


第90回天皇杯全日本サッカー選手権大会(だい90かい てんのうはいぜんにほんサッカーせんしゅけんたいかい)は、2010年9月3日から2011年1月1日に開催された天皇杯全日本サッカー選手権大会である。鹿島アントラーズが3年ぶり4度目の優勝を果たした。前回大会同様、Jリーグ加盟チーム・JFL上位チーム・大学代表のシードチーム(大学シードを除き2回戦から登場)と47都道府県代表(1回戦から登場)を合わせた88チームにより天皇杯を争う。試合方式、優勝チームへの特典も前回と同様。試合日程や会場の配分に前回と多少異なる点があり(後述)、特に大きく変更されたスケジュールの配分の結果、1回戦を戦ったチームは中1日でシードチームと2回戦を戦うことになり、中3日で試合となった2010Jリーグヤマザキナビスコカップ準々決勝に出場した8チームと比較しても明らかにコンディション面で不利を被ることになり、2回戦でJFL以下の下位リーグ所属のチームがJリーグ所属チームに勝利した、いわゆる“ジャイアントキリング”はわずか2試合にとどまっている。2回戦から準々決勝までの日程に比較的余裕があったこともあってか、ベスト8に残ったのはJ2のアビスパ福岡を除けば全てJ1勢であった(ベスト8にJ2以下のチームが1チームしか残らなかったのは第86回大会以来4年ぶり)。基本的に前年までのものを踏襲しているが、2010 FIFAワールドカップで中断期間のあったリーグ戦との試合日程調整の結果、1回戦と2回戦を中1日で行う一方、2回戦から準々決勝まではそれぞれ1ヶ月近く間隔が空くという多少いびつな日程となっている。このこともあり、1回戦と2回戦は極力近接した会場(組み合わせによっては同一会場)で行われることとなっており、2回戦はシードチームのホームスタジアム(またはその近く)で開催されることから、例年以上に試合会場がJリーグのホームタウンとその周辺に偏る結果となっている。また、4回戦は全試合が平日のナイトマッチとなり、試合会場は3回戦終了後に発表され、必要に応じてホームとアウェイのチームを入れ替える措置が採られた。試合会場については後述の試合結果を参照のこと。( )の日付は予備日(欄外「注」参照)。Jリーグ加盟クラブが1チーム増加したことから、シード枠の配分が一部変更になっている。2010年のJ1リーグ参加の全18チーム。2010年のJ2リーグ参加の全19チーム(前回大会から1チーム増)。第12回日本フットボールリーグの前期17節終了時点の上位3チーム(前回大会から1チーム減)。第34回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント優勝校。都道府県予選を勝ち抜いた都道府県1チームずつの全47チーム。2011年元日の決勝に勝ち残ったのは、準々決勝で2冠を目指した名古屋グランパスを下し、準決勝で初の決勝進出を狙うFC東京を延長ロスタイムぎりぎりの決勝ゴールで振り切った鹿島アントラーズと、準々決勝でモンテディオ山形にPK戦の末勝利し、準決勝で史上初の3連覇を目指したガンバ大阪に快勝した清水エスパルスの2チーム。両チームの顔合わせは鹿島が年度3冠を達成した第80回大会以来10年ぶりとなった。決勝戦は鹿島が前半26分にセットプレーから小笠原満男のコーナーキックにフェリペ・ガブリエルが頭であわせて先制点。清水は後半攻勢を仕掛け、後半15分にこの試合を最後にチームを去るフローデ・ヨンセンのループシュートで一度は追いつくが、後半32分に鹿島が再びセットプレーから野沢拓也がフリーキックを直接決めて勝ち越し点。その後も攻勢を仕掛ける清水の攻撃を鹿島がしのぎきって2-1で勝利し、鹿島が3年振りの栄冠に輝き、14個目の三大タイトルを手にした。鹿島はリーグ4連覇こそ逃したものの、天皇杯王者として4年連続でAFCチャンピオンズリーグ2011に出場することになった。一方、清水はこの試合を最後に6年間率いたチームを去る長谷川健太監督の最後を飾ることは出来なかった。
出典:wikipedia
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