佐藤 大介(さとう だいすけ)は、東京都国立市出身の科学者である。専門は計算科学、特に生体分子の分子動力学計算。高校在学中、国家公務員Ⅲ種合格。バイロイト大学(ドイツ)の入学資格に合格。筑波大学に入学、物理工学を専攻。横浜市立大学総合理学研究科で修士課程修了の後、2006年、東京大学農学生命科学研究科応用生命工学専攻にて博士号を取得。指導教官は清水謙多郎教授。寺田透准教授・中村周吾准教授・松尾洋博士からも指導を受ける。2006~2007年、東京大学インテリジェントモデリングラボラトリ(2012年閉鎖)。2007~2009年、理化学研究所ゲノム科学総合研究センター。横浜市立大学木寺詔紀教授の指導を受ける。2009~2010年、産業技術総合研究所分子機能計算チーム。2010年4月~11月、 東京工業大学バイオ研究基盤支援総合センター櫻井研究室。櫻井実教授の指導を受ける。2010年12月~ 物質材料研究機構ナノテクノロジー融合センター。この間、米国カリフォルニア大学サンディエゴ校スクリップス研究所及びニューヨーク州立大学ストーニーブルック校歴訪。2011年~2013年、 HPCシステムズ(株)KWプロジェクト。myPRESTO(生物化学計算統合ソフトウエア)のプロモーションに従事。2013年~ 東京大学人工光合成プロジェクト。東京大学情報基盤センター教育用計算機システムにてインターネットファイル交換ソフトWinnyの開発者である故金子勇博士の知遇を得て、新分野開拓を目指すも、同博士の急逝により頓挫。以降、フリーランス活動に従事。研究開発、人材育成に携わる。量子力学の基本に立ち返って、シュレジンガー方程式から説き起こし、分子軌道計算の基礎のLCAO-MO近似、ハートリー・フォック法へと進み、密度汎関数(DFT)近似に至る道筋を説く。現行のDFT近似は、一般的な電子軌道計算近似として実空間(分子軌道計算)でも逆空間(バンド計算)でもほとんど常用されていて、市販やフリーウエアの量子力学計算パッケージに組み込まれたものも多いが、佐藤の専門はコーンシャムの方程式等その分野の基礎には及んでいない。ラマン分光、光電子分光、各種の質量分析法、X線回折等、現代では常用されている機器分析手法の原理から説き起こして、これら手法の実験データーベースと計算機手法の融合を提唱している。分析手法を実現する実験装置はすでに広範に行き渡ってきており、さまざまな試料形態に対して数多くのデーターベースや装置組み込みのアプリケーションや、データー解釈のカルチャーが興ってきているが、佐藤の提唱するソフトウエアは開発途上であり、手法利用の現場にはまだ下がっていない。今まで所属した研究グループの主要テーマが、分子動力学計算によるタンパクやペプチドの構造計算や機能予測であり、佐藤の文字通りの専門分野である。佐藤の学位論文では、人工的な超小型ペプチド分子である「チグノリン」の折り畳み構造を分子の自由エネルギー極小の分子動力学計算で求め、これが実験結果をよく追認することを示した。この計算プロセスに「マルチカノニカル」という最適構造を追跡する計算手順が用いられた。同様の計算をチグノリンと類縁のペプチド「GPM12」についても、実験結果を支持する結果が得られた。両者に共通する「ベーターヘアピン構造」がペプチド鎖中特徴的な折れ曲がりであり、アミノ酸配列としてもやや特殊であることを明らかにした。これらの結果をアニメーションに編集することにより、の折り畳み構造の動的性質を直感的に把握することができた。この研究が成立したのが2006年前後であるが、その後大型タンパク分子の分子動力学計算が世界的に大きく進展し、国内でも理研の「京」スーパーコンピューターを使った研究が立ち上がってくるに及び、現在のこの分野は大きく様変わりしている。佐藤らの研究はその進歩が起こる直前に位置し、分野が興る際の模索のプロセスの一端を担ったと言うことができよう。佐藤は若年の頃理化学研究所でアルバイトをやっていて、その場で分子生物学系の実験に親しむ機会を得ていたものと見られる。その後生物化学実験を行った実績はないが、世に行われる分子生物学の進歩には当然興味を持ち、膜イオンポンプタンパク、免疫応答系受容体(タンパクの一種)の分子認識機構、タンパクの分子ダイナミクスとタンパクの機能の間の相関など実験研究の成果についての言及がある。最近は東大人工光合成プロジェクトに参加するも、その研究の内容はまだ詳らかではない。物理学の基礎である量子論から計算生物学まで、計算機の利用が欠かせないのが佐藤の研究の特徴であり、計算機科学はこのような研究のバックグラウンドであろう。大学院在籍の頃より大型計算機利用に集中し、卒業後は特に東京大学インテリジェントモデリングラボラトリにて優れた計算機環境に身をおき、指導教官清水健多郎教授、寺田透教授、中村周吾教授、松尾洋教授、木寺詔紀教授、櫻井実教授、またごく短期間ながら金子勇博士など数多くの指導者に恵まれてきた。その中にあって、計算機のソフトウエア面のインフラ、すなわちオペレーションシステムの設定、アプリケーションのインストレーションと初期化、計算データのバックアップ、計算機の故障や停電からの回復等の作業が、彼のもっとも重要視する分野である。また、基礎的な数学に対する興味と憧憬も強い。数理統計研究所や国際高等研究所の専門分野講習にしばしば参加して数理科学研究の空気を肌で感じると同時に、計算機を用いたビッグデータの統計処理に興味を持っている。統計学や確率論においては、インターネットが盛んになった現在、いわゆる頻度主義的確率論に対立して、ベイズ確率統計(ベイジアン)と言う概念が立てられている。しかしこれは数理上の相対する概念と言うより、ベイズ統計では例えばネットワークが運ぶデータからのフィードバックの利用を前提として、スパムフィルターの高確度を確保する等の実用的なアプローチが注目されている。このあたりの事情から佐藤は、ベイズ統計を世に先駆けた新奇なものとしてとらえ、自らプログラム実装を試みると同時に、同好の士を募って勉強会を開催する努力を繰り返している。昨今大型計算機を用いる科学技術計算の分野においても、優れたアプリケーションが数多く市販され、計算機科学者といえども自らコーディングをすることなく研究を進められる状況となってきた。佐藤の関心は量子力学計算の市販のアプリケーションを数多く統合して分子内の量子力学(分子軌道計算)、結晶格子内の量子力学(バンド計算)、分子間の力学(分子動力学計算)によって第一原理的な計算を実行するパッケージを組み上げることに移ってきた。ソフトウエハ頒布を業務とする会社に所属した際、KW myPrestoというソフトウエアパッケージのプロモーションに参加した。これは情報化学、分子動力学および医薬開発データを統合した情報処理アプリケーションである。論文1. D. Satoh, K. Shimizu, S. Nakamura, T. Terada:“Folding free-energy landscape of a 10-residue mini-protein, chignolin”FEBS Letters, 580, 3422-3426 (2006).2. T. Terada, D. Satoh, T. Mikawa, Y. Ito, K. Shimizu:“Understanding the roles of amino acid residues in tertiary structure formation of chignolin by using molecular dynamics simulation”Proteins: Structure, Function, and Bioinformatics, 73, 621-631 (2008).学会発表リスト1. D. Satoh:“Prediction of molecular recognition of AP complex by using free-energy perturbation”Computational biology Workshop 2002.2. D. Satoh, T. Terada, Y. Matsuo:“Prediction of molecular recognition of AP complex by using Thermodynamic Integration”Biophysical Society of Japan, 40th annual meeting 2002.3. D. Satoh, T. Terada, S. Nakamura, K. Shimizu:“Folding simulation of WW domain by using generalized ensemble”Biophysical Society of Japan, 42nd annual meeting 2004.4. D. Satoh, T. Terada, S. Nakamura, K. Shimizu:“Folding simulation of Chignolin”Protein Science Society of Japan, 5th annual meeting 2005.5. D. Satoh, T. Terada, S. Nakamura, K. Shimizu:“Folding simulation of Chignolin by using generalized ensemble”6th meeting of Dynamics of biomolecular science, 2005.6. D. Satoh, T. Terada, S. Nakamura, K. Shimizu:“Free-energy land scape of Chignolin”Biophysical Society of Japan, 43rd annual meeting 2005.7. D. Satoh, T. Terada, S. Nakamura, K. Shimizu:“Folding free-energy landscapes of 10-residue proteins”EABS & BSJ 2006.8. D. Satoh:“Intramolecular interactions to intermolecular interactions”ISCB Student Council Japan Division, 1st annual meeting 2009.9. M. Sakurai, K. Adachi, D. Satoh:“Dynamics and function of ABC transporter by using Molecular Dynamics (MD) simulation”Physiological science of Japan, annual meeting 2010.10. W. Uchida, T. Hagiya, D.Satoh, Y. Shoma, M. Sakurai:“MD simulation study on the atomic-level structure of ABCC7 (CFTR)”Biophysical Society of Japan, 48th annual meeting 2010.11. Y. Watanabe, D. Satoh, M. Sakurai:“Conformational change of mouse ABC transporter ABCB1 from an inward-facing conformation as studied by molecular dynamics simulation”Biophysical Society of Japan, 48th annual meeting 2010.12. D. Satoh:“Prediction and validation of molecular recognition”Peter E. Wright Group at the Scripps Research Institute (Internal Presentation) 2011.13. D. Satoh:“Prediction and validation of molecular recognition”Carlos Simmerling Group at Stony Brook University (Internal Presentation) 2011.14. D. Satoh:“In-silico drug design by myPresto”METI Workshop at AIST (Sales Promotion Talk) 2011.15. D. Satoh:“Detecting transition state by ab-initio method, exhaustive molecular simulation and Databases”The XIVth International Congress of Quantum Chemistry, University of Colorado, Boulder (Vendor’s Silver Sponsor Talk) 2012.武道系:古式泳法、着衣水泳、合気道。音楽鑑賞:ポップス系、スピリチュアル系が趣味である。自らもギターの弾き語りを好む。映画鑑賞。折り紙。創作ダンス。スクーバダイビング国際ライセンス。ハンドボール、陸上競技、ピラティス、ピアノマッサージ。カウンセリング、コーチング、ファシリテイタ。ホテルマンのアルバイトをしたことがある。佐藤は語学に造詣が深く、英語、ドイツ語、中国語(北京官話)で流暢に会話をこなし、スペイン語も使える模様である。ことに研究活動の現場で、身の回りの英語母国民よりも、中国韓国やインド系の同僚のブロークンながらもエネルギッシュに英語をしゃべっていく積極的な態度に感銘を受け、従来と異なる新しい英語学習のコンセプトを考案した。グロービッシュ(Global + English)という語は、フランス人ネリエール(Jean-Paul Nerrière)の造語である。ネリエールは極東地域でのビジネスの経験から、ビジネスの「道具としての英語」を提唱し、語彙を使用頻度の高いものに限定し、標準的な英文法を用いて、言語の体系化を試みている。またインドのゴガテ(Madhukar Gogate)も独自のグロービッシュを提唱し、改良正字法を考案している。佐藤のグロービッシュはむしろ現場で使える英語の学習法を革新する立場であり、地域で「グロービッシュ講座」を開催して、その場を主導しながら親睦を深める手法を模索した。比較的小グループの茶話会程度の会合が多かったようだが、2010年には公民館を借用して「”Total Communication Factory”-東京白熱教室」(全3回)を集中的に開催した。これは彼自身のヴォランティアにて地域との交流を深める努力の一環であり、彼自身「手さぐりでゼロから一人で立ち上げた企画でした。」と述懐している 。これは単にグロービッシュ講習の会ではなく、グロービッシュを用いて、彼が身近に経験してきたといういじめ、パワーハラスメント、うつ病、自殺等のカウンセリングの体験から、自らに課した「社会に対する貢献活動」の一環として、参加者と語り合って解決を模索する形をとっている。「こうした問題にいろんな方向からアプローチし、ガチのリアルファイトで解決策を導き出す。これは私の人生の中における『主題』でもある。」と語っている>。やはり茶話会形式の集まりとして「大塚breakfast倶楽部 なう!」を開いている。こちらもグロービッシュを用いて、年代を超えたビジネス交流の場を持っている模様である。その他「つくばbreakfast倶楽部 なう!」、「ベイジアンbreakfast倶楽部」、「ビジネス英語のワークショップ」等の小集会も、グロービッシュ会話によって行われてきている。専修教員免許(高等学校理科)を持ち、学生時代より断続的に家庭教師アルバイトに従事して経験を蓄積してきたところと思われるが、上記のような地域交流活動を盛んに展開し始めるのと時期を同じくして、大所高所の見地から家庭教師活動を開始し、生徒募集を行っている。学資稼ぎのアルバイトの段階を卒業し、東大や東工大での講義・演習を担当した経験に基づいて、高い目標を掲げている。それは文武両道(知的能力+身体能力)+芸術的感性をトータルバランスの下に向上させるため、個々の対象者に各々オーダーメードのカリキュラムを組む。このことを可能とするためにほとんど全教科の指導の用意がある、ということである。対象も学校補習や受験準備だけではなく、社会人のためのパソコン指南、武道武術トレーニング、各種カウンセリングまでを含めて準備されているとのことである。このレベルの活動になると、自らの教育理念を実践する際の自己研鑽の意味合いが強く、ある種の「無敵のヴォランティア」を目指しているともとれる。
出典:wikipedia
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