オーサ型ミサイル艇とは、1960年代にソビエト連邦で開発されたミサイル艇である。オーサ級()というのはNATO側名称であり、ロシア語でスズメバチを意味する。ソ連側の艦型呼称は、205号計画型「モスキート」 () である。本型は、史上最多の建造数を記録したミサイル艇であった。ソ連海軍用と同盟国への輸出用として、各種改良型なども含めて約400隻以上が建造された。205型は、コマール型ミサイル艇(183R型)の改良型として計画された。183R型のようなミサイル艇は、駆逐艦エイラート号撃沈などの戦果に見られるように、小型・廉価の割に強力な攻撃力を有する効果的な戦闘艦艇と評されていた。しかし、183R型には以下のような欠点があった。これらの欠点が認識された結果、183R型は6隻1組で運用された。試算では、NATOの駆逐艦を撃沈するには対艦ミサイル2発の命中が必要とされていたが、生存性の低い183R型で攻撃を成功させるには、18隻を同時運用し、ミサイル12発以上の一斉発射に成功させる必要があると判断されていた。このような問題点の多い183R型を代替すべく、後継となる205型が計画された。205型には、以下のような改良が施された。これらの改良により、183R型に比べ生存率が50%向上したと評価された。また、12発のミサイル斉射には3隻で充分となった。故に、205型の敵駆逐艦撃沈保障隻数は6隻と試算された。つまり、205型6隻は183R型18隻に匹敵する戦力であり、かつ運用経費は後者より安上がり、ということになる。205型は1950年代後半から1960年代前半にかけて、ソ連で400隻以上が建造された。中国では1960年代から90年代にかけて、021型ミサイル艇という名で100隻以上が建造された。205型の改良型である205U型では、以下のような変更が加えられた。また、205型の派生型には、205P型巡視艇がある。205P型はASW装備や対潜魚雷などを搭載した、対潜哨戒用の巡視艇であった。205型は主に、第三次中東戦争、第四次中東戦争、第三次印パ戦争などで使用された。1971年にインド海軍が実行したトライデント作戦では、パキスタン海軍の駆逐艦・巡視艇・港湾設備などに大打撃を与える戦果を上げた。しかし、1973年のラタキア沖海戦では、イスラエル軍の効果的な電子対抗手段により、シリア海軍のミサイル艇隊は戦果を上げられないまま全滅させられた。さらに、イラン・イラク戦争では、主に航空機から発射されたAGM-65 マーベリックミサイルの攻撃により、多数の205型が撃沈され、イラク海軍は大打撃を被った。205型とそのミサイルの性能では、高性能なECM装備を有する敵艦には無力であった。他に、防空能力の貧弱さや、自衛用の主砲が未装備であった点なども大きな欠点であった。その後、1980年から1990年代にかけて、ロシア海軍では205型の退役が行われ、後継の1241型ミサイル艇へと置換されていった。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。