ウィルコ(Wilco)は、アメリカ合衆国のイリノイ州シカゴを拠点として活動するオルタナティヴ・ロック・バンドである。バンド名は、「了解(will comply)」を意味する無線通信用語「wilco」に由来する。1994年、オルタナティブカントリーグループの「アンクル・テューペロ」からヴォーカリストのジェイ・ファラーが脱退した後に残ったメンバーによって結成された。幾度ものメンバーチェンジを経ており、結成当初より残るのはヴォーカルのジェフ・トゥイーディーとベーシストのジョン・スティラットのみ。2004年以降の現在のメンバーは、ギタリストのネルス・クライン、マルチ・インストゥルメンタリストのパット・サンソンとマイケル・ヨルゲンセン、ドラマーのグレン・コッチェ。ウィルコは8枚のスタジオ・アルバム、2枚組みのライブ・アルバム、競演盤を3枚(ビリー・ブラッグと2作、マイナス5と1作)発表している。ウィルコの音楽は、ビル・フェイやテレヴィジョンを含む多様なアーティストと様式から着想を得ている一方で、近年のオルタナティブ・ロックの音楽に幅広い影響を与えている。デビューアルバムの『A.M.』(1995年)ではアンクル・テューペロ以来のオルタナティヴ・カントリー風のスタイルであったが、その後はオルタナティヴ・ロックやクラシック・ポップの要素を取り入れ、より実験的な方向に向かっている。2002年に発表された4作目の『Yankee Hotel Foxtrot』が米国のみでも50万枚以上を売り上げたことで注目を集め、2004年に発表した5作目のスタジオ・アルバム『A Ghost is Born』ではグラミー2部門を受賞した。7作目のスタジオ・アルバム『Wilco (The Album)』は2009年6月30日に発表され、2010年7月時点で27万1,000枚を売り上げている。2011年1月、自身のレーベルdBpm Recordsの設立を発表した。dBpmはマサチューセッツ州イーサンプトンに本拠を置き、マネージャーのトミー・マルゲリータが運営を行う。また、流通はアンタイ・レコードが手がける。dBpmからの最初のアルバムとなる最新の8作目のスタジオ・アルバム『The Whole Love』は2011年9月27日に発表された。2015/7/17にはニュー・アルバム『Star Wars』を突如リリースした。ウィルコの音楽は、概してオルタナティブ・ロックやオルタナティブ・カントリーとして分類される。彼らは、その経歴を通じて主要レコード・レーベルとつながりをもってきたにもかかわらず、一般的にインディー・ロックと関連づけられることが多い。ウィルコは、多様な音楽ジャンルのバンドから影響を受けているが、主として1966年から1974年の時期に作られた音楽からの影響が色濃く見られる。ウィルコは、ジョン・ケイルの『Paris 1919』と、自分たちの音楽の類似性を指摘している。トゥイーディーの言葉では、「実験とアバンギャルド理論は、美しさというものに直接対立するわけじゃないんだ。ふたつの世界はふつう考えられているよりもずっと多くのものを共有している。そのように感じた人間がぼくだけじゃないと気づいたときには驚いたよ」。この期間にレコーディング活動をしていたアーティストで、ウィルコがその影響を認めるのは、ジョン・レノン、ニール・ヤング、ブライアン・ウィルソンなどである。またトゥイーディーはテレヴィジョンの大ファンで、特にギター・ワークを気に入っており自分の作品に取り入れたいと思っていたが、34歳の誕生日にリチャード・ロイドからギターの個人レッスンを受けている。アンクル・テューペロはジェイソン&スコーチャーズやミニットメンといったバンドに影響を受けており、ウィルコの『A.M.』にはその痕跡が見られる。トゥイーディーとオロークは、オーネット・コールマン、アルバート・アイラー、デレク・ベイリといったフリー・ジャズのほか、マイルス・デイヴィスやジョン・コルトレーンといった主流のジャズも愛聴していた。ウィルコの詩作は、古典文学の影響と「優美な屍骸」の手法に特徴づけられる。この手法では、直前の一行だけを見られるようにして、バンド・メンバーがかわるがわるタイプライター上に詩行を書きつらねる。様式上の影響を受けた本としてウィルコが挙げているものには、ウィリアム・H・ガスの『In the Heart of the Heart of the Country』、ヘンリー・ミラーの『北回帰線』、ハロルド・ブルームの『影響の不安ー詩の理論のために』など。『ローリング・ストーン』誌は、ウィルコを「常に大きな関心をひくアメリカのバンドのひとつ」、「アメリカ最高峰のロックの印象派」などと表現している。ウィルコの影響を受けたバンドとしては、デレク・ウェッブ(カドマンズ・コール)、ザ・ナショナル、グレイス・ポッター・アンド・ザ・ノクターナルズなど。イギリスのインディー・ロック・バンドのチェリー・ゴーストは、リード・シンガーのサイモン・アルドレッドが自ら「ウィルコの大ファン」と称しており、ウィルコの楽曲「神学者たち(Theologians)」(アルバム『ア・ゴースト・イズ・ボーン A Ghost Is Born』に収録)の歌詞からバンド名をとっている。他にも有名どころでは、ノラ・ジョーンズがウィルコの「ジーザス、Etc.(Jesus, Etc.)」を2008年のブリッジ・スクール・ベネフィットのライブでカバーしており、そのときの録音のひとつは彼女が2009年に発表した『ザ・フォール』のボーナス・トラックとして収録されている。また、カウンティング・クロウズとウォールフラワーズも「カリフォルニア・スターズ(California Stars)」をライブで演じている。2016年1月現在
出典:wikipedia
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