コモチカナヘビ(子持金蛇、"Zootoca vivipara")は、有鱗目カナヘビ科コモチカナヘビ属に分類されるトカゲ。本種のみでコモチカナヘビ属を構成する。ヨーロッパおよびアジアに広く分布しており、トカゲ類の中では最も分布域が広い。分布はメキシコ湾流が北部まで達し比較的温暖である北極圏北部の北ヨーロッパにまで及び、トカゲ類の中では最も北部に生息する種となっている。また、アイルランドや北海道、サハリンなどにも分布する。地中海地方の大部分には分布しないものの、スペイン北部、イタリア北部、セルビア、マケドニア共和国やブルガリアなどにも分布する。また黒海周辺地域には分布しない。日本国内では北海道のサロベツ原野から猿払原野にかけて生息している。頭胴長は最大12cm、通常は5.5-7.5cm程度で、全長は12-18cmになる。尾長は頭胴長の1.25-2倍であるが、尾は自切を行うためしばしば部分的、もしくはほぼ全部を失っている個体がある。頭部は小型で、丸みを帯びる。大腿部にある小さい孔の空いた鱗(大腿孔)の総数は10-30。オスはメスよりもほっそりとしている。首や尾は厚みがある。頸部や他の鱗はぎざぎざとしている。日本国内に生息するカナヘビ類では頭胴長では大きい部類である。四肢は短い。本種の体色は多種多様である。主な体色は褐色であるが、灰色、オリーブ褐色や黒色になることもある。メスはしばしば濃褐色の条が、脇腹や背面後部に見られることがある。また、淡色の条で濃褐色もしくは淡褐色の斑が背面の両脇にあることもある。大部分のオスおよび一部のメスは腹部に濃褐色の斑がある。オスの腹部は通常黄色かオレンジ色、稀に赤色の鮮やかな色をしている。メスはより淡く、腹部は白色である。のどは白色で、ときおり青みを帯びた個体もある。4亜種に分かれる。南部に生息する個体群は、アルプス山脈の3000m以上の高標高地に分布する。水辺の草原や森林、湿原などに生息し、湿度の高い場所を好む。北部の個体群は疎林や牧草地、原野、ヒース、湿地帯、砂丘、岩石地帯、道路脇、生け垣や庭等を含む、より乾燥した低地で見ることができる。地上性であるが、石や倒木、低木植生などに上ることもある。食性は動物食で、昆虫、クモなどを食べる。大きな獲物は咀嚼し飲み込む前に口の中で振り回す。昼行性で、早春や晩秋、夏の寒い日には体温が活動に最適な約30度になるまで、日光浴を行う。繁殖期は4月から5月にかけて。オスは交尾の前にメスをあごで捕まえる。メスがオスに興味がなかった場合、激しくオスをかむ。子はメスの体内で約3ヶ月間発達する。繁殖形態は胎生だが、ピレネー山脈産亜種"Z. v. louislantzi"には卵生の個体群がいる。和名は繁殖形態に由来する。1回に3-15頭の幼体を産む。幼体は黒色で約3cmで、生まれたばかりの時は卵の薄膜に覆われており、数日後に剥離する。オスは2年で、メスは3年で性成熟する。卵生および卵胎生の個体群が混ざり合う地域の個体は雑種ができるが、胎児の奇形が伴う。北部の個体群は9 - 10月頃から、地中や倒木の下などで冬眠を行う。冬眠は2月中旬頃に終わる。南部の個体群は一年中活動する。
出典:wikipedia
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