歌川 芳鶴（うたがわ よしつる、生没年不詳）は、江戸時代後期の浮世絵師。歌川国芳の門人。俗称は長次郎。一声斎、芳霍とも号す。幼少時、父母を失い、日本橋石町2丁目の踊師匠の藤間トセによって養育された。友人であった歌川芳艶が国芳に入門したことを聞いて、同様に国芳の門下となった。初作は天保12年（1841年）作画の合巻『祝言千箱玉』4巻（美図垣笑顔作）など数点の挿絵であった。その後、天保（1830年 - 1844年）から嘉永（1848年 - 1854年）頃、武者絵、役者絵、美人画、彫物の下絵などをよく描いており、国芳の代筆も行っていた。また、合巻や絵本の挿絵を多く手がけているが、芳艶とともに賭博に走り、ついには牢死にいたった。刊行年不明の絵本『もゝ太郎』の作画には「一声斎芳霍」の署名が使われている。天保13年（1842年）刊行の合巻『絵巻物今様姿』(笑顔作)、同年刊行の合巻『犬神太郎暴悪譚』(雪麿作)、嘉永3年（1850年）刊行の合巻『正本由良湊』(笑顔作)の挿絵が知られている。享年33。

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