ズーク (ZOOK) は、ホンダがかつて製造、販売していたスクータータイプのオートバイ（原動機付自転車）である。車名は公式にはホンダの造語で「～の傾向が生じる」という意味の「～ずく」を造語とし、スニーカー（ズック）のように気軽に乗れるイメージから名付けられた。1989年の東京モーターショーに参考出品された「MS50」を市販化したもので、1990年2月26日に発売された。広告キャラクターにはタレントの所ジョージを起用し、メーカー希望小売価格は89000円であった。スケートボードをイメージし、フロントカバーを省略してハンドルとシートの2本の柱状で構成されたシンプルな外観を特徴とした。シートは高さを2段階に調整することが可能で、座部が自転車のサドルのように小さく、停車時にはヘルメットを被せてホルダーで施錠できる機能が加えられた。8インチのタイヤはトレッドパターンに靴底の形を図柄に使うユニークなものだった。出力が3.3psの空冷2サイクル単気筒エンジンを搭載し、始動方式はキック式のみであった。冷寒時の始動を容易にするオートチョーク機構とエンジンが停止している時は燃料をキャブレターへ供給しないオートコック機構を採用し、燃料タンク容量は2リットルだった。1年ほどで製造、販売を中止した。

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