電子ブックリーダー(でんしブックリーダー)とは電子書籍を閲覧するための専用端末(デバイス)、および電子書籍データを表示する専用ソフトウェアである。電子書籍ビューワー、電子書籍専用端末、デジタルブックリーダー、Eブックリーダーとも呼ばれる(英語ではこの他にereaderという呼称もある)。広義でいうと電子辞書も国語辞典や英和辞書などの電子コンテンツを閲覧するための専用端末ということで電子ブックリーダーの一部であるとみなせる。電子書籍とは古くより存在する紙とインクを利用した印刷物ではなく、電子機器のディスプレイで読める電子データである。米国ではAmazon.comのKindleに代表される専用端末や、汎用端末に電子書籍用ソフトウェア(Kindle for iPhone and iPod touch など)を追加して読めるコンテンツが広がりつつある。電子書籍のコンテンツの多くは、既に出版された紙の書籍の情報を、デジタルな文字情報や必要ならば挿絵をデジタル画像情報へ変換して所定のフォーマット(代表的なものにEPUB、PDF、.MOBIなどがある)の電子ファイルにすることで、印刷、製本、流通のコストや省スペース性を図ったものである。このコンテンツには有料のものと無料のものがあり、以前は記録メディアに保存して販売されることが主流であったが、インターネットインフラの普及により、今では多くが無線・有線のネットワークを経由してのダウンロード販売によるコンテンツの入手が一般的となり、電子機器の画面上に表示させて読む。また紙の書籍では不可能な、ハイパーリンク・動画・音声・振動(バイブレーション)などを併用したコンテンツも存在することで、インタラクティブなコンテンツが作成できるのも特徴である。3Gの無線通信機能を備えたAmazon Kindle登場の以前と以後では大きく性能が変わっていることが特色で、端末の通信機能により手軽にコンテンツを供給できるプラットフォームを構築したAmazonのKindleストアにおいては、電子版の売り上げが対紙版比で飛躍的に向上しているとされる。これまでは爆発的な普及という領域には至らなかったが、2007年9月に発売されたKindle 3は3G通信機能と膨大な蔵書を要したKindleストアと呼ばれるオンライン配信サイトを設置し、音楽・映像配信分野でアップルがiTunes Storeで見せたような垂直統合型と呼ばれるビジネスモデルを完成させたため、米国では利用者が激増した。2009年のクリスマスセールではアマゾン自らが、Kindleがアマゾンで最も売れた製品であるということをアピールし、同時に電子版のコンテンツが紙版の売り上げを凌いだと発表した。 また電子ブック専用の端末ではないが、アップルが2010年4月3日に世界に先駆けて北米で発売したiPadも電子書籍専用の配信プラットフォームであるiBooks向けの電子書籍をApp Store経由のアプリを通しての配信が可能であり、電子書籍市場で圧倒的なシェアを誇っていたアマゾンに反撃を加える様相となった。しかし、アマゾンがiPad向けにアマゾンの提供するコンテンツの閲覧ソフトを無料で提供する事を発表したため流動的である。出版業界とのしがらみなどがあり、電子書籍に消極的であった日本においても、2010年に入りようやく動きが活発し、7月にはNTTドコモと大日本印刷連合、KDDIと凸版印刷、ソニー連合がそれぞれ電子書籍におけるアライアンスを発表し、2010年9月にはシャープが日本向け電子ブックリーダーとスマートフォンの機能を併せ持つandroid OSのGALAPAGOSやブックリーダー(SH-07C)を、ソニーが電子ペーパーを採用したReader(ソニー・リーダー)を発表している。またブックリーダー専門ではないが、電子書籍閲覧に適したGALAXY Tabといった、タブレット型のスマートフォンも発売され今後の日本の電子書籍の潮流に注目が集まっている。新聞・雑誌・書籍という従来型の出版形態に代わって携帯型の電子装置の表示画面でこれらを読むという考えは古くから存在し、1990年から小型の専用機器が販売されるなど電子書籍の普及に向けた事業がはじまった。インターネット利用が一般化した2000年前後より、テキストファイルによるコンテンツの提供がプロジェクト・グーテンベルクや青空文庫などで著作権切れ作品の有志によるテキスト化や著作者自身によるコンピュータ・ネットワーク上での配布も存在する。2000年代ではコンテンツへの課金方法が整備され、利益を創出する有料メディアとして、小説以外にコミックや雑誌または写真集などの電子書籍も登場している。大きく分けてダウンロード型とオンラインで閲覧するストリーミング型の2つの形態が存在し、ファイル形式やデータ形式もさまざまで、代表的なPDFやEPUBを含め、日本国内だけでも20種類以上のファイルフォーマットが存在する。ただし、多くは世界水準として認められているとは言えないものである。Kindleが最初に3G通信(キャリアはSprint)を介したWhispernetによるダウンロード型販売のモデルを構築した。Kindleは国際版が2009年11月に発売され、日本でも利用が可能となった(日本市場においては、NTTドコモとソフトバンクモバイルが回線を提供している)。インターネットにある電子書籍書店などのサイトから、必要なデータを全て端末にダウンロードして読む形式である。これは常時接続を前提とするデスクトップパソコンではあまり利便性は無いが、通信量で課金が発生する携帯電話や、回線との接続を外して持ち歩くノートパソコンや携帯情報端末では大きな意味を持つ。反面、データとして完結している必要性から、これらデータの複製を作る行為がネックとなる。データ形式は各書店サイトが利用するリーダーソフトによって多くの種類が存在し、AdobeReaderで閲覧するPDF形式やシャープのXMDF、携帯電話でコミックを読むためのセルシスのコミックサーフィン(現在では、ボイジャー社のドットブック形式ファイルが利用できるブックサーフィン)などがある。現在、パソコンへの配信はデジタルコミックを中心に配信がおこなわれている。ボイジャーが提供するT-timeが閲覧用アプリケーションとしてシェアが高い。ただし、イーブックイニシアティブジャパンやマンガノベルのように、独自にアプリケーションを提供している配信元もある。携帯電話の場合はキャリアごとの端末機の仕様のため、実際には、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルがダウンロード方式でNTTドコモは、ストリーミング方式である。2003年11月に、はじめて携帯電話でダウンロード方式のコミック配信をビットウェイ社が開始した。携帯電話のコミック用ビューワーは、当初ベクター形式のコミックサーフィンとラスター方式のビットウェイ・ビューワーの2方式で始まった。その後、コミックサーフィンにラスター形式の機能が実装された。現在ではラスター方式が主流である。電子書籍データを端末に一部、またはすべてダウンロードするが、閲覧するためにはインターネットへの接続が必要な形式である。サーバから情報をダウンロードして、キャッシュとしては記憶されるが、この一時ファイルは閲覧中は開かれたままで、静的なデータとしては基本的に保存できない。インターネット上のサーバに接続していないと閲覧できないため、提供側はかなり確実な著作権保護を得られるが、閲覧者には利便性が損なわれる。基本的には一般のウェブブラウザにプラグインと呼ばれる機能拡張プログラムをインストールして閲覧できるようになっているが、ウェブブラウザとは別に動作するものもある。電子書籍は書籍出版の一形態と考えられ、米国ではそのページ内の情報はインターネット・ウェブと同様にコンテンツと呼ばれる。コンテンツそのものが多様な種類があり、これを提供する側もさまざまな関係者が存在する。従来の紙媒体で出版されていたコンテンツのカテゴリーを網羅することはもちろん、Kindleストアに見られるようなブログの有料配信モデルや絶版誌の復刻、クイズやパズル系のコンテンツなど紙媒体では存在しなかったようなコンテンツのカテゴリーも出版可能となっていることが強みの一つである。米国では一般的には著作者が値段を設定できることが多い。Kindleストアでは著者(あるいは出版者)は99セント~200ドルまでの間で任意の数字を売価として設定できるようになっている。著作者はコンテンツが販売されるごとに売価に対してストア側が決めた所定の印税率を掛けたものを印税として受け取れる。Kindleストアでは通常月末の45日~60日といったサイクルで印税が支払われる。そのため紙出版よりもはるかに速く印税を回収できる。コンテンツの多くは紙媒体での出版を前提とした契約下で関係者が制作に携わったものであり、その電子化と公開ではそれら関係者の利権が絡み合い、デジタル情報ゆえに新たな契約が対象とする配布媒体・データ形態の範囲がわかりにくいなど、コンテンツの電子化にも技術面以外の様々なハードルが存在している。プロジェクト・グーテンベルクや青空文庫のような著作権切れコンテンツも存在する。著作権切れの書籍などをデジテル情報による無料コンテンツへ加工する作業は、ボランティアや無償提供目的の公益の事業などが行なっている。これらの著作権切れコンテンツを自社のファイル形式に変換して無料で提供する商業的電子書籍流通網も少なくない。世界的に日刊新聞の発行部数は下降しており、日本では出版業界も1990年中頃から後半にかけて販売が減少し、これらの電子書籍への参入を後押ししている。公立図書館では2002年、北海道岩見沢市立図書館が電子書籍の閲覧サービスをはじめたが、需要が少なかったため、書店の指定した2カ月の無償での試行の後、取り止めとなった。2005年から奈良県生駒市立図書館が電子書籍端末「リブリエ」による電子書籍の閲覧・貸出サービスをおこなっている。近年向上した技術として以下のものが挙げられる。特に電子書籍専用端末に向いた最新技術には新たな種類の電子ペーパーがあり、これまで以上に省電力で高コントラストの表示が実現するとされる。紙の出版物をデジタル情報化すれば、なんらかの複製制御の仕組みを配布方法や再生機器内に備えないと、デジタル情報は容易に複製物が作られるようになり、P2P型共有ソフトなどの違法な情報複製によって本来の著作物の販売が阻害されるなど著作権者の権利が侵害される可能性が高い。これを避けるために、電子書籍では当初からオンラインによる認証機能を設けたり、ダウンロードした端末以外で閲覧できないようにするといったハードウェア・キーを導入したりすることで広範な複製はおこなわれないようになっている。著作権者の権利保護はこれでほとんど問題がないが、利用者にとっては購入したコンテンツは特定の機器に縛られて他へ移動することが制限されるなど、可搬性は低下する。閲覧キーを購入する方式ではその損壊によって再生できなくなる。しかし2010年代に入りクラウド化が急速に進み、利用者は購入した書籍を電子書籍流通会社の「書庫」に保存できるだけでなく、読み出しのための鍵も、端末が損傷するなどして使えなくなっても電子書籍流通会社のウェブサイトで書籍に購入と同じ程度の簡単な認証(無料)で他の端末に移動できたり、もともと同じアカウントを使用するように設定した一定数までの複数の端末で同時の読書を認めるなど、「回し読み」が可能な紙の書籍と同程度もしくはより優れた利便さへの改善が進んでいる。専用端末の有無がデジタルデバイド(情報格差)を生じる可能性がある。特に米国では、政府は公的な発表をインターネットのような電子的な手段でおこなうのに積極的だが、国民のすべてがパソコンを持って閲覧できる環境にあるとは限らない。この点が米政府の完全電子公報化の足枷となっている。この問題は開発途上国ではさらに深刻であり、本来は社会を豊かにするための知識を提供する書籍が、電子化によるデジタルデバイドで、それら書籍に親しむべき貧困層の手に届かない危険性を生む。開発途上国でのデジタルデバイド問題を緩和するために、例えば100ドルPCという安価だが十分な性能を備えたパソコンの計画などもあるが、どこまで普及できるか、普及後のサポートがおこなえるのかなど、すぐに答えは出せない。電子書籍が流通すれば電子書籍出版社が直接著作者から出版権を購入し販売することになる。そうなれば出版社や書店は大打撃を受けると予想されている。日本国内の大手出版社は2010年2月に日本電子書籍出版社協会(仮称)を発足させアマゾンなど大手ネット書店に対抗する予定である。日本市場における電子ブックリーダーの本格的普及には下記のようなポイントが重要であると考えられる。電子書籍より一歩先に印刷物から電子媒体へと変化して普及しつつあるのが電子辞書である。電子辞書も国語辞典や英和・和英辞書といった特定の辞書1冊だけを含んだものから、多数の辞書情報を含んだ上にクイズやゲーム、辞書拡張用の専用メモリカード対応など付加的機能を備えた上級機種が登場しており、メモリーカードで外部からテキストファイル等を取り込んで読める機種では電子書籍に近い利用方法が可能になっている電子ブックリーダーの代表的なものとしては、主に以下のものがある。日本のBookLive社が開発したブックリーダー。日本では2012年12月から三省堂書店をはじめとした、全国書店より8,480円で発売されている。特徴は、WiFi(無線LAN)とWiMAX(公衆高速無線回線)が標準装備され、通信料が完全無料の端末である。通信利用について容量制限や、基本料金などの条件がない国内では唯一の書籍専用端末といえる。色は、白(シャンパンカラー)と黒の2色である。
出典:wikipedia
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