H&K G3SG/1は、ドイツのH&K社が製造するスナイパーライフルであり、その特性から厳密にはマークスマンライフルに近い存在である。"SG"とはドイツ語で"Scharfschützen Gewehr"(狙撃銃)の意。H&K社の製造するG3 アサルトライフルの内、試射で好成績を出したものを生産ラインから選抜し、カール・ツァイス製1.5-6倍可変スコープとその専用マウント、チークピースと2段階調整可能なバットプレートを備えた、通常型より少し長い銃床、二脚などの各種狙撃用装備を装着し、狙撃銃仕様としたものである。トリガーグループには専用のセット・トリガーが使われており、これは、セレクターを半自動(セミオート)とした時に限り、トリガー後方のボタンを押し込むことでトリガーシアを開放する(撃発する)寸前の状態まで後退させる機構で、この状態からは1ポンド(約454グラム)の力でトリガーを引くことができ、僅かな動作で射撃が可能なため、狙撃時の腕のぶれを最小限にすることで精度の高い射撃を可能とするものである。元になるフレームがアサルトライフルのものであるだけに、精度的には狙撃専用銃に劣るものの、ベースとなるG3 アサルトライフル自体の精度が高いことや、H&K社の開発したG3の狙撃専用発展型であるPSG1に比べ安価なことから、軍や警察の狙撃班に少なからず採用されている。また、ベースのG3と比較して二脚の分ハンドガードが持ちにくい、スコープのせいでアイアンサイトが見にくいなどの問題点はあるものの、PSG1と異なりフルオート射撃機能も残されているので、アサルトライフルとして使用することも可能である。使用する弾薬はG3同様7.62x51mm NATO弾なので、スポッターとの同行を前提とした遠距離狙撃よりはレンジの短い市街狙撃戦や、日本での64式7.62mm小銃に対する64式7.62mm狙撃銃などと同じようなマークスマンライフルを想定した作りと言える。G3の狙撃型としては他にH&K MSG90が存在しているが、MSG90は外観が近似しているものの、PSG1の発展型であるためG3とは内部構造が異なっており、本銃のバリエーションとは分類されない。G3の使用弾を5.56x45mm NATO弾としたHK33にも、本銃と同様の狙撃銃仕様とされたHK33SG/1が存在する。ドイツ連邦軍ではこのSG/1の他、マークスマンライフル(選抜射手ライフル)としてG3A3にHensoldt Z24 スコープ(口径24mm、倍率4倍)を搭載した狙撃仕様(「G3A3ZF」と通称されている。"ZF"とは"Ziel Fernrohr":ライフルスコープの意)が使用されており、一部の銃はスコープを新型のものに変更、ハンドガードをピカティニー・レールを備えたものにするなどの近代化改装を施されて使用されている。それらG3A3の狙撃仕様とG3SG/1の相違は、トリガー後方のセットボタンとチークピース付きロングストックであるが、狙撃用に特化した特殊機構を持つトリガーグループは、暴発事故を発生させたこともあり「軍用銃としての粗雑な扱いに適さない」と評価されたため、トリガーグループを通常型に交換したSG/1も存在している。チークピース付きストックを通常型ストックに変更した個体もあり、現在は外観からSG/1とZFを識別することは困難な場合がある。また、二脚は通常のG3にもオプションで装着できる上、折り畳んだ状態の二脚を収納できる凹みのついたストレートタイプのハンドガードはG3の後期生産型では標準となっているため、この点のみでSG/1とZFを識別することは現在ではできない。ドイツ連邦軍ではこれらの後継として、アメリカのアーマライト社のAR-10を基にH&K社が開発した7.62mm自動小銃、HK417の発展型である半自動式狙撃銃を2011年にG28として採用し、今後はG28への更新を進めていく予定である。
出典:wikipedia
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