エア・インディア・エクスプレス812便墜落事故(エア・インディア・エクスプレス812びんついらくじこ)はインドで発生した航空事故。2010年5月22日の1時00分 (UTC) 頃にドバイ発マンガロール行きの定期旅客便、エア・インディア・エクスプレス812便が着陸時に滑走路をはみ出し崖から転落・出火し、周辺の斜面には残骸が散乱した。搭乗していた乗客160人および乗員6人のうち、生存者は乗客8人のみであった。この事故による死者数は158人となり、ニューデリー空中衝突事故(1996年、死者349人)、インド航空855便墜落事故(1978年、死者213人)に次ぐ大事故となった。また、2000年7月にパトナで発生したアライアンス・エア7412便墜落事故以来の大事故とされる。この事故は737型機(全シリーズ)による事故としては最悪の規模であり、ボーイング737-800型機で8回目の全損事故である。この事故は2010年に発生した航空事故では最悪の規模となり、同年では2度目の737-800型機による事故となった。この事故はバンガロールで2度目のオーバーラン事故である。2010年5月22日午前6時半(日本時間同10時半)頃、アラブ首長国連邦のドバイを出発し、マンガロール国際空港の28番滑走路着陸進入中だったエア・インディア・エクスプレス(エア・インディア子会社)812便(ボーイング737-800(B737-8HG、機体記号:VT-AXV(試験飛行時N1787B)、製造番号:26333/ラインナンバー2491))が着陸時にオーバーラン、滑走路先の崖から転落して炎上した 。この事故で、幼児4名を含む少なくとも158名が死亡した。この機体は前日23:44に811便としてドバイに到着した。811便のクルーはそのまま812便に乗務した。812便は01:06にドバイを離陸、巡航高度に達するまで特に問題はなかった。離陸から1時間40分が経過するまで機長が寝ていたためコックピット内の会話はなく、その間副操縦士がすべての無線交信を担当していた。05:33 ウェイポイント“IGAMA”を通過したと報告し、この時点で空港まで130マイルに接近しており降下の許可を求めたが航空管制に拒否された。05:47 空港まで77マイル地点で高度フィートまでの降下許可が出たため巡航高度29500フィートから降下を開始したが、クルーは着陸について打ち合わせしなかった。空港まで50マイル地点でようやく打ち合わせを開始した。その後航空管制は高度2900フィートまでの降下が許可されたが、この時点で812便の高度は通常より高かった。CVRには副操縦士のあくびも録音されていた。空港まで10マイルに到達したときに航空管制は812便にILSに乗ったら報告するように求めた。高度8500フィートで着陸装置を降ろし、スピードブレーキを作動させたため降下率が増大した。また812便はILSのグライドパスを通常より高い高度でキャプチャーしていたことがDFDRに記録されている。その後フラップを40°まで降ろし、着陸前のチェックリストが完了した。06:03 812便は空港まで2.5マイルに接近し、電波高度計が“2500フィート”とコールした。機長が自動操縦装置を解除してすぐに、副操縦士が“着陸復行しますか?”と言ったのに対し、機長は“間違ったロー…ローカライザー…グライドパス”と返答。副操縦士は再び“着陸復行しますか?”と質問したが機長は“不安定だ”とだけ答えた。機長は降下率を一分間に4000フィート降下するように増加させたため地上接近警報が作動。管制官はマンガロール国際空港滑走路24への着陸を許可し、“風は穏やか”と報告した。812便は滑走路端を通常は高度50フィートを144ノットで通過するところを高度200フィート、160ノットで通過した。滑走路に接地する前に副操縦士は機長に“着陸復行、機長…滑走路が足りない”と進言したが、機長は着陸を継続し812便は滑走路端から5200フィート過ぎた地点に着陸した。滑走路は残り2800フィートだったが機長は逆噴射装置を作動させブレーキを6秒間踏んだ。しかし機長はここでボーイングの標準手順に従い着陸復行を開始した。しかし機体は滑走路を60mオーバーラン、その先に90m分あった滑走路端安全地帯に突入した。だが機体は止まらず安全地帯から85m先にあったローカライザーアンテナに右主翼が衝突、空港のフェンスに激突し渓谷に落下した機体は爆発、炎上した。事故当時、マンガロール空港の天候は霧がかかる悪天候で、視界不良であったという。この事故の3日後には、同社のドバイ発プネー行きの便で機長がトイレに行っている間に副操縦士が操縦桿を倒してしまい、自動操縦が解除され37000ftから7000ft急降下する事故が発生している。2010年11月17日に最終事故調査報告書が提出された。原因は機長が不安定なアプローチと着陸を継続したことであった。降下を開始した地点が通常より空港に近く、高い高度のまま空港に接近。3回にわたる副操縦士の着陸復行の提案にもかかわらず機長は着陸を敢行。滑走路中央を過ぎたあたりに着陸したがそのまま通常の着陸操作を開始し、着陸復行を開始したのが遅すぎた。
出典:wikipedia
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