つばめは、九州旅客鉄道(JR九州)が九州新幹線の博多駅 - 鹿児島中央駅間で運行している特別急行列車である。種別を示す色は水色()。九州新幹線の全線開業以前は同線唯一の列車名であった。本項では、1992年から九州新幹線開業までの間、鹿児島本線博多駅 - 西鹿児島駅(現在の鹿児島中央駅)(一部門司港駅発着)で運行されていた在来線特急『つばめ』、ならびに九州新幹線部分開業時に新幹線「つばめ」に接続していた在来線特急『リレーつばめ』についても記述する。九州新幹線の列車愛称は速達種別ごとに「みずほ」「さくら」「つばめ」の3本立てとされ、「つばめ」の愛称は『九州新幹線区間を運行する各駅停車列車』の位置づけ(東海道・山陽新幹線における「こだま」と同じ)となっている。「つばめ」の列車名は、鳥類の「ツバメ」にちなんでおり、その起源を1930年10月まで遡り、戦前・戦後を通じ日本国有鉄道(国鉄)を代表する特急列車の名称とされてきた、伝統ある列車名である(国鉄時代の特急については「つばめ (列車)」の項を参照)。1975年3月に廃止されて以降、「この名称に釣り合うだけの格式のある列車がない」という理由で、しばらくの間用いられることはなかった。国鉄分割民営化後の1992年7月、JR九州が鹿児島本線の特急の列車名として再び起用した。同社は名称復活に関し、JRグループ各社から事前に了承を得るという手続きを行っている。その後、2004年3月に九州新幹線が名称を引き継いだのが現在の新幹線「つばめ」である。九州新幹線の部分開業の際、「つばめ」の名称は公募により決定し、得票数では第1位が「はやと」で「つばめ」は第5位であったが、「はやと」は採用されなかった。これは、「はやと」が九州というより鹿児島県のイメージが強いこと、東北新幹線の「はやて」と紛らわしいからとされる。なお、「はやと」の名前は九州新幹線開業と同時に設定された肥薩線吉松駅発着の特急「はやとの風」に用いられた。全列車が各駅停車として運行される。「つばめ」は博多駅 - 熊本駅間の区間運行が基本で、毎時1-2本が運行される。博多駅 - 鹿児島中央駅間直通の「つばめ」は朝夕の通勤・通学時間帯中心の運行となり、日中の熊本駅 - 鹿児島中央駅間は「さくら」のみが運行され、「つばめ」は運行されない。このほか早朝・夜間に博多駅 - 筑後船小屋駅間、川内駅 - 鹿児島中央駅間の区間運行列車が運行されている。日中「つばめ」の運行されない熊本駅 - 鹿児島中央駅間では、毎時2本運行の「さくら」のうち1本が同区間の各駅に停車して「つばめ」の代替となっており、新八代駅 - 鹿児島中央駅間の各駅と「さくら」の大半が通過する筑後船小屋駅・新大牟田駅・新玉名駅などの相互間を利用する乗客の利便性を図るため、上述の「さくら」が熊本駅で「つばめ」と接続するダイヤとしている。同じく、九州新幹線内を運行する「みずほ」「さくら」は山陽新幹線と相互直通運行を実施しているが、「つばめ」は山陽新幹線には乗り入れておらず、九州新幹線内でのみ運行されている。2012年3月17日のダイヤ改正で、熊本駅発新下関駅行き上り列車1本、鹿児島中央駅発小倉駅行きの上り列車1本の計2本で山陽新幹線に乗り入れる「つばめ」が設定された。この時、「つばめ」が定期列車として本州の路線に乗り入れるのは、1975年に岡山駅 - 西鹿児島駅(現在の鹿児島中央駅)間の特急「つばめ」が廃止されて以来37年ぶりであった。2013年3月16日のダイヤ改正で定期列車の山陽新幹線への乗り入れはなくなり、再び九州新幹線内でのみの運行となった。博多駅では日中に山陽新幹線の「のぞみ」と、早朝・夜間は「こだま」と接続している。号数は、運行区間別に割り振られている「こだま」や「さくら」と異なり、運行区間にかかわらず300号 - 359号の連番が与えられている。山陽新幹線に乗り入れていた当時は、山陽新幹線内でも各駅停車として運行され、「みずほ」「さくら」と同様、号数は両新幹線間で通した番号が使用されていた。山陽新幹線に乗り入れる「つばめ」は、「みずほ」「さくら」と同様N700系(8両編成)が使用された。なお、「つばめ」では車内販売の営業は行われない。車両は800系、およびN700系(8両編成)が使用されている。800系は「つばめ」の運行開始当初から使用されており、現在も「つばめ」の大半で使用されている。九州新幹線の全線開業以前は「つばめ」が唯一の列車愛称であったことから、800系の車体には「つばめ」としてのみ運行することを前提とした標記が多く描画されていた。その後、2011年3月12日の九州新幹線全線開業によって「さくら」としても運行されることとなり、前述の標記は新しいものに変更することがJR九州より発表され、2011年1月に新標記の編成が運行を開始した。現在は全編成が新しい標記に変更されている。N700系(8両編成)は主に山陽・九州新幹線直通の「さくら」「みずほ」などで運用されているが、通勤・通学時間帯などを中心に「つばめ」でも運用されている。JR九州の「つばめ」は、1967年10月から鹿児島本線で運行されていた特急「有明」のうち、西鹿児島駅(現在の鹿児島中央駅)発着列車を1992年7月に「つばめ」として分離したものが発端である。車両は「つばめ」の運行開始に伴い新製された787系電車が投入され、九州新幹線の部分開業までの約12年間に渡り、九州の南北を結ぶ鹿児島本線の基幹特急として運行されていた。1993年3月に、門司港駅 - 西鹿児島駅間で運行していた夜行急行「かいもん」を特急化した「ドリームつばめ」が、博多駅 - 西鹿児島駅間で運行を開始。使用車両は787系であったが、1995年4月から1996年3月までは783系で運行。1996年3月のダイヤ改正でのつばめの787系統一に伴い、「ドリームつばめ」も787系での運用となった。2004年3月に九州新幹線の新八代駅 - 鹿児島中央駅間が部分開業したことにより、「つばめ」は新幹線にその名を継承した。従来の特急「つばめ」は博多駅 - 新八代駅間に運転区間を短縮した上で、新たに新八代駅で新幹線「つばめ」と接続するシャトル列車としての役目を担うこととなり、この新幹線に接続する在来線特急列車を「リレーつばめ」とした。また「ドリームつばめ」は熊本駅以南を廃止した上で「有明」に編入し、川内~鹿児島中央間はドリームつばめの補完として快速列車(伊集院~鹿児島中央間は各駅停車)を新設した。「リレーつばめ」は、熊本駅以北では並行して運行されていた「有明」に対して一定の速達列車として位置していた。博多駅 - 新八代駅間で下り29本・上り31本運転され、早朝に門司港駅 - 新八代駅間で下り2本、早朝・深夜に熊本駅 - 新八代駅間で下り2本・上り1本運転されていた。号数番号は、下り始発列車を1号、上り始発列車を2号とせず、新八代駅で接続する「つばめ」と同じ号数となっていた。また、九州新幹線が暫定的な開業であったこともあり、新八代駅では「リレーつばめ」と「つばめ」が同一ホームに発着し、すべての「リレーつばめ」が「つばめ」と接続を行っていた。新幹線と在来線が同一ホームでの乗り換えというのは、日本では初めてのことであった。九州新幹線の部分開業以来「つばめ」は線内唯一の列車として運行されてきたが、2011年3月12日に九州新幹線が全線開業することに伴い、速達列車の名称は新たに設定された「さくら」と「みずほ」が担うこととなった。以降「つばめ」は九州新幹線内の各駅停車として運行され、また「リレーつばめ」は2011年3月11日をもって運行を終了した。列車番号は当初末尾が「F」だったが、2010年3月改正より山陽新幹線との直通運転の準備のため、東海道・山陽新幹線と同じ「A」に改められ、番号は号数+5000となった。全線開業後は九州新幹線内のみを走行する全列車(新下関駅発着の「さくら」を含む)にこのルールが適用されている。新八代 - 博多間開通以前も、800系電車によって運転されていた。ただし、指定席・自由席の配置が異なっていた。リレーつばめには787系電車が使用されていた。グリーン車は座席指定席で、編成中1両または2両連結されており、67号以外ではコンパートメント席(4人用×1室)・DXグリーン席もある。普通車は座席指定席と自由席が設定されており、このうち67号以外の4号車はボックスシート(4人用×6室)の設定もある。なお、2007年(平成19年)3月18日改正より、全列車全車両が禁煙車になった。DXグリーン席は3席あり、グリーン車の運転席側に設けられていた「トップキャビン」(6席)を改造したもので、2005年10月から使用を開始した。およそ1年かけて、全車両への改造工事が行われた。なお、改造工事中に本来の「リレーつばめ」の編成が足りなくなった際には、「有明」用の6両編成に「リレーつばめ」の車両を1両組み込んだ7両編成や、「有明」用の4両編成を2編成連結した8両編成で運行されることもあった。なお、後者に関しては2007年3月18日より、下りの最終「リレーつばめ」(67号)がこの編成で運行されていた。列車の運行状況によっては5・9・10号車は指定席となることもあった。また、上り列車の久留米駅 → 博多駅間、1・3号の門司港駅 → 博多駅間では、2号車を除く普通車指定席の空席について、自由席特急券で乗車可能の特例が設けられていた。787系電車の開発にあたっては、「つばめ」にふさわしい格式を与えることが目標とされた。1970年代以降在来線では新規形式の食堂車が途絶していたが、本系列では久方ぶりの食堂車形式として半室ビュフェ車サハシ787形が登場した。また、往年の「つばめガール」を彷彿とさせる女性乗務員つばめレディが搭乗し、グリーン車へのシートサービスも行われた。「リレーつばめ」新八代行きでは、行先表示・構内や列車内では、鹿児島中央行きで案内されていた(ただし、新八代駅到着時に行先表示器は「新八代行き」の表示になっている。また、災害などで新幹線がストップした時などにも、同様の扱いとなる場合がある)。「リレーつばめ」が停車する各駅では、「この列車は、新八代駅で新幹線つばめ号鹿児島中央行きに接続しています(停車駅の案内は、在来線停車駅のみ説明する)。」との放送されていた。「つばめ」新八代行きも「リレーつばめ」に接続する列車は、行先表示・構内や列車内で「リレーつばめ」の終着駅で案内されていた(ただし、新八代駅到着時に行先表示器は「新八代行き」の表示になっている。)。「つばめ」が停車する各駅では、「この列車は、新八代で○○行き特急リレーつばめ○号に接続いたします(停車駅の案内は、新幹線駅→在来線駅両方説明する)」と放送されていた。当時「リレーつばめ」と「つばめ」の特急券は一枚で発行することができ、利用者の利便を図っていた。両列車の博多駅 - 鹿児島中央駅の指定席特急券を同時に購入した場合、基本的に両列車同じ号車・席番を発券するシステムとなっていた。この「つばめ」と「リレーつばめ」の両列車にかかわる特急券制度についての正確な内容は、九州新幹線に関する乗り継ぎ料金制度も参照。
出典:wikipedia
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