


パニツムマブ(Panitumumab)は、ヒト上皮増殖因子受容体 (epidermanl growth factor receptor; EGFR) を標的とする完全ヒト型IgG2モノクローナル抗体(分子標的薬)である。商品名はベクティビックス®点滴静注100mg・400mg(開発アムジェン、販売武田薬品工業)。作用機序はセツキシマブと概ね同じである。ただし、セツキシマブがIgG1抗体であるのに対して、パニツムマブはIgG2抗体であるため抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性は期待できないとされる。2009年12月現在、34ヵ国で承認されているが、2010年4月日本における適応はEGFR陽性で「KRAS遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」である。添付文書に記載されている重大な副作用は、重度の皮膚障害(痤瘡様皮膚炎・発疹(10%)、爪囲炎(4%)、皮膚乾燥・皮膚剥脱・皮膚亀裂(2%)、瘙痒症(1%未満)、紅斑(1%未満))、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、間質性肺疾患(間質性肺炎、肺線維症、肺臓炎、肺浸潤)(1.3%)、重度のInfusion reaction(1%未満)、重度の下痢(1%未満)、低マグネシウム血症(17%)である。治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌に対しては、抗体製剤としてすでにベバシズマブ(商品名:アバスチン®)やセツキシマブ(商品名:アービタックス®)が上市されている。セツキシマブとパニツムマブとは同様の作用機序をもつ抗ヒトEGFR抗体であるが、パニツムマブは、ヒト型完全モノクローナル抗体である点が大きな特徴である(セツキシマブはヒト・マウスのキメラ抗体)であり、このためセツキシマブに比べてアレルギー機序による副作用が軽減されている。
出典:wikipedia
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