TrueHD、およびDTS-HD Master Audio音声を、HDMI端子からビットストリーム出力が可能となっている。ソニー/パナソニックなどが提唱する次世代DVD規格である「Blu-ray Disc (BD)」を採用した。北米での次世代DVDの規格争いにおいてBD陣営の強力な牽引役となり、HD DVDを撤退に追いこむ要因の一つとなった。容量8.5GB(2層)のDVDに比べ、BDは大きい記録容量(25GB/50GB/100GBが開発済み、200GBが開発中)を持つため、ゲームが記録容量の制約を受けにくくなった。ゲームによってはDVDでも容量は足りるが、著作権保護などを考慮し、全作品がBDを採用している(PSN配信作は除く)。PS3はBD-ROMの他にBD-RとBD-REの読み出しも可能である。CPRM・AACSに対応、読み取り専用で書き込み不可である。2008年3月のシステムソフトウェア バージョン 2.20で、記録膜に有機色素を採用したLTHタイプのBD-Rを正常に認識するようになった。PS3は、BD再生において専用のプレーヤー/レコーダーと比しても遜色ない性能を持っている。システム更新により無償で劇的に機能が向上する点はAV機器としては革新的で、特に2007年5月のシステムソフトウェア バージョン 1.80ではBDの1080p/24 Hz出力(フィルム素材の映画ソフトを最も忠実に再生する)とDVDのアップコンバートに対応、高価な民生機に匹敵する画質と評価する向きもある。この機能は、本来SD画質のDVDがHD画質と同レベルにみえるほど性能が高い。HDMI搭載のハイビジョン対応テレビがあれば、BD再生だけでなくDVDのアップコンバートなどで多くのユーザが恩恵を受けられる。「SIXAXIS」(シックスアクシス)の形状は、従来品のDUALSHOCK 2とほぼ同じだが、振動機能にちなんだ従来の名称は廃止され、モーションセンサー(6軸検出システム)の軸数にちなんだ新しい名称が採用された(Six axis=6軸。回文でもある)。Bluetoothによるワイヤレス通信接続が可能になったため、従来のようなケーブルやマルチタップ等の煩わしさから解放され、リモートによる電源投入も可能となった。また、USBケーブルによる有線接続と急速充電が可能である(充電は本体が起動している時のみ可能)。初回使用時は、USB経由でPS3本体に接続し、中央のPSボタンを押してペアリング(Bluetoothの相手となる機器の組み合わせを認識)させる手順が必要となる。一度ペアリングさせれば、次回以降この手順は必要ない。コントローラの新要素は、アナログスティックの精度向上(8ビットから10ビットへ)、R2/L2ボタンのトリガー化、3軸加速度と3軸回転(前後左右傾き・左右振り)を検出する6軸検出システムを搭載した「モーションセンサー」で、より直感的な操作が可能である。従来あった振動機能は搭載されていないが、以前の感圧入力機能も引き続き搭載され、大幅な軽量化 (136 g) を実現している。なお、「SIXAXIS」に振動機能が搭載されない理由として、当初は開発担当者のインタビュー上で「モーションセンサーとの併用が技術的に難しいため」であるとされていたが、後にSCEA(SCEのアメリカ法人)のCEOのインタビューで「技術的には可能だったが、価格が高くなるため戦略的な問題を理由に外した」と訂正されている。2007年11月11日より、「SIXAXIS」にフォースフィードバック機能(振動機能等)を追加した「DUALSHOCK 3」が発売された。振動機能は、既に発売されている一部ソフトに対しても、ネットワークを利用したアップデートで対応した。2008年10月発売の80GBモデル以降は標準で同梱されている。2011年6月より発売されたCECH-3000シリーズでは、PS3コントローラの裏面表記変更、USB接続による電圧を追記 (DC3.7V 300mA→DC5V 500mA)。10BASE-Tおよび100BASE-TX、1000BASE-Tをサポートするイーサネットインタフェースを備える。20GBモデル以外では、IEEE 802.11 b/g準拠の無線LANを搭載する。特にPSPとの連動による「リモートプレイ」は、PS3の画面をMPEG-4/480pに変換・転送し、PSPでのネイティブな操作・視聴が可能となる"簡易ロケーションフリー"を実現した。2007年5月31日からは、インターネット経由のリモートプレイに対応した。外出先でリモートプレイをする場合、自宅のPS3をリモートプレイ待機状態にしておき、PSPで、PS3で使用しているPSNサインインIDとパスワードを入力する必要がある(システムソフトウェア バージョン 1.80で対応した。なお、著作権保護されたBD・DVDなどについては転送できない)。またデータのやりとりを行ったり、PocketStationのような使い方をしたり、PSPをPS3のコントローラやセカンドモニタとして使用するなど、今後さまざまな応用が考えられている。システムソフトウェア バージョン 2.00からはWake on LANやWake on Wi-Fiにも対応した。スタンバイ状態(電源ランプが赤点灯)でリモートアクセスを認識して自動的に電源が入るようにすることができる。20GBモデルは無線LAN機能が非搭載で増設も不可のため、無線LANを用いたPSPとの連動が制限されていたが、バージョン1.60で無線LANルーター経由のリモートプレイができるようになった。無線LANは「AOSS」(バッファロー)、「らくらく無線スタート」(NEC) に対応する。AV出力端子にはHDMIとAVマルチを搭載した(同梱はコンポジット端子入力のAVケーブルのみ)。音声出力には光デジタル出力端子を搭載している。PS1・PS2と同じ仕様の接続端子であるAVマルチを用いた出力でもD1 (480i) - D5 (1080p) までのアナログ出力をサポートしている。既存のケーブルの流用が可能である。ただしDVDビデオとBDビデオはRGBでの出力ができず強制的にY/Cb/Cr信号に変更されるほか、D映像端子出力と同様に市販のDVDをアップコンバート出力することはできない(Ver1.80以降で対応)。同じくコンポーネント映像端子、D映像端子、SCART端子(ヨーロッパ向け)、S映像端子、コンポジット映像端子、RF端子での接続も可能である。AVマルチ入力端子を持つソニー製テレビには、AVマルチケーブル(VMC-AVM250または互換品)を用いることによりケーブル一本で映像/音声の伝送が可能である。なお、一部機種ではD3、D4接続が可能であるが、設定の際は画面の指示通り「AV MULTI」を選択してはならず、「コンポーネント / D端子」を選択して設定する(一部機種のみの対応となっているためか、公式仕様とはなっていない)。ゲームプレイ時には多くのタイトルでDolby Digital 5.1chに、一部ではより高音質であるDTS Digital Surround 5.1chや、無圧縮変調方式であるLinear PCM 7.1ch/5.1chなどにも対応しており、中でも多くのSCE製タイトルはLinear PCM 7.1chまで対応している。注意が必要なのはBlu-ray Disc視聴時であり、初期モデルではDolby TrueHDとDTS-HD Master Audioのビットストリーム出力についてはサポートしておらず、ビットストリーム出力を選択している場合、HDMIで接続していても、旧来互換のDolby DigitalおよびDTS Digital Surround(DTS-HD Master Audioのコア部)で出力される。未対応ということではなく、それらについてはPS3側でLinear PCM 7.1ch/5.1ch(最大7.1ch/192kHz)へデコードしてしまうため、Dolby TrueHDやDTS-HD Master Audioに未対応のAVアンプでも、HDMI接続によるLinear PCM 7.1ch/5.1chの再生に対応さえしていれば、Linear PCM出力を選択することにより同等のサウンドを楽しめ、後に未対応だったDTS-HD Master Audioのデコードについても2008年4月15日のVer.2.30にてサポートされた。尚、PS3のように次世代オーディオコーデックのデコード機能まで搭載したブルーレイディスクプレイヤーは数少ない。CECH-2000モデルからは従来機にない機能としてシステムソフトウェアバージョン3.0以降により、Dolby TrueHDやDTS-HD Master Audioのビットストリーム出力に対応した。システムソフトウェアバージョン3.30からゲームの3D映像に対応し、システムソフトウェアバージョン3.50からBlu-ray Discの3D映像に対応した。60GBモデルには本体にメモリースティック、SDメモリーカード、コンパクトフラッシュと三種類のカードスロットが搭載されていて、横置きの場合におけるBDドライブ左に位置するカバーが開くようになっている。(搭載していないモデルでは、カバーはついているが開かない)内部ではUSBで接続されている。メモリースティックのスロットにはメモリースティックDuoもアダプターなしで差し込める。同様にSDメモリーカードのスロットにはminiSDもアダプターなしで差し込める。各スロットにはアクセスランプもある。セーブデータの保存にはHDD、メモリースティックの他、SDメモリーカードやコンパクトフラッシュなど様々なメディアを使用できるようにした。またUSBポートにはUSBマスストレージ規格に対応した機器とPC向けに販売されているマウスやキーボードなどの汎用機器が接続できるとしている。USBでHDDを繋げる場合はFAT32でフォーマット済みでないと認識しない(Game OS使用時)。PS3におけるハードディスクドライブ(HDD)は、PS2のようなオプション装備ではなく標準装備だったが、2012年に欧州のみでHDD非搭載の廉価モデルが発売となった(代わりに12GBのフラッシュメモリを内蔵)。使用されているのは一般的な2.5 inchシリアルATA(9.5 mm厚)5400 rpmのHDDである。市販の2.5インチSATAのHDDに交換が可能である。交換方法は説明書に書かれているが、モデルによって若干違う。交換の失敗によって故障した場合には、保証期間内でもメーカーの保証対象外となる。修理に出す時はHDDを外してメーカーに送る必要があり、修理内容によっては本体交換やマザーボード交換などの理由により、修理前に使用していたHDDの初期化が必要になる場合もある。2.5 inchシリアルATAのSSDとの交換も可能である。3.5インチのSATA HDDを外部に装着するサードパーティー製のキットも市販されている。外付HDDをUSBポートに接続することも可能であるが、この場合FAT32フォーマットにする必要がある(Game OS使用時)。SCEJ公式のHDD交換サービス(有料)も開始された。純正HDD320GBとの交換でHDDもSCEJ側で用意してくれる。日本国内では20・60GBモデルのPS3ではPS/PS2用ソフトを、40GBモデル以降ではPS用ソフトのみがプレイ可能である。プロセッサアーキテクチャがPS/PS2と異なる(両者ともMIPS系で、PS3はPowerPC系)ために、PS1用ソフトに対しては全モデルともソフトウェアによるエミュレーションによって互換性を持つが、PS2については互換性を高めるため、後期のPS2に搭載されたチップ「EE+GS」(EE・GSのワンチップ版)を搭載し、このためにDRDRAMを2つも搭載している。ただし、欧州版60GB/80GBモデルではEE+GSチップとDRDRAMは無くなり、GS相当のチップのみ搭載しており、EEをソフトウェアエミュレーションする(この場合、EE+GSチップの場合よりも互換性は低くなる)ことによってPS2用ソフトのプレイを実現している。40・80GBモデルでは低価格・低消費電力化を理由に、前述のハードウェアによるPS2互換のための部品が省かれPS2非対応の仕様となった。PS/PS2用コントローラ接続端子がないためPS3専用コントローラを使用するが、サードパーティー製のコントローラ変換アダプタも存在する。振動機能のあるPS/PS2用ソフトには別売りのDUALSHOCK 3を使う。USB接続の周辺機器や特定ゲーム専用コントローラは、純正でなく外部業者製が多いためPS/PS2ソフトへの対応は不完全である。振動機能やフォースフィードバックも含めて動作する場合もある(システムソフトウェア バージョン1.70参照)。2006年11月11日の段階では803作(PS用511・PS2用ソフト292)に何らかの不具合が発生(国産全7841作中、動作検証中1631本)した。当初動作不能ゲームに含まれていた『ファイナルファンタジーXI』、『信長の野望Online』といったHDD必須のPS2タイトルもシステムソフトウェア バージョン 1.31で対応するようになり、バージョン 1.51ではPS2非対応だったPS作品の一部が対応した。発売から約2ヶ月間、PS/PS2ソフトの映像出力時にi/p変換の不具合によって画質劣化が発生していたが、システムソフトウェア バージョン 1.50以降は改善され、i/p変換の恩恵を受けられるモニタなら画質はPS2よりもむしろ優れたものとなった。システムソフトウェア バージョン 1.80以降でアップコンバートに対応、HDTVであればPS1/PS2より高精細で滑らかな表示が可能になった。スムージングを入れると画像の荒さを取る画像処理が行われる。特にグラデーションのような色の変化が滑らかにできそうな部分には効果的な補正が掛かり、単なる高解像度化よりも画質が向上する。PS2に存在した、PS用ゲームソフトプレイ時に「テクスチャマッピング補間処理」「CD-ROM高速読み込み」を可能とする機能(PlayStation 2#上位互換性参照)は、PS3でのエミュレーションにおいては省略された。ただし、テクスチャマッピング補間処理機能に関しては前述のアップコンバートやスムージングによる画質向上と重複する機能である。2009年7月30日、SCEが国際出願したPS2エミュレーターに関する特許出願が日本において公報される。
出典:wikipedia
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