広尾ガーデンヒルズ(ひろおガーデンヒルズ、Hiroo Garden Hills)は、東京都渋谷区広尾に所在する大規模マンションである。住友不動産、三井不動産、三菱地所、第一生命保険の4社共同開発によって、1984年(昭和59年)から1986年(昭和61年)にかけて竣工した。北西方向の隣接地には2009年(平成21年)以降、新たな大規模マンション「広尾ガーデンフォレスト(Hiroo Garden Forest)」が順次竣工しており、本稿では同マンションについても記述する。広尾ガーデンヒルズは、起伏に富んだ約6.6haの敷地に配された、全15棟・合計1,181戸のマンションと管理センター、スーパーマーケット(ザ・ガーデン)、レストラン(シェ松尾)、銀行(三菱東京UFJ銀行)、医院等によって構成されている。東京ではよく知られた超高額のいわゆる「ヴィンテージ・マンション」の筆頭格であり、緑豊かで落ち着いた住環境の良さなどが評価され、竣工以来現在まで中古市場で高い人気を維持している。最寄駅は東京メトロ日比谷線・広尾駅で、最も駅に近い棟で徒歩約5分。敷地内は2-3棟ごとに同じデザインコンセプトで建設された「ヒル (Hill)」と呼ばれる単位に分けられており、全部で5つの「ヒル」が存在する。駐車場も整備されており、屋内外いずれも全て平置式駐車場となっている。各戸の間取りは53.4-362.2m²であり、新築時の分譲価格は8,000万円-4.9億円であった。発売当初から高い人気を得て即日完売、抽選倍率平均40.8倍、最高倍率209倍を記録した。また、完成後にはバブル景気が到来し、新築時に76-127万円/m²程度であった価格は、中古市場で最高900万円/m²程度にまで跳ね上がった。広尾ガーデンヒルズの所在地はかつて渋谷区宮代町という住所で、現在も隣接している日本赤十字社医療センターの所有地だったものである。日本赤十字社は当時、広尾の高台に約40,000坪の土地を有しており、そのうちの約半分を広尾ガーデンヒルズ建設用地として売却したが、不動産ビジネスに対する無知のために市場価格の半値程度で手放してしまったものだという。設計は三菱地所設計と圓堂建築設計が、施工は清水建設をはじめとする共同企業体 (JV) が担当し、管理業務は住友不動産建物サービスが受託している。「ヒル」と呼ばれる5つの区域は、それぞれ独自のコンセプトに基づいて設計されており、異なる時期に竣工している。中古市場においては棟ごとに価格相場に相違があり、サウスヒルとセンターヒルの人気が特に高いとされる。サウスヒルとともに最も広尾駅に近い部分に位置しており、東側の高層階からは外苑西通り方面越しに東京タワーや有栖川宮記念公園などが望める。各戸の広さ、質感、安全面のすべてにおいて他のヒルよりも優越しており、ガーデンヒルズ内でも別格との評価もある。また、棟別にはなかでもD棟の人気が最も高いとも言われる。サウスヒルは警備員が常駐する専用ゲートを備えているほか、駐車場付置率も100%超となっている。敷地中央にあり、他の4ヒルに囲まれる位置となっている。しかしながら配棟が考慮されているため眺望が良く、むしろガーデンヒルズの風情そのものを借景にできる最高の位置であるとの評価もある。黄色系の外壁タイルや、丸型ガラスの窓など、5つのヒルのなかでも独特の雰囲気を持つ。ファミリータイプ中心の堅実な仕様となっている。全ヒルの中でも敷地内の樹木が最も豊か、また広尾北公園にも直結しているため、都心とは思えないほど自然を身近に感じられるヒルと評価が高い。但し広尾駅からは最も遠くに位置しており、駐車場付置率も約40%と低い。また、L棟は賃貸棟となっており、他の棟とは異なる第一マンションによる管理となっている。2009年(平成21年)から、広尾ガーデンヒルズの北西隣接地で新たに開発された大規模マンションが「広尾ガーデンフォレスト」である。日本赤十字社医療センター等再整備のための資金を必要としていた日本赤十字社が、自社所有地をみずほ信託銀行に定期借地(50年間)として提供、その土地に定期借地権付分譲マンションとして開発された。日本赤十字社が約2.99万m²の土地に係る信託契約をみずほ信託銀行と締結し、みずほ信託銀行と定期借地契約を締結した三井不動産レジデンシャルと三菱地所レジデンスの2社がマンション開発・分譲を行うスキームとなっている。桜レジデンス(A棟123戸・B棟74戸)、楓レジデンス(C棟117戸・D棟40戸)、白樺レジデンス(E棟39戸・F棟81戸)、椿レジデンス(G棟101戸・H棟99戸)と名付けられた全8棟のマンションに、事業協力者用住戸34戸を含む合計674戸が配されているほか、郵便局なども入居する業務棟が設置されている。マンションの敷地、共有部分に関しては日本赤十字社の関係者や業務棟利用者も使用することが明記されている。設計は三菱地所設計、施工は鹿島建設。管理業務は三井不動産住宅サービスが受託する。マンションの権利形態は、敷地が定期借地権(地上権)の準共有、建物が区分所有となり、所有者は別途、月額の地代を支払うほか、管理組合として将来の建物解体費用支出に備えた「解体準備積立金」を積立てる必要がある。定期借地権の存続期間は2063年8月までであり、それまでに建物を解体、更地にして日本赤十字社に返却する義務がある。期間延長は一切認められない契約となっており、日本赤十字社は返却後に本土地を将来の新病院建築地として利用するという。日本赤十字社とみずほ信託銀行との間で交わされている契約について、事業決定後に日本赤十字社医療センター院長に就任した医師・幕内雅敏は、定期借地料として「(競合した)住友不動産からは400億円を提示されたにも関わらず、241億円しか出さないみずほ信託銀行と契約した」「広尾の高台にある土地の価値を、川沿いの低地の相場で算定している」などと、主に日本赤十字社側の不可解さ・不明朗さを批判している。
出典:wikipedia
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