ポスト・ディスコ（英：Post-disco）は、1970年代後期から1980年代初期まで続いたディスコ・ミュージックの死後に続いたポピュラー音楽史における重要な時代である。音楽の傾向は、DJやプロデューサーによって、ダンス・ポップやブギ、イタロ・ディスコに象徴されるようにより電子化、実験的なものだった。テクノとハウスはポスト・ディスコから定着した。ディスコ・デモリッション・ナイト以降、ディスコ・ミュージックはラジオ局からエアプレイを敬遠されるようになり、代わってレゲエ、パンク・ロック、ニュー・ウェイヴなどが演奏されるようになった。ディスコ・ミュージックの主流レーベルであるカサブランカ・レコード、TKレコード、RSOレコードは経営難に陥った。しかし、Hi-NRG、フリースタイル、イタロ・ディスコ、ブギーといった新しいスタイルにディスコ・ミュージックは分裂しながら生き残っていった。ポスト・ディスコへの転換点となるアルバムはマイケル・ジャクソンの『オフ・ザ・ウォール』（プロデューサー：クインシー・ジョーンズ）で、R&Bやダンス・ミュージックの方向を確立し、大勢の若いプロデューサーに影響を与えた。ファンク・バンドのパーラメント-ファンカデリックは、1980年代と1990年代に多くのポスト・ディスコとポスト・パンクの音楽を制作した。「ポスト・ディスコ」という言葉は、ベース・ドラムがないディスコ・ミュージックを定義するために、1984年にケイデンス・マガジンが初めて使用した。「ポスト・ディスコ」は、ディスコ・ミュージックの終わりからハウス・ミュージックの出現の間の時代の音楽ジャンルをオールミュージックが表現するときに使用される。ポスト・ディスコ時代に成功したレコードたち（大半はR&B、ポップ指向）2000年代にハウス・ミュージック・グループのダフト・パンクは、1980年代のポスト・ディスコ風アルバム『Discovery』（2001年）を発表した。他のハウス・アーティストであるレ・リズム・ディジタルは1980年代のポスト・ディスコに影響された。カナダの音楽グループクロメオは80年代ブギー・アルバム『She's in Control』で2004年にデビューした。『The Perfect Beats』シリーズ (Vol. 1-4) は、様々なアーティスト（イマジネーション、レベル42、アフリカ・バンバータなど）によるポスト・ディスコのコンピレーション・アルバムである ディスコ・ミュージックとは異なり、ポスト・ディスコは通常ハイハットによるビートやウォーキング・ベース、ストリングスはなく、ドラムマシン、シンセサイザー、シーケンサーによる4/4拍子を特徴としている。ソウルフルな歌声は、この新しい音楽に留まった。ポスト・ディスコは全くアンダーグラウンド・ミュージックではなく、マドンナ、ニュー・オーダー、ペット・ショップ・ボーイズなどのディスコ・ミュージックに対する新しい解釈によるキャリアである。ラリー・レヴァンは、彼自身のグループピーチ・ボーイズを含む様々なポスト・ディスコ・アーティストをプロデュース・リミックスする際、ダブの技術を使う。シナモンの「Thanks To You」、D・トレインの「You're the One for Me」、ピーチ・ボーイズの「Don't Make Me Wait」といったポスト・ディスコの曲達は、これまでにない新しい音楽スタイル（ハウス・ミュージック）だった。DJやミキサー、プロデューサーとして新しい音をつくった人達は、例えばアーサー・ベイカー、ラリー・レヴァン、フランキー・ナックルズ、シェップ・ペティボーン、カシーフである。ポスト・ディスコに続いたポップ・ロック、電子音楽、R&Bのミュージシャンは、例えばテレックス、D・トレイン、パトリース・ラッシェン、フリーズ、エムトゥーメイ、スカイ (バンド)、アンリミテッド・タッチ、カーティス・ブロウ、ウォズ・ノット・ウォズ、リキッド・リキッド、イマジネーション、ボビー・O、シャノン、コミコ、ザ・リミット、タイメックス・ソーシャル・クラブ、SOSバンド、シャラマー、シャカタク、インスタント・ファンク、ウィスパーズなどである。ポスト・ディスコのアルバムは、カノの『New York Cake』（1981年）、マイケル・ジャクソンの『スリラー』（1982年）、パトリース・ラッシェンの『Straight from the Heart』（1982年）、マドンナの『バーニング・アップ』（1983年）などである。1980年代のポスト・ディスコ・サウンドは多くのノルウェーのダンス・ミュージックのプロデューサーに影響を与えた。アイス・キューブやEPMDなどの一部のラッパーは、ザップやキャメオのような彼らがお気に入りのポスト・ディスコ・ファンク・サウンドにラップを重ねた。ショーン・パフィ・コムズは、ポスト・ディスコ・R&Bに間接的に影響を受けた。

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