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釋摩訶衍論

『釋摩訶衍論』(しゃくまかえんろん)十巻は、秦姚(ようしん:後秦384-417)の伐提摩多(ばつだいまた)による漢訳とも記され、『大乗起信論』に対する註釈書であり、大乗もしくは密教の龍樹菩薩の著作とされている。如来蔵思想と阿頼耶識との結合を図ったものとされている。また、下記の通り、空海が真言密教の体系化に本論を用いたことによって、本覚思想が密教とともに進展した。本書は、龍樹作と伝えられているが、実際には、7世紀-8世紀前半に中国仏教圏で、華厳教学を背景に成立したものと見られている。ただし、元本に当たる『大乗起信論』のインド成立説や中国成立説と共に、結論は出ていない。日本に伝えられて、弘法大師空海がこの論の中にある密教の要素に着目し、大乗仏教と密教との峻別のための典拠としたために、真言教学史の中で特に重視されてきた。

出典:wikipedia

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