本項ではチリ国鉄(EFE)に在籍していた電車について記述する。チリ国鉄の広軌(1676mmゲージ)路線は同国のバルパライソ州(第5州)以南を首都サンティアゴ・デ・チレ(以下サンティアゴとする)をはさんで南北に結んでいる。そのうち第8州までは一部が電化されている。電化された時期が戦前でも1920年代と比較的後発だったために、架線電圧は直流3000Vとなっている。チリでの鉄道における旅客輸送の大部分は、現在は電車によって行われている。なお、チリ国鉄は今は施設の保有と開発を担当する機能だけを残しており、鉄道の運営はいくつかの子会社により行われるようになった。1973年に日本から24両が輸出された特急電車である。川崎重工業で16両、日立製作所で8両が製造された。後述するAELとともに、輸出の仲介役となった商社である日商岩井(当時)が現地ではメーカー名だと誤解される場合がある。編成は日本国有鉄道式にいうとMc+T+T'+Mcの4両編成で、T'車はバーつきサロン車となっている。座席は日本の国鉄電車のグリーン車並みの5段リクライニングシートで、足掛けもついている。サロン車には本格的な厨房もあり、また同車の客室には座席が向かい合う中央に取り外し可能なテーブルを設置できる。客室側面の窓は二重の大窓で、ベネシャンブラインドを内蔵する(ただし末期には撤去された)。水洗便所は循環式である。客室天井の蛍光灯はグローブに覆われているが、予備の白熱灯を備えており、夜行列車での運用にも適応する。前面窓上部には竣工当時には方向幕があり、広報用の写真にはバルパライソの字幕を出しているものもあるが、サンティアゴとバルパライソとの間には現在は旅客列車は運行されていない。方向幕は後に埋められてそこに編成番号が表記されるようになった。気笛は低音かつ和音のホーンである。パンタグラフは菱形の大柄なものが両先頭車に各1基取り付けられているが、普段は進行方向の1基のみ上げて使用する。コイルバネ式の台車は、電動台車の場合重量が1台10tを超えるというもので、剛性は高い。広軌のスペース上の制約ゆえか、揺れ枕吊りが台車枠の内側にある。2001年にはサンチャゴとチヤンの間の軌道改良が完成し、本来の乗り心地を取り戻したが、同じ頃UTS-444が導入されてからは、しばらくは主に夜行列車に充当された。何度か車体改修を経ている。夜行列車も廃止になると予備車の扱いとなり、2010年には営業運行を退いた。AEZと前後する1972年に日本から32両が輸出された中距離用通勤電車である。川崎重工業で20両、日立製作所で12両が作られた。編成はMc+T+T+Mcの4両で、車内はビニールレザー張りのセミクロスシートだが、クロスシートの部分は転換式となっている。天井の蛍光灯はグローブつきである。乗客用の側扉は両開きの自動ドアだが、片側に中間車には2箇所、先頭車には後位寄りに1箇所ある。2001年ごろには残存車はUT-440に追われ、ビオビオ州(第8州)のコンセプシオン近郊で運用されるようになった。AEZと数値が共通の項目は省略する。スペイン国鉄(RENFE)にかつて存在した444系特急電車()を改造して購入したもので、6編成がある。編成はMc+R+Rc(Rはスペイン語でRemorque、付随車の意)からなる3両編成で、Rc車はサロン・プレフェレンテと呼ぶ上級車室であり、客席は個別テーブルつきの1-2人掛けシートである。同車にはバーカウンターを備える。他車は2-2人掛けシートであるが、座席の向きは集団向かい合わせ式で固定されている。。便所は真空式である。列車にはというブランド名が与えられ、主としてサンティアゴ中央駅(アラメダ駅)とタルカ駅との間で運用されている。スペイン国鉄の440系近郊電車を、本国の車体更新車とほぼ同様の外見で改造し購入したもので、2両編成と3両編成とがある。車内は2-3人掛けのクロスシートで、スペイン本国のような2等級制にはなっていない。冷房装置は新たに床下に搭載された。1999年から投入され、主にチリ国鉄の子会社であるTMSAの手によりとの愛称でサンチャゴ中央駅と、第6州のサンフェルナンド駅との間(この区間は北側の一部が複線になっている)を結んでおり、またビオビオ州向けに追加で購入されたものは前面デザインに差異が見られる。同州の近郊電車は現在はと称されチリ国鉄の子会社であるFESUBにより運営されている。なお、バルパライソ近郊線(現在のMerval)に配置されたUT-440は2005年までに他に転出している。UT-440の車両としての動力性能についてはUTS-444とほぼ同格なので割愛する。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。