消防吏員(しょうぼうりいん)は、市町村の消防本部に勤務する消防職員のうち階級を有する者をいう(東京都特別区(旧東京市の区域)においては、消防組織法第26条ないし第28条の定めにより、都として消防本部(都庁の下部機関の東京消防庁)を設置している)。消防吏員とは消防本部に勤務する消防職員のうち、消火・救急・救助・査察などの業務を行う者である。「吏員」という言葉が現在では一般になじみがないため、「消防士」が俗称として用いられたり(制服警察官全般が「お巡りさん」、私服警察官全般が「刑事さん」と呼ばれるのと同様の現象)、警察官や自衛官との類推から「消防官」という呼称が当局の公式な文書(例として消防本部の職員募集ポスター)でさえ使用されることもあるが、法律上の正式な身分呼称は消防吏員である。一般的には消防職員の事をすべて消防士と呼ぶ場合が多いが、日本においては正しくは消防本部に勤務する公務員は消防職員であり、その中で消火・救急・救助・査察などの業務を行う者が消防吏員でその消防吏員の一番下の階級が消防士である。消防本部の長たる消防長は行政規模や人口、消防吏員の員数によりその階級が異なり、東京都特別区の消防総監をはじめ、政令指定都市などでは消防司監や消防正監が多い。通常の市町村では消防監以上が消防長となる。消防長は消防本部管内の消防署を統括し、消防署は消防本部の指令を受けて消防署長(大隊長)の指揮の下、消防署総務・警防・予防各課と消火隊・救急隊・救助隊(レスキュー隊)の各隊により消防行政及び火災救急の任務が遂行される。自治体に吏員として採用されると、まず各都道府県に最低一つある消防学校に送り込まれ、ここで半年掛けて研修を受けることになる。消防団員との違いが理解されにくい面があるが、消防吏員が消防業務に専門的に従事する正規(常勤)の一般職地方公務員なのに対して、消防団員は普段は別の仕事を持つ地域住民の志願者より採用される非常勤の特別職地方公務員(いわばアルバイトまたはパートタイマー)である。消防吏員の階級は、消防組織法に基づき消防庁長官が定める消防吏員の階級の基準(昭和37年消防庁告示第6号。旧題名の「階級準則」が広く通用)を参考として、市町村の規則(東京消防庁にあっては東京都規則)によって定められており、1968年の改正により現行制度となった。この階級準則による消防吏員の階級制度は、最高位の消防総監から消防士までの10階級が定められている(偶然だが警察官の階級と、担当出来る職階までも完全に対応している)。消防吏員の階級が上がることを昇級という(消防団員の場合は補職)。消防本部の最高位者を消防長というが、消防庁の階級基準に沿って、消防本部の規模に応じて消防長の階級が決められている。例えば人口10万人未満の消防本部の消防長は、消防司令長の階級とされている。しかし、消防庁の基準は単なる参考に過ぎないので、ほとんどの場合、消防司令長より1階級上の消防監としているが、近年政府の指導が入った事によりこういった事例は減少している。消防吏員はあくまで地方公務員であり、主に市町村(あるいは一部事務組合、広域連合)の職員として採用されるが、東京消防庁の場合は東京消防庁が採用を行う都の職員となる(東京消防庁は東京都庁の内部機関で特別区23区を所管し、島嶼部及び稲城市を除く多摩地区各市町村の消防事務を委託されている)。警察消防時代"吏員"1962年に現行制度へ消防総監は東京消防庁の長、すなわち東京都特別区消防長の職名でもあり、その職にある消防吏員にのみ付与される階級である。消防組織法と旧警察法が施行される前、消防は警察の一部署であった。消防総監の職は本来、東京都の消防本部の責任者である消防本部の長(消防長)という位置づけだが、敗戦後の占領中に、GHQから警察と消防は同格であるべきで、警視庁のトップが警視総監なのに東京消防庁の長が消防本部長ではおかしいという指摘がなされ、消防総監という階級・職名になった。よって消防総監は警視総監と同様に役職名と階級名が一致している。消防総監は通例として全国消防長会の会長も務める。消防署長の階級は消防監ないし消防司令長とされるが、消防監の任用が多い。また副署長ないし課長は消防司令長、担当課長ないし係長は消防司令、主任は消防司令補の階級の者が任用されることが通例とされる。ちなみに消防吏員の階級においては消防司令を上級幹部(警察官上級幹部は警部相当、消防団上級幹部は団長ないし副団長相当)、消防司令補を中級幹部(警察官中級幹部は警部補相当、消防団員中級幹部は分団長ないし副分団長相当)、消防士長を初級幹部(警察官初級幹部は巡査部長相当、消防団員初級幹部は部長ないし班長相当)としている。しかし、消防吏員のうち幹部と称するのは、消防司令補以上を指すのが通例である。常備消防の担い手である消防吏員は常にローテーションで交代しながら常に緊急時に備えている。しかし、消防にかける予算・人員には限りもあり、平時は消防署と並列関係にある消防団と連携する場面もある。大震災など大きな有事の際は消防団が消防長・消防署長の指揮下に入るため、消防吏員が地域住民により編成された消防団員を指揮して消防・救急にあたる場合もある。アメリカの消防は火災に係る犯罪の調査官には警察官と同様の捜査権や逮捕権を与えているが、日本の消防は放火・失火で発生した火災に対する消火活動を行うことはできても、放火・失火容疑者を逮捕する権限は現行犯を除き無い。同様に日本の消防が火災鎮火後に行うのは調査であり捜査ではない。(→関連項目「アメリカ合衆国の警察」・「行政警察」・「特別司法警察職員」参照)また、消火活動は完全に消防のみが担当する職務(唯一の例外は皇宮警察)であるが、救助活動については警察の担当する領域と職務上重なり合う部分がある。消防吏員に対する表彰は、主に消防庁長官表彰をはじめ、消防本部を設置する市町村による表彰、消防本部の長たる消防長、消防署長表彰、その他の表彰がある。以下にその代表例を記す。※消防本部、消防長、緊急消防援助隊の規定についてはそれぞれの項目参照のこと。(関連部分抜粋)(関連部分抜粋)(関連部分抜粋)(関連部分抜粋)
出典:wikipedia
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