CST-100 スターライナー (Crew Space Transportation-100)は、ボーイング社がビゲロー・エアロスペース社と共同でNASAのコマーシャル・クルー・デベロップメント (CCDev) 計画に提案したカプセル型有人宇宙船である。想定されている任務は国際宇宙ステーションや、ビゲロー社によって検討中のビゲロー商業用宇宙ステーションのような商業用宇宙ステーションへ乗員を輸送することである。外観はロッキード・マーティンがNASAのために開発しているオリオン宇宙船と似たカプセル形状である。正確な寸法は発表されていないがアポロ指令船よりも大きくオリオン宇宙船よりも小さい。 低軌道への輸送のみに使用される予定のため、オリオン宇宙船のような地球外軌道まで飛行するための装置は搭載しない。CST-100は最大7人の乗員を乗せる事が出来、生命維持装置は低軌道仕様で小型軽量化されるため、室内空間の容積は大きくとれる。軌道上に最大7ヶ月間(210日間)滞在し、最大10回再使用できるような設計である。NASAは2010年にCCDev-1契約として、ボーイング社にこの宇宙船の基礎設計として1800万ドルを払った。また2011年のCCDev-2契約では9300万ドルの契約を受注した。CST-100はアトラス V、デルタ IV、とファルコン9を含む様々なロケットに適合するよう設計されるが、当面はアトラスVでの打上げを予定している。CST-100はパラシュートで降下した後、6基のエアバッグを展開して衝撃を吸収する形で陸上へ着陸する予定である。非常時には洋上着水も可能であるが、この場合はエアバッグは使わない。打上げ時に使わなかったアボートシステム (LAS)(宇宙船の底部に装着するPusher方式を選定)の推進薬は、宇宙ステーションの高度の引き上げに使う事も可能。確定契約の全額の支払いを受けるにはCCDev-1ので2010年に設定された以下マイルストーンを満たす必要がある。ボーイングはこの計画が承認を受け、十分な予算を確保できた場合は、このカプセルを2015年には運用できるようにする予定である。この計画はNASAの支援なしでは実現は困難であり、商業利用の観点からは国際宇宙ステーション (ISS) 以外の目的地の確保も必要であるため、ビゲローと協力する事は重要であると述べた。2014年9月16日にNASAは、CCDevの第4ラウンドにあたるCCtCAP (Commercial Crew Transportation Capability) プログラムへの参加企業としてボーイング社とスペースX社の2社を選んだと発表した。この契約では、NASAからボーイング社に42億ドル、スペースX社に26億ドルの資金が提供され、NASAの宇宙飛行士を最低1人搭乗させた有人宇宙飛行を最低1回実施してその性能を証明することが定められている。初打ち上げは2017年とされていたが、その後の開発の遅れにより2018年12月以降へと延期されている。ボーイングは、NASAのアポロ計画、スペースシャトル、国際宇宙ステーションや、国防省の計画の経験に基づいて本宇宙機を設計している。CST-100はオリオン宇宙船からの技術的な流れはないが、ロッキード・マーティン社からの技術支援を受けてビゲロー社が開発を進めていたと伝えられたオリオンの派生機種であるオリオン・ライトと時々混同された。ドッキング機構としてはアンドロジナスドッキング機構を使用し、熱シールドにはボーイング軽量アブレータ (BLA) を使用する。当初のボーイングの報道発表ではCST-100という名称ではなかった。CST-100という名称が世間に最初に伝えられたのはビゲロー・エアロスペースのCEOのRobert Bigelowによるもので、彼は2010年6月にこのカプセルをCST-100と呼称した。CSTは'C'rew 'S'pace 'T'ransportationの略で、数字の100は宇宙空間との境界であるされる高度100 kmのカーマン・ラインをあらわす。2015年9月4日、ボーイングによりこの宇宙船にスターライナー (Starliner) という名称が与えられたことが発表された。この名称は、同社の歴代の旅客機ストラトライナーやドリームライナーに連なるネーミングとなっている。
出典:wikipedia
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