和歌山出会い系サイト強盗殺傷事件(わかやまであいけいサイトごうとうさっしょうじけん)は、2002年7月に起こった強盗殺人・強盗殺人未遂事件である。主犯は和歌山県打田町古和田の会社員・自称国際派モデルの女(2002年当時24歳)で、実行犯は和歌山市岩橋の無職の男性(当時32歳)である。女は容姿端麗で明朗快活、高等学校在学中の18歳で結婚し、2人の子供がいた。しかし夫が浮気したことから離婚し、子供たちを連れて実家に戻った。しかし子育てを母親任せにして自らは新たな男性を探すことに奔走する。そして出会い系で知り合った相手が、後に実行犯となる男性であった。男性は女に夢中になり、結婚を申し出るまでになる。しかし女は「自分の親は暴力団の組長である」と嘘を告げ、「父に結婚を認めてもらうためには組への登録料が必要で、毎月20万円出してほしい」とした。女は男性が自分に夢中であることを逆手に取り、金を貢がせようとしていたのである。さらに女は「組員が死んで香典がいる」などあることないことを持ちかけて、次々と金を搾り取っていく。男性は自らの生活を切り詰めて懸命に貢いだが、遂に貯金が尽きてしまった。そのため、闇金に手を染め始めたが、これが原因で自動車販売会社から解雇され、窃盗などの犯罪にも手を染めていく。女にとって、実行犯の男性はあくまで金を貢がせるための存在でしかなく、実は出会い系を通じて別の大阪府の会社員男性(当時24歳)と知り合っていた。女は自らを国際派モデルと称し、男性が貢いだ金で男性と豪遊した。男性との関係は順調に進んでいたが、この男性には姉(当時27歳)がいた。その姉は心臓が弱い病弱な女性だった。女は男性とその姉の3人で遊ぶようになる。しかし男性と結婚すれば、病弱な姉の面倒も見なければならないことに嫌気がさすようになった。そこで女は自分の兄だという小鉄と名乗る架空人物、つまりは第三者を装い、電話で自分の気持ちを男性に伝えようとした(女はプライドが高く、自分の気持ちを素直に伝えることができなかった)。ところがひょんなことから、この小鉄と電話で話していくうちに姉が小鉄を気に入り、会いたいと言い出すようになってしまった。女は小鉄役を男性に演ずるように指示し、さらに姉を殺して死体を始末し金銭を強奪するように指示した。勿論、演じたら結婚する、と甘い言葉を述べてのことである。7月7日、女は姉に対し、小鉄に扮した男性を出会わせた。そして女は男性と、実行犯の男性は姉と別々にドライブすることになった。男性はドライブの途中で姉の首を絞めて殺害。さらにその遺体を高野山中でガソリンで浸し、半日をかけて焼き尽くした。奪った金額は3万5000円しかなく、そのうち女はガソリン代5000円を抜いた3万円を男性に渡した。焼いた遺体は和歌山市内に持ち帰り、市内の橋から川に捨てた。殺害までしたにも関わらず、わずか3万5000円しか得られなかったことに女は憤慨し、「1人殺すも2人殺すも一緒だろ。金を新たに用意しなさい」と新たな強盗殺人を指示する。そして7月13日、男性は以前勤めていた自動車販売店を襲い、社長(当時48歳)をサバイバルナイフで刺した。社長は重傷を負ったが、一命は取り留めた。社長の証言により、男性は強盗殺人未遂の容疑で逮捕。共犯として女も同容疑で逮捕された。その後、警察の追及で余罪が次々と明らかになり、空き巣や車上狙いなど5件の窃盗罪をはじめ、姉に対する強盗殺人と死体損壊・遺棄から銃刀法違反、建造物侵入、そして女には男性に県外への逃走を勧めていたとされる犯人隠避の容疑でも起訴されている。裁判が始まる前、男性は弁護士に対して「僕は生きていていいのでしょうか」という手紙を綴っている。1審の和歌山地裁で検察側は「遊ぶ金欲しさに平然と人命を奪った。犯行は凄惨かつ猟奇的で犯罪性向が根深く、矯正は不可能。遺族らの処罰感情も激烈だ」として、両被告人に死刑を求刑した。弁護側は死刑回避を求め、2004年3月22日の判決公判で両被告人に無期懲役判決を下した。検察側は死刑回避を不当として、弁護側は被害者が1人であることから量刑不当としてそれぞれ控訴し、2005年1月11日の大阪高裁における控訴審判決で那須彰裁判長は「被告は遺族に手紙を出すなど謝罪しており、更生の可能性がある」(ただしあまりにも短絡的な犯行で死刑にも値するとされた。控訴審でも検察の求刑は両被告人に死刑)として、検察側・弁護側の控訴を共に棄却した。男性は上告せず、判決が確定。女は上告した。女の上告は2005年12月12日に最高裁で棄却され、無期懲役が確定した。
出典:wikipedia
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