シビレタケ属("Psilocybe")とはモエギタケ科のキノコの属のひとつ。世界で広く分布している。この属は多くの種で幻覚化合物を含まないにもかかわらず、幻覚作用からよく知られた種であり、マジックマッシュルームとして広く知られている。幻覚作用を起こす物質としてシロシンやシロシビンを含んでいることが多く、ほとんどの種類が法律で麻薬として規制されている。傷つけると青く変色する種が多いが、変色しない種もある。すべての種が腐生菌である。ナラタケなどの食菌と似ているものもあるので注意を要する。シロシビン含有量が多いものは時として麻痺を起したりすることがある上、ケコガサタケ属などの猛毒菌に形の類似したものもあるので食べるべきではない。学名のPsilocybeはギリシャ語のψιλός と κύβηの合成で、"露出する頭"と言う意味で、傘の上に弛んだ外れる表皮を持っていることを意味している。シビレタケ属の子実体は多くが小さく、特徴のない、形態学的には典型的な"小さなブラウンマッシュルーム"である。肉眼的にはこれらは小型から中型で、茶色から狐色、たいてい乾燥すると変色し、胞子紋の色はライラックブラウンから暗紫褐色である。幻覚を起こさせる種は多くが傷ついたときに青く変色する。顕微鏡的には、皮膚上の表皮を持ち、クリソシスチジアを失っている。胞子は表面が滑らかであり、楕円から細い菱形、準六角形などの形があり、それぞれの頂点が発芽孔になっている。生態学的には全ての種が腐生植物であり、様々な腐敗した有機物に生育する。2002年のMoncalvoらによる分子系統学による研究は、現在定義されているシビレタケ属が多系統群であると明らかにし、お互いに直接関係しない2つの別個のクレードに置かれ、青変する幻覚作用を持つ種が一つのクレードになり、青変しない種がもう一つのクレードに置かれた。以前の模式種は青変しないグループのPsilocybe montanaであったが、2010年には模式種は青変するPsilocybe semilanceataに変えられている。2006年のMoncalvo, et al.によるハラタケ目の分子系統学研究では、さらに広範囲で両者の別を証明しており、ハラタケ目の系統樹を強く支持するものだった。シビレタケ属は分類学的にモエギタケ科に位置しており、この分類は胞子と表皮の形態を基にしている。Mathenyらによる分子系統学では青変しないものとそれに根本的な位置で近しい関係のものをモエギタケ科の基底に置き、関連分類群をこの科の他の属に含まれるクレードに位置づけている。しかしながら、もう一つのクレードを構成している青変する種は新編されたHymenogastraceae科のケコガサタケ属に関連している。Moncalvoらの系統額的研究はハラタケ類のMelanotus属が青変しないシビレタケ属のサブグループである可能性を強め、またKuehneromyces属やPhaeogalera属と間の近い関係を指摘している。2007年にはRedheadらによる論文でシビレタケ属はPsilocybe semilanceataを模式種として保持することが提案された。この提言は2010年世界植物科学会議菌類命名法委員会に満場一致で採用され、これによって青変するタイプであるPsilocybe semilanceataはシビレタケ属の模式種となった。以来Psilocybe semilanceataは模式種であり続けており、今後はおそらく青変するクレードがシビレタケ属に維持され、青変しないクレードはおそらくDeconica属に移動する。
出典:wikipedia
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