


ウォルサム・フォレスト・ロンドン特別区(―とくべつく、)は、イングランドのロンドン(グレーター・ロンドン)北東部に位置する特別区で、アウター・ロンドンの一角をなす。近年は宅地開発が進む一方で、東部のエッピングの森と西部を流れるリー川との間には森林、貯水池、オープン・スペース、公園、運動場などが整備されている。よくグレーター・ロンドンの外郭に位置するエッピング・フォレスト地区と混同される。この地では石器時代の史跡が多数発見されており、点在するローマの遺跡は往時この地が重要な拠点だったことを物語る。特別区自体は1963年に制定されたロンドン行政法に基づき、1965年にチングフォード(エセックスからグレーター・ロンドンに編入)、レイトン、ウォルサムストウの各自治都市が合併し誕生した。区名はエッピングの森の別名、ウォルサムの森(Waltham Forest)にちなむ。1878年にはエッピングの森法が制定されたが、その後も3自治都市周辺で開発が進んだ。現在ではシティ・オブ・ロンドンとエッピングの森の間に位置する区の大部分が開発され、都市部になっている。人口は北部のチングフォード、行政機関や議会が置かれる中部のウォルサムストウ、南部のレイトンとレイトンストーンに集中している。イングランドで5番目、ロンドンではニューアムとタワー・ハムレッツの各特別区に次ぐ3番目のムスリム人口を有する。長年国内のチャートに入るイースト17やブレイジン・スクワッドの拠点で、グライム音楽の発祥地でもある。この特別区出身のグライムアーティストにはモア・ファイア・クルー、リザル・ビスル、ニーコ、ジャマー、オジーBなどがいる。ウィリアム・モリスのアート・アンド・クラフツ運動も盛んで、今でも多くの現代アーティストや芸術団体が支援を受けている。主な支援団体としてはルロイド・パークのチェンジング・ルーム・ギャラリーを拠点とする北東ロンドン独立アーティスト(NELIA)がいる。毎年E17アート・トレイルという大規模イベントが開かれ、オープンスタジオや展示会などが開かれる。スティッキズム芸術運動の始祖であるイーモン・エヴァラールは長年この地で暮らし、スタジオを一軒所有している。2005年に「今年のウェールズ人アーティスト」に選出されたサリー・ムーアもここの住人である。ルロイド・パークのウォルサム・フォレスト・シアターは資金難のため近々取り壊される予定で、存続を求める住民運動が行われている。かつてはパスカル・プティ、ジャクリーヌ・ギャビタ、メリル・パフなどの詩人が暮らしたほか、アイスリング・フェイヒー、ロブ・オートン、デイヴ・ブライアント、ジョエル・タイラー、デイヴィッド・フロイド、エマ、ハモンドといった詩人もゆかりがある。ウォルサム・フォレストは2012年のロンドンオリンピックで会場となる予定の5特別区のうちの1区で、レイトンのイートン・マナーはオリンピック公園の北部になる。既存のスイミングプールのうち、競泳が3ヵ所、シンクロが1ヶ所、水球が1ヶ所オリンピック用のトレーニングプールになる予定。パラリンピックではイートン・マナーが1万500人を収容できる車いすテニス会場になる。A12号線に沿ってロンドン地下鉄のセントラル線が区の南部を通っており、レイトン駅とレイトンストーン駅が置かれている。区の中心部にはヴィクトリア線が通り、ウォルサムストウ・セントラル駅とブラックホース・ロード駅の二駅がある。ロンドン・オーヴァーグラウンドのゴスペル・オーク・トゥ・バーキング線も通り、ウォルサムストウ・クイーンズ・ロード、ブラックホース・ロード、レイトン・ミッドランド・ロード、レイトンストーン・ハイ・ロードの四駅がある。イギリス国鉄東アングリア社のリー・ヴァレー線も区内のジェイムズ・ストリート、ウォルサムストウ・セントラル、ウッド・ストリート、ヒッガムズ・パーク、チングフォードの各駅に停車する。役所の隣に治安判事裁判所があるが、公費削減のため近々廃止される。チングフォード、レイトン、レイトンストーン、ウォルサムストウとウォルサムストウ中心街の5箇所に警察署があるほか、あちこちにパトロールセンターが置かれている。通りの警備強化も図られている。ウォルサム・フォレストはイギリスのアート・アンド・クラフツ運動の主導者であるウィリアム・モリスの生誕の地である。アート・アンド・クラフツ以外でも、モリスは壁紙や織物のデザイナー、詩人、フィクション作家、社会主義者でもあった。その他、この地にゆかりのある人物や団体には元サッカーイングランド代表キャプテンのデイヴィッド・ベッカム、テレビドラマ『この私、クラウディウス』で知られるデレク・ジャコビ、元クリケットイングランド代表キャプテンのグラハム・グーチ、映画監督・プロデューサーのアルフレッド・ヒッチコック、ヘヴィーメタルバンド『アイアン・メイデン』、女優のリタ・シモンズなどがいる。TSエリオット詩文学賞を2度受賞した詩人のパスカル・プティもウォルサムストウで暮らした。
出典:wikipedia
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