


アダマストル (Cruzador português Adamastor) は、ポルトガル海軍が建造した巡洋艦で同型艦はない。本艦は防御装甲を持たない巡洋艦であった。本艦はポルトガル国王カルロス1世による海軍拡張計画の一環としてイタリアに発注された艦である。設計と建造はオルランド社、リヴォルノ造船所で建造された。本級の船体形状は平甲板型船体で、水面下に衝角を持つ艦首から前部甲板上に主砲として「アンサルド 1895年型 15.2cm(30口径)砲」を防盾の付いた単装砲架で前向きに1基を配置した。の後ろに頂上部に見張り所を、中部に探照灯台を持つ単脚式のマスト1基の後ろに司令塔を下部に組み込み、船橋を両側に持つ箱型の操舵艦橋が立つ。船体中央部に2本煙突が立ち、煙突の周囲には艦内への吸気用として煙管型の通風筒が1番煙突の前側に並列で2本、1番・2番煙突の間に並列で2本が立てられた。煙突の周囲は艦載艇置き場となっており、その後ろは前部マストと同じ様式の後部単脚マスト、後ろ向きに15.2cm単装塔1基を配置した。副砲の「クルップ 1895年型 10.5cm(40口径)砲」は前後のマストの側面部の舷側に張り出しを設けて防盾付きの単装砲架で片舷2基ずつ計4基が配置された。この武装配置により前後方向に最大で15.2cm砲1門、10.5cm砲2門、左右方向に15.2cm砲2門、10.5cm砲2門が指向出来た。本艦は1898年にポルトガル海軍に編入された。1910年10月5日革命で本艦は革命側に所属し、王宮に向けて艦砲射撃を行った。第一次世界大戦時の本艦は連合国の輸送船団の護衛任務や本国沿岸部の哨戒任務に従事した。大戦後はポルトガル極東艦隊に「ヴァスコ・ダ・ガマ」と共にマカオに駐留し、1932年に第一次上海事変が起きた際に上海租界におけるポルトガル居留民保護のために上海まで海軍陸戦隊を輸送した。1933年に本艦は老朽化のために除籍され解体処分となった。
出典:wikipedia
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