スイス国鉄Tem形機関車(スイスこくてつTemがたきかんしゃ)は、スイスのスイス連邦鉄道(SBB: Schweizerische Bundesbahnen 、スイス国鉄)で使用される入換用電気/ディーゼル兼用機関車である。なお、本機はTem 54-78形として製造されたものであるが、その後の1962年の称号改正によりTem 251-275号機となったものである。スイスの国鉄では、1905年に交流15kV50Hzで、1906年および1907年に交流15kV15Hzでの電化の試験が行われたが、その後本格的な電化はベルン-レッチュベルク-シンプロン鉄道やレーティッシュ鉄道からは若干遅れて1919年のベルン - トゥーン間から本格的に始まり、1920年代には主要幹線について急速に電化が進んでいった。一方、主要駅における入換用の機関車についても従来は蒸気機関車が主力で、1910-20年代にF2/2 51形やEa2/2 32形といった蓄電池機関車が工事用なども兼ねて一部運用されている状況であったが、駅や操車場構内の電化の進展に伴い、1920-30年代以降入換用の機関車にも電気機関車が導入され始め、入換用の電気機関車であるEe3/4形やEe3/3形と並行して、より小型で、機関士ではなく入換要員が運転操作をする「入換用トラクター」に分類されるTe形、Te形、Te形機関車が導入されていた。入換用トラクターでは他のスイス機関車と異なり、I、II、III等の分類は形式別ではなく定格出力の分類に使用され、電気機関車ではTe形は90kW級、Te形は120-140kW級、Te形は250kW級の分類となっており、入換用電気トラクターの最小クラスであるTe形はいずれも基本構造が同一の、入換用のTe 1-43形およびTe 44-60形のほかに事業用のTe 951-963形、非電化区間での運用を考慮した蓄電池兼用機のTea 248-250形が用意されていた。一方、1950年代以降には小型のディーゼル入換機であるTm形なども導入されるようになっており、経済性の面からは入換作業量の小さい場合には電気トラクターのほうが有利であるとされていたが、電化区間と非電化区間が混在した入換作業量の多い駅では電気とディーゼル機関のハイブリッド方式が最も経済的に有利であるとの考えから、Te形をベースにディーゼル発電機を搭載した電気/ディーゼル兼用機関車として用意されたものがTem形である。本形式は基本構造はTe形と同一のまま、非電化区間では電気式ディーゼル機関車として使用できるようディーゼル発電機を搭載したものであり、車体、機械部分はTuchschmidもしくはスイス国鉄のイヴェルドン工場、電機部分はBBC、主電動機はMFO、主機はSaurerがそれぞれ製造を担当し、電化区間では低圧タップ切換制御により最大牽引力36kNを、非電化区間では電気式ディーゼル機関車として最大牽引力31kNを発揮する小形機である。なお、製造年、製造時機番、1962年の称号改正後機番、製造所は以下のとおりである。
出典:wikipedia
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