鉗子分娩(かんしぶんべん、、)は、補助経腟分娩の手法である。 現在用いられている産科鉗子は左右の2葉(左葉と右葉)に分解可能である。その形状の要素は、把手(handle)、接合部(lock)、鉗子柄(shank)、鉗子匙(blade)とこれらの複合が構成する児頭彎曲(cephalic curve)および骨盤彎曲(pelvic curve)である。俗に匙先端を爪先(toe)またはtip、匙と柄の移行部を踵(heel)と呼ぶ。形状要素の相異により個々の鉗子は特徴付けられ、それぞれ異なる使用目的に適合する。 比較的大きな児頭彎曲と軸牽引可能な骨盤彎曲を持つタイプである。エリオット鉗子はイングリッシュロック式であるが、日本国内では、フレンチロック式のネーゲレ(Nagele)鉗子が普及している。鉗子匙が無窓のタッカーマクレーン(Tucker-McLane)鉗子もよく用いられる。 シンプソン鉗子は比較的小さな児頭彎曲と軸牽引可能な骨盤彎曲を持つ。イングリッシュロックと平行な鉗子柄(parallel shank)が特徴的である。分娩遷延などによる応形児頭への装着を想定している。 小さい骨盤彎曲とスライディングロックを特徴とする。回旋異常の修正に好んで用いられる。 骨盤位分娩において、後続児頭娩出に用いられる特殊型の鉗子である。適応 明らかな胎児機能不全などにより、急速遂娩が必要となった場合に適応となる。 微弱陣痛、回旋異常、無痛分娩、母体疲労の場合に適応となる。要約禁忌慎重に実施 児頭下降度による分類 * Pajot-Saxtrophの手技鉗子分娩の利点鉗子分娩の欠点 鉗子分娩は吸引分娩よりも牽引力が大きく回旋異常にも対応できるため、吸引分娩では不可能な経腟分娩を完遂することができる。逆にこのことが欠点と関連しているが、吸引分娩と鉗子分娩は適応範囲が相同ではなく、児頭下降が中位以上、回旋異常など、より困難な分娩に鉗子分娩が選択された結果とも考えられる。後向きに結果をみて鉗子分娩のほうが危険だと結論することはできない。危険な補助経腟分娩は、吸引分娩であれ鉗子分娩であれ同様に危険なのであり、そのような状況では帝王切開を考慮する。中位以上の鉗子分娩では母児の合併症頻度が上昇するため、中位鉗子は慎重に適応を考慮する。帝王切開が比較的安全に施行できるようになったため、高位鉗子は現在の医療状況下では原則として行われない。 実態は不明であるが、日本国内では鉗子分娩を実践している医療機関は次第に少なくなり、補助経腟分娩の手段としては吸引分娩が選択される場合が多くなっている。理由としては以下が考えられる。 前述のとおり、鉗子分娩が吸引分娩よりも危険というのは誤りであるが、医学的判断と司法判断は別物である。結果として母児の損傷が起きた場合には、法廷において因果関係を問われる可能性があるため、特に十分な経験のない医師の場合には鉗子分娩を行わないという選択があり得る。 鉗子分娩手技の習得のためには、指導医の下での多くの経験が必要であるが、鉗子分娩を行っている医療機関自体が少ない、指導体制が整備されていない、そもそも指導医がいないなどの理由で、若手医師がトレーニングを受ける機会が次第に少なくなっている。指導者が育たないため、鉗子分娩がますます減少するという悪循環に陥っている。
出典:wikipedia
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