


二重反転式ローター(にじゅうはんてんしきローター、)、または同軸反転式ローターとはヘリコプターのメインローター形式及カウンタートルク対策である。ローターが同軸上に2つあり、互いに反転して回ることにより、カウンタートルクを打ち消す仕組みを指す。ツインローター形式としては最も歴史あるもので、乗物としての用途でなければ気球以前より実物が存在していた。また18世紀にジョージ・ケイリーが作成したモデルも、最終的には上反角付の並列ローターを採用しているが、原案は二重反転式だった。2機のメインローターを同軸に配置して上段と下段を逆に回転させるものである。ロシア(かつてはソヴィエト連邦)のカモフが得意としている方法であり、ほぼ全てのカモフ機に採用されている。アメリカのシコルスキー・エアクラフト等でも試作したことがある。シングルローター+テールローターが主流の現在においては少数派となる方法だが、テールローター式、ノーター、直列式、並列式、交差反転式に対して以下の利点と欠点を持つ。比較的自立安定性が優れているので無線操縦式のヘリコプターにも多用される。二重反転式ローターを発展させた形式としてアドヴァンスト・ブレイド・コンセプト・ローター(ABCローター)がある。これはリジッドローターを用いた二重反転式ローターのことで、前進側のローターだけでほとんどの揚力を賄う形式であり、後退側の逆流や失速による左右の揚力バランス喪失に対する解決策の1つとされている。この形式ではより高速飛行に向いた翼型のローターを用いることになるため、従来では不可能だった高速ヘリコプターが実現できるとされている。通常のヘリコプターではメインローターの前進側が遷音速に達し衝撃波が発生する速度が限界となり、解決策としてローター先端に後退角をつけ、さらにその部分には遷音速翼型を用いるヘリも実用化されているが、シングルローターでは後退側の逆流と失速による限界があるので、この対策も大きな効果は見込めない。この問題はABCローターを用いることで後退側ローターに依存しない飛行が可能になるため解決できるという。またリジッドローターはヒンジが存在しないという性質上フラッピング動作も小さいため、高速飛行時における後退側の失速も抑え易く(前述の通り本来は後退側に依存しない形式ではあるが)なり、またローターの衝突防止に上下間隔を広くとるために背が高くなる欠点もある程度解決できる。
出典:wikipedia
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