福島工業高等専門学校(ふくしまこうぎょうこうとうせんもんがっこう、英称:National Institute of Technology, Fukushima College, NIT, Fukushima College)は、福島県いわき市平に所在する国立高等専門学校。略称は福島高専。福島工業高等専門学校は、本科5学科・専攻科2専攻(5コース)で構成される、主に工学系の中堅技術者の養成を目的にした学校である。全国51校の国立高専にあって3学科のみとなる文系学科も設置されている。いわき市の玄関口であるいわき駅からバスで10分ほどと、交通利便な立地である。キャンパスは緑にあふれ、ツツジの季節になると構内を開放して、市民に親しまれている。正面玄関にあるケヤキの大木は、林野を切り開いて校地を整備した際、そのまま残され、学校のシンボル的存在となっている。物質工学科棟の北側にそびえるクスノキは、旧平町役場の庁舎が1900年に建設された際の記念植樹を1978年に譲り受け移植したもの。樹齢はすでに100年余となる。さらに、ケヤキの前には、彫刻界の第一人者であった佐藤忠良から寄贈を受けたブロンズの「青年の像」(1969年9月除幕)が建立され、中庭にも佐藤が炭鉱労働者らの協力のもと制作したセメント像「母子想」(1953年作)が立ち、文化的な雰囲気を漂わせている。「母子想」の所有者は常磐炭砿(後の常磐興産)であったが、自社炭鉱の閉山にともなって寄贈を受け、1973年1月、同地に移設されたものである。また、校地の背後には、本州で最後まで採掘が行われていた常磐炭田の廃坑が点在し、石炭産業で栄えた往時の面影を残している。福島高専が立地するいわき市は、かつて「常磐・郡山」地区の一部として新産業都市に指定され、新産業都市法の廃止後、一帯は常磐工業地域とも呼称されるようになった。福島高専は、近隣に小名浜の臨海工業地域などが控え、東北地方最大の工業都市にある工学系の高等教育機関として、一定の存在感を示している。東日本大震災によって東京電力福島第一原子力発電所がメルトダウンなどの重大事故を起こす直前には、原子力関連の就職者が就職希望者全体の25パーセントにも及んでいた。原発事故後2年となる2013年4月には、原発の廃炉作業などに従事する人材を育成するために、専攻科内に「復興人材育成特別コース」を開講した。1961年6月、国会で学校教育法の一部を改正する法律(法律第144号)、いわゆる「高専法案」が成立したのを受け、福島県議会が「高専校設置に関する意見書」を全会一致で議決した。これにともない、福島県知事名により「高専校を常磐工業地帯に設置」するよう旧文部省に陳情を行うとともに、官民により「常磐地区高専校誘致期成同盟」(事務局は旧石城県事務所内)を結成して、誘致運動を展開。福島県知事、県議会議長、県教育長、平市長、県選出国会議員らが数度にわたって文部大臣に直接要請を行うなどした結果、翌1962年1月10日、他の11校とともに、国立高専1期校として平市への設置が決定するに至った(東北では1校のみ)。学校名は、当時の文部省が所在地の市名を付けるよう指導したことから、「平高専」という名称になった。1966年10月には、平市を含む5市4町5村の広域合併により、いわき市が誕生。これに伴い、県名を冠した「福島高専」に改称された。現在でも、当時を知る地元の人びとは「平高専」と呼ぶことがある。初代校長には、高専誘致の中心になった県教育長の佐藤光が横滑りで就任。県全体でバックアップする態勢が取られた。他の高専では、合格者の入学辞退が相次ぎ、追加合格を出さざるを得ない事態となったり、現在でも、あらかじめ辞退者を想定して、定員を大幅に上回る合格者を出しているところがあるものの、福島高専の場合は草創期も現在も合格者は各学科定員40名+1、2名にとどまり、ほぼ全員入学している。第1回の入学試験では、福島県のみならず、東北各県や北関東からも受験生を集め、志願倍率17倍に達する人気校となった。近隣に宮城高専が創設された翌年も14.7倍を維持した。しかし、東北6県すべてに高専が創設され、茨城県に茨城高専が創設された3年目には6.6倍に落ち着き、その後、20年ほどは3〜4倍の競争率で安定。近年は、少子化と高校を経て大学に進学するといった高学歴志向の影響もあって、2倍前後の倍率となっている。2006年度入試では全体で1.8倍にとどまり、学科によっては1.2倍と低迷した。国立高専全校でも、同様の傾向にあり、同年度の平均志願倍率は1.86倍だった(ただし、前述の通り、他の高専では定員を大きく上回る合格者を出しているところがあるため、実質競争率は1.6〜1.7倍程度と見込まれる)。福島高専の2007年度入試は、さらに落ち込み、推薦・一般をあわせた志願倍率は1.71倍(実質競争率は1.63倍)となった。元来、高専は「完成教育」を標榜していた。だが、各高専とも、専攻科を設けて「学士」号を得られるしくみを整えたり、大学3年編入のためのバイパスルートとして宣伝に努めるなど、大部分が就職希望者で、かつ就職率100%を誇った草創期とは異なる方向で制度の生き残りを図ろうとしている。福島高専もその例外ではない。ここ数年、大学3年編入や専攻科進学が急激に増え、2006年3月の卒業生は半数以上が進学を選んだ。その一方で、同じ年度の求人倍率は14.1倍に達し、高校や大学の就職戦線とは比較にならない売手市場となっている。このようなアンビバレントな状況をどう決着させるか、大きな課題になろうとしている。福島高専は、学校として下記の「教育理念」を標榜し、「学習・教育目標」「アドミッションポリシー」「生活指導方針」などを受験生を含む学生向けに明示している。いわゆるアドミッションポリシーとして学校全体では5項目を明示し、さらに、学科ごとに入学を期待する学生(受験生)像を提示している。携帯電話の使用制限に特徴がある。使用禁止時間帯の携帯電話使用に関する指導は担任による口頭指導になった。また、テスト中の着信が試験監督者に確認された場合、不正行為をしたとして、その試験期間中の全教科の採点が行われなくなり、再試験も受けられなくなる。(全教科0点)。学生寮は「磐陽寮(ばんようりょう)」と呼ばれ、こずえ棟、若葉棟、青葉棟、暁棟、白雲棟、食堂・浴室棟で構成される(若葉棟は女子寮)。寮務主事が委員長を務め、17名の教員・事務職員で構成する寮務委員会が管理運営を行っている。全寮生で組織される「寮生会」には、寮長、副寮長、書記、会計、会計監査のほか、厚生、管理、行事、広報、園芸、選挙管理兼図書、指導寮生の各委員会が設置されており、ほぼ全員の寮生がいずれかの委員会に所属し、管理運営に参加している。門限や入浴時間、消灯時間が定められている。特に女子寮は玄関がカードキーで管理され、22時以降は外出できない。外出した場合は寮務委員会からの指導を受ける。年度初めには、新入寮生が上級生に自己紹介をする「対面式」が2日にわたって行われる。-->この他にも寮生間の交流行事(スポーツ大会、餅つきなど)が寮生活のアクセントとなっている。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。