


『八重の桜』(やえのさくら)は、2013年1月6日から2013年12月15日まで放送されたNHK大河ドラマ第52作である。2014年度ノミネート作品。当初はまったく別の作品を計画していたものの、2011年3月11日に東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生したことを受け、NHK内部で東北復興を支援する内容にすべきだとの意見が上がり方針を転換。福島県会津出身で、同志社を創設した新島襄の妻となった八重の生涯を描いた作品となることが公式発表以前にマスメディアを通して明らかにされていた。同年6月22日に制作発表が行われた。この発表では同時に主演俳優も発表され、大河ドラマ初出演となる綾瀬はるかが起用されることになった。クランクインは2012年9月9日。舞台となる福島県会津地方でのロケーション撮影から開始され、9月13日には鶴ヶ城において出演者による記者会見が行われた。大河ドラマにおいて幕末期を描いた作品は、1990年代以降も幾つか制作されていたが、昭和期まで存命であった実在人物が主人公となるのは1985年の『春の波涛』以来28年ぶりとなる。ドラマ本編は明治30年代の描写で完結しているが、最終話の紀行のコーナーでは晩年の八重本人の映像が使用された。大河ドラマの主人公となった実在人物の生前の映像が使用されたのは、本作のみである。1865年、アメリカでは南北戦争が終結。不要となった武器の多くが日本へもたらされることとなる。そして明治元年(1868年)、それらを装備した新政府軍の攻撃にさらされる会津若松城の中に最新式のスペンサー銃を手に抗戦する一人の女性がいた。山本八重、後の新島八重である。時は遡って幕末、諸外国からの開国要求が高まり、日本国内は開国派、攘夷派などの思想の違いによる分断が起きようとしていた。この時代の転換期に、会津藩の砲術師範の家に生を受けた八重は、藩軍備の洋式化を目指す兄・覚馬や、その友である洋学者・川崎尚之助らの側で、会津そして日本の変化を感じていた。幕末の争乱により治安が悪化する京都警護のため藩主・松平容保が京都守護職に指命され、徳川将軍家への忠義を尽くさんと、会津は藩を挙げて倒幕派追討への動きに加わることとなる。それは後にいわれる「会津の悲劇」の序章であった。1868年9月22日、会津戦争終結。戊辰戦争に敗れた会津藩は「逆賊」と世間に罵られる中、八重と会津の仲間たちは新たな生き方を模索。家名再興を許された旧会津藩は、極寒の地に斗南藩をたて、飢餓や財政に苦しみながらも山川浩を中心に果敢に生きて行く。八重とその家族は兄・覚馬の生存を知り、覚馬を頼って京都へ渡り、そこで鉄砲に変わる「学問」という、新たな生きがいを得る。幕末の動乱で尚之助との別れを体験した八重だが、アメリカ合衆国から帰国した新島襄と出会い、心を開き結婚。キリスト教に根ざした学校を作ろうとするも、偏見を持つ人々の反発に遭い葛藤する襄を支えたのが「ならぬことはならぬ」の精神を持った八重。従来の会津の教えを「良いものは良い」と発想を転換、肯定的に捉えて邁進し同志社英学校の開校にもこぎつける。その後も、二人の夢は同志社大学設立へと向かうのである。「ジョー」「八重さん」と呼び合うこの風変わりな夫婦が、明治という新たな時代を駆け抜けて行く。オープニング冒頭部分に桜の木の前(全面リニューアル後は青空)で題字の「八重の桜」が表示される。平清盛に引き続き、題字の左側に「大河ドラマ」のクレジットを入れている。本作のオープニング映像は、中盤部分が各月ごとに変更される。映像には「アートの力で東北を応援する」というコンセプトの下、以下の芸術家(個人およびグループ)が桜をモチーフに「挫折と再生」を表現した作品が使用されている。芸術家の分野を尊重している作品(染織工芸、墨絵、ストロボ映像とCG、徳島の藍染め、染色画、書、スリットスキャン撮影、会津絵ろうそくのドキュメント映像)から、芸術グループの個性が問われる作品(テレビ映像、特殊なインクで印刷した紙で作った立体物、ガラスキューブの中に彫られた彫刻)まで多種多様なのが特徴。各月のオープニングのノンクレジット版はDVD完全版の特典映像として収録されている。第34話(8月25日放送)の京都編から「過去と未来を希望でつなぐ」をコンセプトに一部を除いてリニューアルし、明るいオープニング映像となった。菱川が手がけた12月バージョン(最終回を除く)は被災地の観光名所を撮影したオリジナルのアーティストパートの他に会津編のオープニング映像と京都編のオープニング映像を用いて挫折と再生を表現したバージョンとなっている。なお最終回は変則的にオープニング映像は一部を除いて本編終了後に流された。※各回視聴率下記はいずれも総合テレビでの放送日程。各日2部ずつ連続放送。山本むつみの脚本を原案とした以下の作品が各誌で連載。
出典:wikipedia
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