新紀元 (しんきげん) は1905年11月から1906年11月の間に発行されていた社会主義月刊誌である。1905年10月の平民社解散を受けて、1905年11月10日に創刊号が発行された。『新紀元』はキリスト教的社会主義の立場をとる改革派の機関誌であり、その編集に携わったメンバーには、安部磯雄、片山潜、石川三四郎、木下尚江がいる。普通選挙の実施を唱え、議会政策を通した社会主義改革の推進を主張したことで知られる。創刊号には内村鑑三からの熱烈な祝辞が寄せられた。『新紀元』の特徴はその人道主義的世界観であり、社会主義に対する考え方は精神主義的、かつ高度に個人主義的であった。『新紀元』はたびたびキリスト教をテーマとした特集を組み、天使や光輝く十字架の図柄を表紙に使用したり、「聖母マリアの革命思想」と題した記事などを掲載したが、その一方でキリスト教に対する批判も掲載した。1906年2月、『新紀元』のメンバーは唯物論派の『光』のメンバーとともに日本社会党を結成し、再建された日刊平民新聞に合流した。他の左翼的、自由主義的メディアと同様、『新紀元』もまた発売頒布禁止など政府の弾圧の対象となった。『新紀元』は通算13刊が発行された。また、日本社会党は結党大会後まもない1907年2月の結社禁止命令によって解散を余儀なくされた。『新紀元』の内容は、1961年に明治文献資料刊行会が発行した史料集の一つに収録されている。

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