『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(もしこうこうやきゅうのじょしマネージャーがドラッカーのマネジメントをよんだら)は、岩崎夏海による日本の小説。また、同書を原作とする漫画、テレビアニメ・映画作品。略称は「もしドラ」で、アニメではこちらが多用される(後述)。元放送作家の岩崎が自身のはてなダイアリーで2008年7月11日に書いた同名の記事を読んだダイヤモンド社の編集者が岩崎に企画を持ちかけて制作された。イラストはゆきうさぎ、背景は益城貴昌(bamboo)がそれぞれ担当している。公立高校の弱小野球部でマネージャーを務める女子高生・川島みなみが、ピーター・F・ドラッカーの著した組織管理論手引書『マネジメント』を偶然書店で手に取ったことを契機に部の意識改革を進め、甲子園を目指すと言うストーリーで一見、萌え本やライトノベルを意識したかのような装丁が採り入れられているのが特徴となっている。2010年3月に第1回サムライジャパン野球文学賞特別賞(ベストナイン)を、同年12月に第45回書店新風賞を、2011年3月に第16回AMDアワード優秀賞を受賞。2010年7月22日、発行元のダイヤモンド社は本書が1913年(大正2年)に同社が創業して以来初のミリオンセラーとなったことを発表。オリコンランキングでの推定実売部数は、2010年10月18日付で100万部を2011年4月18日付で200万部それぞれ突破した。この間、2011年2月21日付ランキングの時点で179.7万部となり、総合部門で歴代1位となっている。2013年7月現在の発行部数は255万部、電子書籍版15万部を合算して270万部を突破している。オリコン2010年年間“本”ランキング、トーハン2010年書籍年間ベストセラー、日販2010年度年間ベストセラー、Amazon.co.jp Best Books of 2010和書総合部門でいずれも総合1位を獲得している。こうした好調なセールスを受けて、2010年秋から2011年夏にかけて後述のようにアニメ化・漫画化・映画化とメディアミックス企画が相次いで展開される。主人公の川島みなみは岩崎がプロデュースに関わっていたアイドルグループ・AKB48のメンバー・峯岸みなみが憧れる女性像をモデルにしている。また、映画版の田中監督と原作・脚本の岩崎によるコメンタリーの中で、北条文乃は渡辺麻友がモデルであると明かしている。2011年6月公開の映画では同じAKB48の前田敦子が主役を演じることとなった(後述)。なお峯岸は北条文乃を演じる(後述)。この他AKB48関連ではオーディオブック版の朗読を仲谷明香が担当、仲谷はその後アニメ版で文乃役としても出演している。2015年12月5日、ドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を題材とした続編『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら』(もしイノ)が発売された。川島みなみは東京都立程久保高校2年生。7月の半ばに、病に倒れた親友で幼なじみの宮田夕紀に頼まれ野球部のマネージャーを務めることになった。マネージャーになる際に、「野球部を甲子園に連れて行く」という目標を立てるが、監督や、幼なじみでキャッチャーの柏木次郎を始めとする部員らの反応はやはり冷めたものであった。事実、全国屈指の激戦区である西東京地区を勝ち抜くことは、現在の程高の実力では到底無理で、甲子園出場など夢のまた夢。さらに部内でも部員のやる気のなさや、監督の加地とエースピッチャー浅野との確執など問題が山積していた。だが、逆境になるほど闘志を燃やすタイプの彼女は、諦めるどころかやりがいを感じていた。まずはマネージャーのことを理解しようと、書店で「マネジメント」の本を探すみなみは、店員に薦められるままにドラッカーの『【エッセンシャル版】マネジメント〜基本と原則〜』を購入する。だが、それが起業家や経営者のための本だったことを知り、「確認してから買うんだった!」と後悔する羽目になったが、「せっかく2,100円も出して買ったんだし……」と気を取り直し、初めは参考程度に読み進める事にする。しかしその途中本文にあった「マネジメントに必要な唯一の資質は真摯さ」という言葉に衝撃を受け、なぜか号泣してしまう。その後、彼女はこの本の内容の多くが野球部の組織作りに応用できることに気付き、次第に夢中になっていく。こうして組織や団体、機関の管理者としてのマネージャーの資質、組織の定義付け、マーケティングやイノベーションの重要性など、『マネジメント』を通じて様々なことを学んだみなみは、自分が「マネージャー」となって野球部をマネジメントできないものかと考え、夕紀や加地、後輩マネージャーの文乃、同じく『マネジメント』を愛読している二階らに協力を仰ぎ、『マネジメント』で学んだことを野球部の運営に当てはめ、部をより良くしていく方策を次々と実践していく。『社会に対する貢献』を視野に入れた彼女のマネジメントは、野球部のみならず同校の柔道部や家庭科部等、程高の他のクラブにも好影響を与えていく。程高野球部が打ち出した「ノーバント・ノーボール」作戦は、後に高校野球にイノベーションを起こし、「程高伝説」と呼ばれるまでになる。西東京地区予選を破竹の快進撃で決勝まで上り詰め、甲子園にリーチをかけた程高野球部。しかし決勝戦を前に、突然の悲劇がみなみを襲う。「声」はアニメ版の声優・「演」は映画版の配役。2010年9月10日、オーディオブック配信サイトFeBeより発売。朗読はAKB48の仲谷明香。オーディオブック特典として、仲谷明香×岩崎夏海対談が収録されている。収録時間6時間40分25秒。オトバンク主催の「オーディオブックアワード2010」においてオーディオブック・オブ・ザ・イヤーを受賞した。集英社発行の漫画雑誌『スーパージャンプ』(SJ)で2011年第2号(2010年12月22日発売)から漫画化作品が連載されている。作画は椿あす。2011年第16号(2011年7月27日発売)より月一連載に移行、SJの休刊・『ビジネスジャンプ』との統合に伴い、2011年第20号(2011年9月28日発売)でSJでの連載を終了し、2011年12月創刊の新月刊誌『グランドジャンプPREMIUM』(GJP)に移籍、後に2012年9月発売の10月号でGJPでの連載も終了した。同号の誌面上で『グランドジャンプ』公式ウェブサイト上での連載再開予定が告知されたが、2013年3月現在、連載は中断したままである。シナリオは岩崎が新たに書き下ろしたものを使用しており、原作にはない新たなエピソードや漫画版オリジナルのキャラクターも盛り込まれている。これについて岩崎は第1巻の中で、担当編集者から「小説版と同じものにしたくない、何か付加価値をつけたい」と、単なる小説の焼き直しにしないことを要請され、付加価値として小説では紙幅の関係で描けなかった設定やキャラクター、エピソードを追加している、としている。このことを行おうとした理由として、小説上では設定や事細かい描写を出さずにその事実のみを記述したのだが、小説を読んだ読者の中にはそのことの理解や想像ができないことを知り、彼らがよりよく理解できるために細かい描写を盛り込むことにしたという。第1回 - 第7回、第9回では、本編の後に原作者の岩崎がゲストを迎えて対談を行う「もしドラ SUPER INTERVIEW」のコーナーが1ページ挿入された。テレビアニメ版が2011年4月25日から5月6日にかけて、NHK総合テレビで放送された。全10話。アニメ化の告知は2010年10月に発表され、当初の予定では2011年3月14日から3月25日まで集中放送されることになっていた。しかし2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)に伴う特別編成の影響で放送延期となり、集中放送を4月25日から、レギュラー放送を4月29日(4月28日深夜)からの毎週木曜深夜(日付上は金曜未明)に実施した。アニメ版の正式タイトルは原作と同じ「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」であるが、タイトルが極端に長いため番組表などでは一貫して略称の「もしドラ」が用いられており、タイトルロゴのデザインもこの略称を強調したものとなっている。冒頭のナレーションは、NHKアナウンサーの三宅民夫が担当。アニメの放送に合わせ、東京・原宿のARTIFACT地下1階に程久保高校 表参道購買部(ほどくぼこうこう おもてさんどうこうばいぶ)が2011年4月2日から6月30日までの期間限定で開店した。店内ではキャラクター商品や原作小説及び『マネジメント』を始めとするドラッカー関連書籍の販売、アニメの関連資料展示などが行われた。2011年8月16日の19時30分から20時45分まで、総集編『もしドラ 再び』が放送された。『TVアニメもしドラ 「程高放送部 〜もしドラジオ〜」』のタイトルでアニメイトTVにて配信された(隔週月曜更新)。パーソナリティ配信期間ゲスト上記漫画版と別に、アニメ版の映像を使ったアニメコミックが、小学館のWebコミックサイト、クラブサンデーにて2011年4月26日から配信されており、これをまとめた単行本が同年6月1日に発売されている。webコミックはそれに伴って配信を終了している。発売元は小学館。2011年5月25日にポニーキャニオンから発売されたシングル。ジャケットには 玉川茉莉がプリントされている。(全編曲:草野よしひろ)2011年8月3日にポニーキャニオンから発売されたアルバム。Production I.Gの開発にてiPhone向けの公式Twitterの最新情報配信と起動時に登場人物のあいさつを収録しているアプリ「もしドラ伝言板」が無料で提供。ほか、ボイス付フォトクロックアプリが配信・販売されている。各社で携帯電話端末向けの「もしドラ」きせかえアプリ・マスコット(マチキャラ)アプリが配信・販売されている。2011年6月4日に東宝系で公開の青春ストーリー映画。監督は田中誠。総合プロデュースをAKB48の総合プロデューサーでもある秋元康が手がける。川島みなみ役の前田敦子は本作が映画初主演となり、映画出演も『那須少年記』(2008年)以来3年ぶりとなる。また、川島みなみのモデルとなった峯岸みなみも北条文乃役で出演する。キャッチコピーは「私たちの青春は、一冊の本から始まった。」。全楽曲の作詞は秋元康2010年12月13日に映画化することが発表された。2011年1月上旬にクランクインし、2月中旬までにクランクアップ。メインの程久保高校のロケーション撮影は、茨城県高萩市の旧・茨城県立高萩工業高等学校で行われた。大泉洋・瀬戸康史・前田敦子・峯岸みなみからは、高萩工業高校の統合先である茨城県立高萩清松高等学校にサイン色紙が送られた。また、同県稲敷市の茨城県立江戸崎総合高等学校でもロケが行われている。原作の舞台となった東京都日野市については、アニメ版では高幡不動尊や日野市立病院をはじめとする市内各所の描写が多いものの、映画版については終盤に高幡台団地(程久保駅東部)が使われたのみである。なお、この高幡台団地のロケ地は、著者が程久保高校のモデルとして構想した日野市立夢が丘小学校が至近に位置する。2011年6月4日に全国320スクリーンで公開され、2011年6月4、5日の初日2日間で興収1億8,073万5,100円、動員14万2,592人になり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第3位となった。一方、同日公開の『パラダイス・キス』に話題が集中したこともあり、一部報道では「早くも失速」との批評もあった。2012年8月22日にTBS系で地上波初放送された。視聴率は、9.9%。映画評論家の町山智浩はTwitter上で、「半年後にはゴミになる作品」と発言し、それを見た田中監督から「見ていないのに批評しているのではないか」といった指摘を受けて、すぐに謝罪している。鑑賞後は、「後半にマネージャーが何もしていない、大泉洋が変化するだけ、最後にマネージャーが活躍する工夫が欲しい」「アイドル映画の最大の目的はアイドルを輝かせることなのに、この映画ではあっちゃんが輝く瞬間が全然与えられていない。」などと批評している。2011年12月21日に発売。Blu-rayとDVDでリリース。発売元はTBS、販売元はキングレコード。
出典:wikipedia
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