鶏林州都督府（けいりんしゅうととくふ）は唐朝が新羅の版図に設置した統治機関。都督府制度は唐が周辺の国々を征伐した後、征服した国に設置した統治制度である。高句麗と百済が唐朝により滅亡すると、旧高句麗に安東都護府、旧百済に熊津都督府、新羅に鶏林州都督府を設置し、朝鮮半島全域を藩属国から羈縻州へと変更された。660年、唐朝が百済を滅ぼすと、百済の故地に熊津都督府など5都督府を設置、後に新羅には鶏林州都督府を設置し、下部に州県を設置して羈縻州とした。都督には新羅の文武王が任じられている。その後16名の新羅王が鶏林州都督に任じられたが、安史の乱が発生すると平蘆節度使が山東半島へ移され淄青平蘆節度使と改称されると、節度使が鶏林州都督府を兼任するようになった。実際には670年ころから新羅による反唐運動により、百済、高句麗遺民勢力を糾合し唐朝勢力を朝鮮半島南部より駆逐、統一新羅として独立しており、鶏林州都督府は早い時期から名目的な存在となっていた。

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