バラク・オバマの国籍の陰謀論は、バラク・オバマ大統領のアメリカ合衆国の国籍が正当なものであるか、アメリカ合衆国の大統領の資格がないのではないというものである。ある陰謀論の主張によれば、オバマはケニア（Kenya Colony）で誕生したとされており、ハワイ生まれではない。または、出生証明書が偽造されているとしている。その他の主張によると、オバマはインドネシアの住民であり、彼は誕生時に二重国籍（イギリスとアメリカ）となり、アメリカ合衆国で生まれた市民（natural born citizen）ではないため、アメリカ合衆国憲法第二条に定義されているアメリカ合衆国の大統領の資格を満たしていないとされる。この陰謀論は2008年中旬にオバマが民主党の予備選挙で勝利したころに世論となり、2008年下旬から2009年初めにかけての選挙人団の投票とオバマの就任で注目され、多くの裁判沙汰となった。この主張は一部の狂信者と政治的対立者が触れ回っているものである。彼らの一部は、オバマの大統領への立候補・承認を無効とするため、あるいはそれが有効だと証明する新たな証拠を要求するため、訴訟を起こしている。その全ては、下級裁判所で却下されている。3件の訴訟は合衆国最高裁判所に持ち込まれたのち退けられた。2009年1月8日、オバマは大統領に選出されたことを議会によって承認され、1月20日に大統領として宣誓を行なったが、就任後も訴訟は継続した。これらの陰謀論を喧伝している人々は、同時多発テロの陰謀論者が "truthers"（トゥルーサーズ、「真実」を主張する人たち）と呼ばれるように、同類として "birthers"（バーサーズ、「出生」を主張する人たち）としばしば呼ばれる。2008年の大統領選挙運動 () ではハワイ州保健局 (Hawaii Department of Health) による彼の出生証明書が示され、そのスキャン画像がオンライン上にアップされた。それによると、オバマは1961年8月4日にハワイのホノルルで生まれたとある。また「この複製はあらゆる法的手続において出生の事実を示す明白な証拠たりうる」ともある。この陰謀論でよく出される疑問が、彼は未だに出生証明書の原本もしくは完全版 (long form) の写真複製を出したことが無く、編集された抄録版 (short form) しか出していないというものである。また、この書類で "certification of live birth" という用語が使われていることは、これが "birth certificate"（出生証明）そのものではないことを意味するとも指摘されている。これらはマスコミの調査、関心を持った司法委員会、ハワイ州政府の官僚たちによって繰り返し取り上げられてきた。そして最終的に一致した彼らの見解は、オバマが選挙運動中に公開した証明書は、実際に公式な出生証明だというものだった。ハワイ州保健局の広報担当者ジャニス・オオクボはこの件について尋ねられ、「ハワイ州の証明書に完全版とか抄録版といった様式はない」と述べた。さらに、同局長は「ハワイ州は州の方針と手続に従ってオバマ上院議員の出生証明書の原本を保管している」と確証した。2008年11月9日、「ホノルル・アドバタイザー」紙は未だ止まない噂に応えるため、自身のウェブサイトに1961年8月13日の出生公示のスクリーンショットをマイクロフィルムから起こして掲載した。その種の通知はハワイ州保健局から各新聞社へ送られる決まりになっているのだ。それにも関わらず、共和党が選任した何人かの官僚はオバマの市民権に対する懐疑を述べ、あるいは納得するに足るものでないと表明し続けている。一方、連邦議会と州議会の共和党議員たちは、大統領候補は大統領となる資格（これには生まれながらの市民権も含む）の証明となる書類を用意しなければならないとする法律の制定を提案し、賛成票を投じた。付け加えると、2010年の世論調査では成人アメリカ人の 1/4 以上がオバマの合衆国内出生について疑いを持っていると示唆された。オバマの大統領の資格を疑問に思っている、または受け入れない人々は、彼の生い立ちの詳細を次に述べる:バラク・オバマは1961年8月4日にハワイ州ホノルルのカピオラニ・メディカル・センター・フォー・ウーマン&チルドレン () でアン・ダナムから生まれたとされているが、病院のウェブサイト (http://www.kapiolani.org/women-and-children/about-us/default.aspx ) によるとカピオラニ・メディカル・センター・フォー・ウーマン&チルドレンはカピオラニ・チルドレンズ・ホスピタル (Kauikeolani Children's Hospital) と カピオラニ・マタニティー・ホーム (Kapi‘olani Maternity Home) が1978年に合併してできた病院であり、オバマが出生したとされる1961年にはこの病院は存在しなかった。またオバマの父親の人種がアフリカンとされているが、当時はそのような表記はなく、黒人はネグロ (Negroes) またはブラック (Black) と出生証明書に記載されていた。オバマの父親が実際にアフリカ生まれであるために人種がアフリカンとされたという反論もあるが、そのような例はまだ開示されていない。オバマの母親であるアン・ダナムはカンザス州ウィチタ出身のアメリカ合衆国で生まれた市民 (natural born citizen) とされる。オバマの父親はバラク・オバマ・シニアで、 、ニャンザ州、ニャンゴマ・コゲロのルオ族出身とされている。オバマの出生証明書の父親の出生地が東アフリカのケニア (Kenya, East Africa) とされているが、オバマが生まれた1961年にはケニアという国はまだ存在しておらず、その当時はイギリス東アフリカ保護領 (British East Africa Protectorate) と呼ばれており、出生後の1963年にイギリスより独立しケニアが誕生した。両親は1964年に離婚し、その後、彼の母親はハワイ大学のインドネシア人の学生ロロ・ソエトロと再婚した。この家族は1967年にインドネシアのジャカルタに引越す。再婚した時には、オバマは10歳であった。オバマはホノルルに戻り、母方の祖父母であるマデリンとスタンリー・ダンハム (Madelyn and Stanley Dunham) と過ごし、1971年から永続的にアメリカに住んでいた。民主党の勢力が強いハワイ州はオバマの出生に関する資料は封印されており、再三の訴訟に関しても、裁判所が訴訟を却下し続けている。オバマの出生には謎が多く、オバマが政権を握る限りは実際の事実をアメリカの国民が知ることはないだろう。2008年アメリカ合衆国大統領民主党予備選挙から大統領選挙にかけての間、オバマの生立ちについてデマが書かれたチェーンメールが無数に出回った。オバマは、自分はハワイ生まれであると信じていると何度も訴えていた。これに対し、保守系ウェブサイト"ナショナル・レビュー・オンライン"のジム・ジェラティが、同サイトの記事で、「オバマは生粋のアメリカ人ではなく大統領に立候補する資格がない」とする噂が誤りであることを証明するために出生証明書を公開してはどうかと問いかけた。この記事でジェラティはで、出生証明書を公開することによって、インターネット上に流布している他の様々な噂、例えば、「オバマのミドルネームは元々フセインではなくムハンマド（Muhammad）だった」・「母がつけたファーストネームはバラクではなくバリー（Barry）だった」・「バラク・オバマ・シニアとは実は血のつながりが無い」などが虚偽だとを証明することができるのではないか、と述べている。2008年6月、オバマ陣営は敵陣営からのいわゆる中傷キャンペーンに対抗して"Fight The Smears"（「中傷と闘う」）という名のウェブサイトを立ち上げ、同サイト上でオバマの出生証明書抄本を公開した。これを受けて、出生証明書の公開を最初に求めたジム・ジェラティは、「（公開された証明書は抄本＝略式だったが、）出生証明書の原本（謄本）と何か異なったデータが含まれていると考える根拠は何もない」と記事で述べている。オバマ陣営の公開した出生証明書抄本はハワイ州衛生局が2007年6月に発効したものであり、同陣営は以下の様にコメントしている。The release of the certificate prompted a fresh round of questions. Believers asserted that the certificate had been digitally forged with Adobe Photoshop and lacked a stamped seal of the state, which led them to demand that Obama release his "original" 1961 birth certificate. Jerome Corsi, author of the book "The Obama Nation: Leftist Politics and the Cult of Personality

出典:wikipedia