『刀語』(カタナガタリ)は、西尾維新による日本のライトノベル作品。イラストは竹が担当。題字は平田弘史が担当。全12話で、作者初の時代小説となる。講談社BOXのメイン企画「大河ノベル」の2007年作品として、清涼院流水「パーフェクト・ワールド What a perfect world!」と共に12か月連続で発売された。「刀を使わない剣士」と、それぞれある1つの能力に特化した12本の「変体刀」と呼ばれる刀を持った者たちの戦いを描く。各巻末には対戦相手のプロフィールと、対戦型格闘ゲーム風の技入力コマンドが掲載されている。コマンドを掲載したのは「カプコンから格闘ゲーム化の話がこないだろうか」という思惑からだったが、そのような話は全く来なかったという。2010年1月から12月に渡り(主要放送局の場合)テレビアニメが放送された。原作小説およびその映像化であるアニメ本編以外に、『刀語』の20年前、大乱の時代を舞台にした朗読CDの『第零話 虚刀・鑢』(西尾維新自身による脚本)が存在する。この『第零話』において、本編で明らかにされなかったいくつかの事実が語られている。さらに『刀語』の約200年前、真庭忍軍をメインにした外伝『真庭語』が講談社BOXから刊行されている。その他の外伝として旅の幕間を描いた『刀語余話』、『刀語絵巻』収録の否定姫が旅を振り返る短編、『〈物語〉シリーズ』とのコラボ小説の『混物語』が存在する。かつての戦乱の時代…。伝説の刀鍛冶「四季崎記紀」の作った千本の刀の所持数の多い軍ほど、優勢に戦を進められたという。尾張幕府により国が統一されはしたが、旧将軍は四季崎の刀を恐れ「刀狩」を行い、988本までも収集した。しかし、残り12本こそが、988本を試験台にした完成形変体刀であることが判明する。…時は流れ、刀を使わない剣術「虚刀流」の七代目当主である鑢七花は、姉の七実と二人きりで、父六枝の流刑地、不承島で暮らしていた。しかしある日、変体刀の収集を幕府から命じられた奇策士とがめが、虚刀流六代目・六枝の力を借りるために訪れる。しかし六枝は既に死亡しており、とがめは現当主である七花に協力を求める。過去に真庭蝙蝠や錆白兵に裏切られた、とがめの「金や名誉のためでなく、私に惚れた、愛のために戦う剣士を雇いたい」との言葉から、七花はとがめのために完成形変体刀十二本を集める旅に出る。各地を巡る二人は、さまざまな人々と出会いトラブルに巻き込まれながらも、強大な力をもつ変体刀の所持者や、変体刀を狙う組織真庭忍軍らと戦っていく。舞台となるのは「尾張時代」と呼ばれる中世の日本で、戦国時代から将軍家の天下統一までの流れなどは作品独自の経緯を辿っているが、おおまかな歴史や文化などは史実の江戸時代などに似ている。物語の原因となる「変体刀」が造られた戦国時代と、主人公2人の過去の因縁を作った奥州の反乱が起きた時期、物語の舞台となる反乱から20年後に大別される。「声」はアニメ版における担当声優。家鳴将軍家に代々仕える御側人の一団。それぞれが完成型変体刀の使い手になり得るだけの技や能力を持っており、第十二話において七花の前に次々と立ち塞がった。それぞれの変体刀の特性については、後述の「所持者」と「完成形変体刀十二本」を参照。この物語における「噛ませ犬」役。『卑怯卑劣』を売りにした暗殺専門の忍者集団で、正式名は真庭忍軍十二頭領。人格破綻者の集まりで集団行動をせず、突出した個人の能力だが固まって動くと互いの足を引っ張ってしまうため活動するため頭領が12人いる。頭領は3人ずつ手を結んでおり、それぞれ鳥組、獣組、魚組、虫組の四組の派閥に区分されている。服装は一般的な忍者のイメージとかけ離れており、覆面はしておらず、装束には袖がなく、主に防具として全身に鎖を巻いている。巻き方、巻く場所は一人一人違う。とがめから「刀集め」を依頼されたが、時代の流れで滅びかかっている真庭の里を救うため、変体刀の売却で得られる金目当てに裏切っている。とがめと七花、および七実からは「短くていい」「可愛らしくて素敵」という理由で「まにわに」と呼ばれている。実は、四季崎記紀の歴史改竄の歪みによって生まれた存在で本来の歴史には存在しなかった。剣を全く使わない一族相伝の剣術。刀を使わない剣術と言われているが、実際のところは、開祖の鑢一根が刀を扱う才能に全く恵まれず、子孫も同様だったために無刀となったもの。主に打撃を用いる拳法だが、七花は「剣法」と言っている。一応、手「刀」や足「刀」を多用するため、「刀を使う」武術ではある。その本当の姿は、四季崎記紀が完成形変体刀という"習作"を経て最後に作った刀、完了形変体刀・虚刀「鑢」である。虚刀流が「四季崎記紀の遺品」であり「四季崎の血統(正しくは「血刀」)」であると言われる所以はこのあたりにあると考えられる。虚刀流には七つの構えがあり、それぞれに奥義が一つずつある。奥義は四文字で、技は「花」が入った四文字熟語となっている。四季崎記紀が作り上げた1000本の刀。この1000本の刀は変体刀と呼ばれ、四季崎記紀の予知能力により未来から逆輸入した技術により製作されている。四季崎記紀が作った千本の日本刀の中でも最も完成度の高いと言われている十二本の刀で、それぞれ何らかの特殊な機能を持っている。一般的な刀の形をしていないものもあるが、とがめは“日本で作られたから日本刀だろう”としている。完成形変体刀十二本は一本で国がひとつ買える価値があるらしい。「斬れない物はない」とされる「鈍」と、「絶対に壊れない」とされる「鉋」のように矛盾した特性も存在しているが、このような場合、完成度に優れる後期に製作された側の特性が優先するだろうととがめは推測している。「完成形変体刀」と呼ばれる12本の"習作"を経て、最後の最後に作られた刀。『オリジナルドラマCD 不問語(トワズガタリ)』(2010年1月21日発売、ISBN 978-4-06-283734-7)七花、とがめ、七実、否定姫、右衛門左衛門が自らについて語るドラマCD。講談社BOXとしての発売で、シナリオブックが同梱されている。担当声優はアニメと同じ。西尾維新アニメプロジェクト第2弾。2010年1月(主要放送局の場合)から同年12月まで「大河アニメ」と称し、毎月1話1時間スペシャルでテレビ放送された。ナレーションは池田昌子。このような特殊な放送形態になった理由を、プロデューサーの鳥羽洋典は「原作が1か月に1回の刊行だったため、その『月に一度の楽しみ』というイベント感を出したかった」・「1冊1冊の面白さを最大限表現するため」としている。TBS系列の毎日放送が企画協力で参加しており、同局プロデューサーの丸山博雄がクレジットされている。2010年1月7日に制作会社WHITE FOXより、同作の機密資料が流出したことが公表された。同年1月4日未明に同社FTPサーバへ第三者によるクラッキングが行われ、内部資料となる絵コンテや脚本、キャラクターデザイン画などがインターネット上へ流出したとされる。2013年4月からはフジテレビ『ノイタミナ』ほかにて放送。同枠では、初の旧作にして1時間1作品の放送形態である。この『ノイタミナ』版では本放送時と仕様が異なりオープニングテーマとエンディングテーマ、そして各アニメーションが一新された他、本編は『ノイタミナ』の尺の都合上から再編集されて本放送より数分短縮され、次回予告はエンディングアニメーション内に内包されている。ノイタミナ版第7話と第12話(最終話)では副音声にてオーディオコメンタリーを行った。近畿圏でのネット局は毎日放送から関西テレビへ変更されている。なお、本作の担当広告代理店はクオラスであったが、ノイタミナ枠は電通の保有枠であるため、エンディングのクレジットからは削除されている。放送前に『まえがたり』、放送後に『あとがたり』として公式サイトで配信中。どちらも、各話の内容についてパーソナリティが語るという内容。『まえがたり』、『あとがたり』でパーソナリティは基本的に共通だが、第四話のみ異なる。BD完全生産限定版、DVD完全生産限定版、DVD通常版の3種類がある。限定版には、西尾維新脚本の朗読劇『第零話 虚刀・鑢』、各話エンディングテーマ(フルバージョン)、「あとがたり」完全版を収録した特典CDが付属する。2013年4月24日に発売。特典として限定版には劇中楽曲集 其ノ壱、弐が同梱されている。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。