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空気系

空気系(くうきけい)若しくは日常系(にちじょうけい)とは、主にゼロ年代以降の日本のオタク系コンテンツにおいてみられる美少女キャラクターのたわいもない会話や日常生活を延々と描くことを主眼とした作品群。2006年頃からインターネット上で使われ始めた用語である。発祥元はブログとされ、その作品世界での「空気」を描いていることから空気系といわれる。空気系と日常系を別の作品傾向として使い分ける場合もあるが、本項では特に区別せず以下では空気系に統一する。セカイ系の対蹠に位置する。形式的な面では、「萌え4コマ」と呼ばれる萌えに重点を置いた4コマ漫画を原作とし、その後メディアミックスとしてアニメ化されることが多い。内容面では、空気系作品には以下のような傾向がみられる。オタク文化において空気系の流行以前に台頭していた作品類型としては、1990年代後半以降にアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』を嚆矢として出現したセカイ系と呼ばれる作品群があり、日常生活を描く空気系とは対照的な世界規模の危機などを扱っていた。1990年代後半からゼロ年代初頭にかけて、(成人向け)美少女ゲームの分野で作風や受容のされ方に変質がみられるようになる。もともと美少女ゲームでは、作中に登場する美少女キャラクターを「攻略」してポルノシーンを観賞するための手段として、そのキャラクターと仲良くなるための過程にあたる日常のシーンが存在した。しかし、1997年に発売された『To Heart』では、本来は手段であったはずの美少女キャラクターとの日常のやりとりのシーンがゲームの楽しみとして受容された。それ以降、『To Heart』のように美少女キャラクターとの日常会話などに主眼を置いた消費のされ方をする美少女ゲームが増えていき、このような傾向が、のちの空気系作品の作風に繋がっていった。1999年から、あずまきよひこによる4コマ漫画作品『あずまんが大王』の連載が開始された(2002年にテレビアニメ化)。絵柄そのものが「萌え系」である4コマ漫画はこの作品以前からも幾らか存在はしていたが、女子高生たちのまったりとした学園生活を描いたこの作品が「空気系萌え4コマ」というジャンルの嚆矢と考えられる。2003年から連載の始まった谷川流のライトノベルシリーズ『涼宮ハルヒシリーズ』はセカイ系の作品例として挙げられることが多いが、評論家の宇野常寛は空気系としての性質も合わせ持った作風と評価し、2006年に『涼宮ハルヒの憂鬱』として京都アニメーションによってアニメ化された際には空気系のテイストが強調されるという形になっていると述べている。京都アニメーションはこの作品のヒット以降、『らき☆すた』『けいおん!』といった空気系作品のアニメ化を積極的に行っている。ゼロ年代後半は、空気系が一種のブームとなった。2007年にアニメ化された美水かがみの『らき☆すた』は、セカイ系の流行が過ぎ去って「物語の語りにくさ」が指摘される中で、物語性を放棄して二次創作の意欲を喚起するような魅力的なキャラクターによる人気によって支持を得た。ただし、『涼宮ハルヒの憂鬱』『らき☆すた』の制作に関わった山本寛は、(『らき☆すた』のような)ネタ消費型アニメはその場しのぎのものと考えていて、今後は「物語の復権」の方法を模索する方向を目指したいと2009年の時点で発言している。この作品のヒットをきっかけに、空気系の作風はライトノベルの分野に伝播し、作品舞台を学校の生徒会室の内部のみにほぼ限定した葵せきなの『生徒会の一存』といった作品が登場した。2009年にはかきふらい原作の『けいおん!』がアニメ化、深夜帯放送にもかかわらず2010年に放送された第2期『けいおん!!』では最高視聴率4.5%を記録するなど人気を集め、関連商品を含む市場規模が150億円に達する大ヒット作品となった。本作が初監督作品となる山田尚子をはじめ、シリーズ構成の吉田玲子、キャラクターデザインの堀口悠紀子など中心スタッフを女性で固め、過度なセックスアピールを排したことで、性別や世代を問わず幅広い視聴層の支持を獲得した。(空気系作品の特徴である)男性キャラクターやドラマツルギーの排除が徹底的であったことがヒットの理由だとアニメ評論家の氷川竜介はみており、黒瀬陽平はこの作品を空気系の到達点であると評している。新聞記者の小原篤は、男性登場人物の少ない本作が性別を問わず人気を得た理由として、類型化されたアニメ的な美少女キャラクターとは異なる女性からみた女の子のかわいらしさが描写されていることに加え、男女それぞれの立場で恋愛の煩わしさを敬遠する社会の風潮が背景にあると述べている。このほかゼロ年後半以降には、空気系らしい舞台設定ながらもタイトルに反した奇怪な設定の多い『日常』や(空気系作品でよく描かれる女子高生ではなく)男子高校生の描写を中心にすえた『男子高校生の日常』といったように、空気系の定型を少し外した作品が登場している。2011年に発生した東日本大震災の影響について、宇野常寛は、悲惨な災害の反動から短期的には空気系の流行が続くだろうとの予測を示した。一方、社会学者の宮台真司は、2011年1月よりテレビ放送された『魔法少女まどか☆マギカ』が新たな人気の受け皿となった可能性があると述べ、気楽な日常ドラマが同震災後に支持を維持することは難しいと予想した。同作は従来の「魔法少女もの」の設定を逆用したといわれるハードな作風で大きな反響を呼び、第15回文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門大賞、第11回東京アニメアワード 優秀作品賞(テレビ部門)・監督賞(新房昭之)・脚本賞(虚淵玄)、第16回アニメーション神戸賞 作品賞(テレビ部門)、第43回星雲賞(メディア部門)など多数の賞を受賞した作品である。アニメ監督の新海誠は、震災によって衣食住がままならない現実を差し置いてアニメという娯楽表現を作ること自体に思い悩んだ結果、困難なときに様々な作品が心の助けとなった自身の経験を思い返し、迷いを振り切ったと述べている。2011年夏、「百合」と呼ばれる女性同士の恋愛ものを扱う漫画雑誌『コミック百合姫』に連載中の4コマ漫画『ゆるゆり』がアニメ化、テレビ放映された。アニメ愛好家のブログなどを通じて話題が拡散する形で徐々に人気が拡大、癒しを主眼とした日常系作品としての需要に加え、巧みなキャラクター設定と高度な作画、声優陣の活躍などが評価され、第17回アニメーション神戸賞 作品賞(テレビ部門)を受賞。2012年夏、『ゆるゆり♪♪』のタイトルで第2期が放送された。映画産業においては、震災の影響で落ち込んでいた映画観客動員数が回復傾向を見せる中、2011年12月に公開された『映画けいおん!』は、リアリティのある日常描写が幅広い層の共感を呼び、第35回日本アカデミー賞 優秀アニメーション作品賞を受賞、興行収入が19億円に達するなど商業的にも成功を収めた。映画というメディアの性質上、作品にスケール感を加味するという要請からロンドンを舞台としたエピソードが盛り込まれたが、放課後の部活動風景をはじめ些細な日常の中の青春譚を描くテレビシリーズの作風を踏襲し、「ファンタジーになることは避けた」と山田尚子監督は述べている。空気系作品の長期的な動向について、TBSのプロデューサーとして『けいおん!』シリーズなどのアニメ作品を手がける中山佳久は、日常の幸せをテーマとする作品は今後も支持されてゆくだろうと述べている。一方、文芸批評家の坂上秋成は、空気系が震災後すぐに廃れることはないとしつつも、大震災の影響や世界経済の不安定さから『魔法少女まどか☆マギカ』のようなストーリー性の強い作品の需要が高まってゆく可能性を示唆した。宇野は、空気系が一過性のブームを経て長期的には定番ジャンルのひとつに収束してゆくとの見通しを示しつつ、この一連の空気系作品のブームは、虚構の中の日常が強靱で魅力的なことの証明でもあると指摘した。宇野常寛はオタクという文化的トライブの外で同時期(ゼロ年代)にみられる空気系と同様の傾向として、部活動を題材とした一連の日本の青春映画作品群(矢口史靖監督・アルタミラピクチャーズ制作の『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』など)を挙げている。そこでは、純愛の成就や社会的に意義のある記録を打ち立てることではなく、部活動を通じて仲間と連帯することによる達成感が目的化している(アルタミラピクチャーズ・メソッド)。そして、この方法論に、「萌え」という要素を添加してオタク文化に取り込んだものが(狭義の)空気系作品と考えられるという。前述の矢口史靖監督作品では狭義の空気系と違って完全に異性キャラクターや恋愛要素が排除されているわけではないものの物語の中核には関与しないという形式がとられており、フォロワーともいえる類似した青春映画作品(『恋は五・七・五!』・『ブラブラバンバン』など)では同性だけのコミュニティというコンセプトは継承されていない。さらに、物語系コンテンツ以外にも、女性アイドルグループAKB48のヒットも一連の空気系ブームの流れに位置づけることができるという。このほか、宇野によればゼロ年代には空気系を自己言及的・批評的に捉えたメタ空気系ともいうべき作品がすでに登場しており、具体的にはテレビドラマ『木更津キャッツアイ』・『仮面ライダー555』・アニメ『Angel Beats!』・映画『リンダ リンダ リンダ』を挙げている。『木更津キャッツアイ』や『仮面ライダー555』では、無時間的な場所設定や物語性の希薄化などの空気系的な設定を用いながらも、いつかは死ぬ生身の身体の有限性という現実の残酷さを描いている。『Angel Beats!』はセカイ系と空気系の対立軸が打ち出されている面があり、『リンダ リンダ リンダ』では、広義の空気系の発想を純化し、矢口史靖監督作品にみられる物語をドラマチックにするための演出(周囲との対立など)も極力排除することによって批評性を高めた作品となっている。ゼロ年代後半の空気系アニメのヒットの象徴ともいえる『らき☆すた』や『けいおん!』は、日本のコンテンツ産業が2005年~2006年頃をピークに縮小傾向にある中でDVDの累計売り上げ枚数がそれぞれ30万枚・50万枚近くに達しており、主題歌・劇中歌の音楽CDなど他の関連グッズも含めて大きな商業的成功をおさめた。他方、これら一部の大ヒット作を除けば、空気系アニメのDVDは、DVD売り上げランキングにはほとんどランクインすることがなく、またテレビ放送時の視聴率の観点からみても(他ジャンルのテレビアニメと比較して)特別によい成績をおさめているわけではない。こういった事実にもかかわらず多数の空気系アニメが製作・放送される背景には、ランキング圏外程度の売り上げであっとしても収益率を考えれば十分に制作費を回収して採算がとれるという事情がある。また、21世紀初頭の日本のアニメビジネスでは、深夜アニメはその制作費の大半を(キャラクター商品の展開や広告収入ではなく)DVDの売り上げという形で回収するのが通例となっているが、セルDVDを多く売るためには「ストーリー性よりも萌えを重視したほうがよい」という定石があり、物語性を排除して多数の萌えキャラクターを効果的に配置した空気系アニメはそれに適した作品形態であるといえる。

出典:wikipedia

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