クラウス・カール・ヒュプラー（, 1956年 - ）は、ドイツの現代音楽の作曲家、音楽学者。以前は"ヒュープラー"と表記されたことがあったが、ヒュの音は短音。1956年、ミュンヘンに生まれる。ペーター・キーゼヴェッターとブライアン・ファーニホウに師事するかたわら、音楽学も平行して学び現在も古楽関係の仕事をしている。40分以上にも及ぶ「無伴奏ヴァイオリンソナタ」でデビュー後、次第に新しい複雑性に共鳴してダルムシュタットでクラーニヒシュタイン音楽賞を順当に受賞、活発な創作活動を行うと思われた矢先、1991年仕事中に急に倒れ意識不明の重態に陥った。医師から助かる見込みはゼロとの宣告を受けたが、1995年になんとか復帰した。作品はパラメータの解体と新たな生理の獲得からか、ヴァイオリンに対して13声部を与える極限的な要求（弦楽四重奏曲第3番）の割には、非常に物静かな印象を与えるものが多い。ファーニホウの複雑性は激高的な性格を含んでいるが、ヒュプラーの場合は、どこまでも内的に掘り進められることが多く、復帰後もその印象は維持されている。現在も極限的な要求で名高く、指揮者のシルヴァン・カンブルランはあまりの複雑さに演奏を放棄し、その一部始終が新聞に投書された（代役はハインツ・ホリガー）。但し、現在では作品を完全に演奏できる演奏家も出現している。微細な変化が与えられつつ、物静かに時間だけが推移する性格は変わっていない。その追求からか、ツィターやリュートなどの楽器を手がけつつある。2009年に入り、復帰後の作品を含むCDリリースが行われたが、そこにも2000年代の作品は一切含まれていないために、現時点では彼の新作はライブでしか聴くことが出来ない。しかし、出版活動は好調でトレメディア音楽出版社から新作が出続けている。

出典:wikipedia