『ラジアントヒストリア』("RADIANT HISTORIA")は、2010年11月3日にアトラスから発売された、ニンテンドーDS用ゲームソフトである。時間移動(タイムトラベル)を題材にしたファンタジーRPG。本作のテレビCMでは「死亡フラグをへし折るRPG」というキャッチコピーが銘打たれ、時間を移動する力を得た主人公が歴史を操り、死ぬはずであった登場人物たちを助けていくような展開をアピールするものとなっている。作中には銃やメカニックといった要素も登場したり、時間を行き来しながらルート分岐を埋めていくというアドベンチャーゲームのようなゲーム性も導入されていたりするが、基本的には剣と魔法の世界を舞台とした「王道のファンタジーRPG」と評される内容となっている。企画の立案は、『スターオーシャン ブルースフィア』『ベルアイル』などの作品に参加した高屋敷哲が、『ラジアータストーリーズ』などのキャラクターデザインに関わったこにしひろしと共に立ち上げ、企画書と試作のゲームをアトラスに持ち込むという形で行われた。当初の構想では実際に発売されたものと異なり、プレイヤーは一本の剣となって複数の国や人物の間を渡り歩くという内容や、高屋敷の作風に近い破滅的な結末が想定されていたが、より感情移入しやすくゲーム性のある内容を求めるアトラス側の提案により路線転換が行われ、人間の主人公が、破滅を回避しようと未来を切り開いていくという内容が決定した。主人公像については開発段階での試行錯誤もあり、案の中には主人公をプレイヤーの分身と位置付けて無個性な人物とするものもあったが、最終的には主人公にもヒロイックな個性がつけられることとなり、プレイヤーの役割は主人公を含む登場人物たちを導くものであると位置付けられた。タイトルの『ラジアントヒストリア』は、英語で「放射状の」「光り輝く」という意味のと、「歴史」を意味するをもじったものを組み合わせた造語であり、光り輝く世界を取り戻すべく歴史を駆け巡る主人公の姿をイメージして命名されたものであるとされる。、開発スタッフも含め両作品に現時点で判明している関連性は無い。作中では主人公の活躍だけでなく、国同士や種族間の関わりにも描写が割かれ、勧善懲悪では割り切れない複雑な人物や勢力の思惑が、歴史の改編を繰り返すことで浮かび上がっていくという群像劇的な内容も意図されている。下村陽子が手掛けた劇伴曲は、歴史の改編というシリアスなテーマを扱った内容であることを踏まえ、全体的にはやや切ない曲調の楽曲を主軸にしてまとめられている。大規模な砂漠化が進み、残り少ない土地を巡っての戦乱が繰り広げられているヴァンクール大陸。東の大国・アリステルの情報部で屈指の実力を誇るストックは、ある任務で敵軍の追跡を振り切ることに失敗し、絶体絶命の窮地に立たされる。同行していた仲間たちは彼を逃がそうとして命を落とし、彼もまた生死の境をさまよう。しかし、任務の直前にお守りと称して渡されていた「白示録」が光を放ち、ストックは過去に戻る力を授かる。白示録の力で過去をやり直して死ぬはずであった仲間を救い、窮地から生還した彼は、案内人を名乗る双子の少年少女から、その力を使い、戦乱の中で砂漠化していく世界を滅亡の未来から救うことが、白示録の所有者に与えられた使命であることを聞かされる。ストックはこの力で時間を行き来し、国を渡り歩き、親しい人物の死を回避していくことで仲間を集め、世界の滅亡という一国の問題に留まらない問題を回避するために奔走する。その中で彼は、白示録と同等の力を秘めたもう一冊の書物「黒示録」を操って歴史を破滅へと導こうとする謎の存在と敵対することになる。敵の正体、それは白示録の秘密、白示録をストックに託した人物であるハイスの意図、そしてストック自身の素性の秘密といった謎にも関わることであった。フィールドはトップビューで描かれ、フィールドや戦闘画面上のキャラクターはドット絵の技法で描かれている。会話イベントではバストアップのイラストも表示されるが、ボイスやイベントムービーは用いられず、シンプルな演出方針が用いられている。主人公は、物語のキーアイテムでもある魔法の書物「白示録」の力を借りることにより、時間を遡って過去の失敗をやり直したり、歴史を改編したことによって生じたパラレルワールドを渡り歩いたりすることができる。この際には主人公の記憶だけでなく、その時間軸で得た能力や所持アイテムなども維持される。白示録はしばしは仲間の死といった不吉な未来の映像を主人公に見せる。主人公はそのままでは実現してしまう可能性のある未来を改編するため、この力を使って複数の時間軸を奔走することになる。主人公は絶体絶命の窮地を、別の時間軸やパラレルワールドで得た情報や能力、アイテムを活用して乗り越えたり、またパラレルワールドの出来事を通してもう一つの世界へと影響を与えたりするなどして歴史を改編していく。物語開始時点において白紙の本であった白示録は、主人公の行動を記録することで埋まっていく。白示録の力には制限もあり、やり直しのできる場所はある程度決まっている他、持ち主が居合わせなかった歴史には介入できない、持ち主自身が命を落とすとやり直しはできない、といったルールが付随し、主人公の行動次第では世界が滅亡してしまうパラレルエンディングへと派生する場合もある。フィールドで敵シンボルと接触すると戦闘となり、メニューからコマンドを選択する形式で戦闘が進行する。戦闘バランスは決して過酷すぎず、しかし単調に戦っていては勝てないという匙加減が意図されている。敵キャラクターは縦3×横3に区切られたマスの中に配置されており、同じマス目にいる複数の敵キャラクターには一度にダメージを与えることができる。味方キャラクターが持つ攻撃手段の中には敵の位置を前後左右に吹っ飛ばして位置を変えることができるものが用意されており、これを用いて複数の敵を一か所に集め、そこにダメージの大きな攻撃を当てることによって、敵を効率的に殲滅することができる。キャラクターの行動の頻度は素早さに応じて変化し、敵と味方の行動順序が入り乱れて訪れ、プレイヤーは味方側のキャラクターに行動順が回ってきた際に行動を選択する。このときプレイヤーは防御力の一時的な低下と引き換えに、味方側キャラクターの行動を遅らせ、敵キャラクターを含む他のキャラクターの手番と入れ替えることもでき、これを用いて仲間側キャラクターの手番が連続するように仕向け、敵に移動する時間を与えないようにして連続攻撃で畳み掛けることもできる。連続攻撃によりコンボが発生するとダメージでも有利な修正を受ける。なお味方側キャラクターの手番が連続する場合、プレイヤーはそれらを一度にまとめて指示する形式になる。各キャラクターはヒットポイント、マジックポイントに加え、マナバーストゲージと呼称されるゲージを持っており、このゲージを最大値まで溜めることで強力な必殺技「マナバースト」を使うことができる。マナバーストは強力だがゲージが溜まるまでには時間がかかるため、使いどころの見極めが必要となる。ボイスは設定されていない。登場人物にはラテン文字表記の綴りが設定されているが、にローカライズされた際には一部の登場人物に日本語版とは異なる綴りが設定された。本項では併記する。本作はアトラスへの企画持ち込みという形で立案されたが(詳細は「#概要」を参照)、こうした経緯の作品はアトラスでは初めての試みであるという。フリーの作曲家としてゲーム作品の劇伴曲を手掛けている下村陽子も、アトラスでの仕事は本作が初である。一方で企画の調整やストーリーのフローチャートの練り込みなどにはアトラス側の企画陣の手が入っており、戦闘システムの調整も、アトラスで『世界樹の迷宮』シリーズや『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』といった作品を手掛けている加藤澤男が手掛けている。
出典:wikipedia
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